aqua green noon
こちらはBL妄想小説、及びイラストサイトでございます。
A WISH STAR 後編
二十四日、恒例となりつつある四人でのクリスマスパーティは、俺の家で行われた。
男四人でなにが楽しいのか、それもいつも一緒の仕事仲間なのに、わざわざクリスマスまで顔突き合わす意味がわからねぇと言われれば、まあ、そうかも知れないけどね。
でも一緒に居て、何の気兼ねも一切無くて、心から楽しめる仲間って素晴らしいじゃねぇか。それに本当に楽しいんだから仕方ねぇし。
下らないほど盛り上がって、プレゼント交換もやって、「きよしこの夜」で締める。
イブも終わり本当のクリスマスになる頃、パーティはお開きとなる。
カイやアキラと一緒に帰ろうとするミナトの後姿を見て、なんだがどうしても帰す気にはならなくて、玄関で靴を履き終わったミナトの腕を掴んだ。
?みたいな顔をして俺を見るから、なんでこんなに融通のつかない奴だと思ったが、俺も一切誤魔化す気は無かったから、
「おまえは…泊まっていけ」と、口にした。
普段ならもっと色々と理由をつけたかもしれない。酔っ払っている所為かもしれない。聞きたい事があったからかもしれない。…いや違う。ただ、まだおまえを離したくねぇんだわ。
ミナトはあからさま過ぎた俺に、ちょっとだけ困った顔をしたが、コクンと頷くと履いてた靴を脱ぎだした。
それを見た後ろの二人が、ニヤニヤと笑う。
「あらら、本当のクリスマスパーティはこれからって事なんですか?おふたりさんは」
「おい、アキラ。今更嫉妬は醜いぞ。それから…おまえらふたりとも、盛り上がるのはわかるが、明日も仕事だからほどほどにするのだよ」
「あのな、カイくんの言い方の方が、よっぽどいやらしいんだよっ!」
「俺は常識ある大人として、ちょっとは加減しろってな…」
「あ〜もう判ったから、さっさと帰るよ、この酔っ払いっ!」
挨拶もなくドタバタと帰って行ったふたりの後、玄関のドアがバタンと閉まる。
ミナトがゆっくりとこっちを向く。
…無理に引き止めて怒ってるかな。もっと前から約束しとけば良かったんだけど…
ミナトの顔色を伺って、色々と考えてる俺にミナトは少し照れつつもやわらかく微笑んで、
「やっとさ…ふたり、に…なれたね」って言うんだ。
…そんな言葉言われたら、俺、何も返せねぇし…
愛しさが募って仕方ねぇ…満杯になって溢れ出すんだよ、おまえへの想いが…
「ミナト…」
漸く身体を抱きしめた。今日初めての抱擁だ。
朝からパーティの用意だとかでさ、ずっと一緒だったにもかかわらず、なんかちょっと遠くって、寂しい気がしてたんだよ。おまえに触れられなくて、さ。
抱きしめたままキスをした、何回も。それでも全然足らなくて、そのままミナトの腕を掴んで引っ張って、ベッドに直行した。
するのは久しぶりじゃない。この間だって、呆れる位やったのに。
俺の性欲ってもんは、どうもミナトに限っては際限ってものを知らないらしい。
直情的になってる俺に、ミナトは口を開いた。
「あ、ハルくん。片付け…終ってないよ」
「いいよ、んなもん。後で…明日でもいいじゃん」
「でもさ…」
「俺は今したいの、ミナトと」
「…」
「なに?ミナはしたくねぇの?」
「…いや…したい、かも」
「じゃあ、しよう」
こうゆう余裕のない俺にミナトは絶対に逆らわないって自信あるからな。
…ああ、俺は卑怯だなって思うよ。おまえの優しさに付けこんで、いつだって好きに振り回してる。
そりゃおまえだって色々我儘は言うけど、振り回す回数は俺の方が確実に多いよな。
手っ取り早く服を脱がせたミナトをベッドに押しつけ、その身体に覆い被さって、力一杯抱きしめつつも、身体中撫で回したり、キスを繰り返すのを止めないでいると、ふと顔を合わせた瞬間ミナトが笑った。
さっきまでバカ騒ぎしていたミナトとは違う顔で。
…ここには、大切な俺の恋人のミナトがいる。
…ああ、俺達にはクリスマスも誕生日ですら、愛しあうのに関係無い日なのかも知れない…と、思いながら、それでも、そういうイベントがあるからこそ、又愛を確かめる事が出来るのかな…などとちょっとお寒くなりつつも、ミナトのあったかい体温に溺れるこの時間こそが、サンタクロースのくれたプレゼントなのかもなって、結局そんなロマンチックな心情に落ち着いたんだ。
「ミナト、覚えてる?」
終った後、ふたりで一緒に風呂に入って、身体を洗ってから湯船に浸かってゆっくりした。
対面するように座って、お互いの足を撫でたり、手を絡めたりしてね。
「何が?」
俺の質問に指鉄砲で水を飛ばして遊んでたミナトが顔を上げる。
「プレゼント交換」
「そりゃ覚えてるよ。俺ね、アキラからのだったの。手袋。あったかそうだな…」
「違ぇよ。そりゃさっきのだろ?」
「えっ?違うの?」
そんな間の抜けた顔で見んな。バカ。ああ、説明しなかった俺が悪かったよ。
「あのな。幼稚園の頃さ。プレゼント交換会ってあったろ?そん時自分達が作ったカードを交換したろ?」
「…そんなの、あったっけ…」
「…」たぶん…絶対そういうと思った。自分の気に留めない過去の記憶については、本当に喪失するからな、おまえは。
「…それでな、俺はおまえからもらったんだよ、あん時」
「う〜ん…覚えてねぇなぁ〜」
「いいから、俺の話聞いとけって。そんでな、おまえの作ったカードな。でっかい星が貼ってあったの。
キラキラする金色の折り紙で綺麗な五角形の。それがすげぇキレイでさ。俺、超嬉しかったの」
「ふーん」
「そんで、おまえが言ったんだよ。『ミナくんの星、ハルくんに届いたんだね』って…」
「…俺、そんなこと言ったの?」
「うん、言ったの」
「…すごいね」
「すごいだろ?」
「うん」
「なんかさ…ドキドキしたよ、そん時…」
「わかる…想像したらドキドキしてきたよ、俺も」
「ね…おまえ、凄いよ」
「覚えてねぇけどな。すごいぜ、俺って…ね」
思い出せもしないクセして、えらぶってフフって笑うから、たまらない。
…ああ、なんかもう、またやりたくなるし…
「…俺もなんか、そういうもの、ミナトにプレゼント出来たらいいんだけどな」
「えっ?」
「なんか…そういうインパクトのある、さ」
「あのさ…俺いっぱい貰ってるよ、ハルくんから。色んなもの」
「なんか、あの星に比べたら、全然って気ぃしてるんだけど…」
「バカだねぇ、おまえは。…すっげぇ…すっげぇ輝いてるの、俺の中には…」
「何が?」
「…ハルカって星がさ」
「…」
思いもかけなかった言葉を貰った。
湯煙で少し霞んではいたけれど、ミナトの顔は真剣味を帯びていたし、声だってふざけた調子は無かった。だから、こっちだって軽口で返すつもりは無かった。
ただ…間違いなく俺は今、途方も無いほど間抜けな顔をしている、と、思った。
嬉しくて…ただ嬉しくて仕方がない時っていうのは、言葉なんて出ねぇもんだな。
恥ずかしいのか段々と俯いていくミナトを見ながら、なんか言わなきゃと思っても、本当に何も浮かんでこないんだ。
何の言葉も出ないままぼーっとしていると、俯いたままのミナトが困った調子で口を開いた。
「あ…今のはちょっと…かなり寒かったね」
「いや…全然。つうか、感動してた…」
「も、もう俺上がるわ」
「待てって、ミナト…」
本当に照れてどうしようもなくなったのか、急に身体を起こしそうにするから、俺は腕を引っ張って、そのまま濡れた身体を抱き込んだ。
「…恥ずかしいし…」
「バカ、恥ずかしくねぇし…ありがとな、ミナト」
「ん…」
濡れた額にかかる髪をよけて、キスを落としながら、これじゃ二十年前と同じじゃねぇかと、思う。
こうして又ミナトから輝きを貰って、目指すものを掲げて歩いて行ける。
おまえから貰った星が俺の目指す星であり、
おまえの中の星が俺であるのなら、目指す目的地は一緒になんねぇかな。もしそうだとしたら…
それは、すげえ幸せなことなんじゃねぇのかな…
クリスマスは巡った道を振り返る日なのかもしれない。
その道は本当に曲がりくねってはいるだろうけれど、数え切れぬほどの色んな色にキラキラと輝いているんだ。
そして、その隣りには…並行するように歩く君が居るから。
手を繋ぐ君の道も又振り返れば、色んな色に輝いているね。
少しだけ距離を取って、同じ歩数で歩んでいく。
君と僕のMILKYWAY。
輝く星に繋がる僕らの道は、トナカイのソリのように綺麗な平行線を辿っているのだろうか。
もし、そうでなくてもね、今夜だけは言わせて欲しい。
MERRY CHRISTMAS to You…
クリスマスのお話ってどうしてもこういう感じになってしまいます。
しかし、風呂のシーン多いわ^_^;…
男四人でなにが楽しいのか、それもいつも一緒の仕事仲間なのに、わざわざクリスマスまで顔突き合わす意味がわからねぇと言われれば、まあ、そうかも知れないけどね。
でも一緒に居て、何の気兼ねも一切無くて、心から楽しめる仲間って素晴らしいじゃねぇか。それに本当に楽しいんだから仕方ねぇし。
下らないほど盛り上がって、プレゼント交換もやって、「きよしこの夜」で締める。
イブも終わり本当のクリスマスになる頃、パーティはお開きとなる。
カイやアキラと一緒に帰ろうとするミナトの後姿を見て、なんだがどうしても帰す気にはならなくて、玄関で靴を履き終わったミナトの腕を掴んだ。
?みたいな顔をして俺を見るから、なんでこんなに融通のつかない奴だと思ったが、俺も一切誤魔化す気は無かったから、
「おまえは…泊まっていけ」と、口にした。
普段ならもっと色々と理由をつけたかもしれない。酔っ払っている所為かもしれない。聞きたい事があったからかもしれない。…いや違う。ただ、まだおまえを離したくねぇんだわ。
ミナトはあからさま過ぎた俺に、ちょっとだけ困った顔をしたが、コクンと頷くと履いてた靴を脱ぎだした。
それを見た後ろの二人が、ニヤニヤと笑う。
「あらら、本当のクリスマスパーティはこれからって事なんですか?おふたりさんは」
「おい、アキラ。今更嫉妬は醜いぞ。それから…おまえらふたりとも、盛り上がるのはわかるが、明日も仕事だからほどほどにするのだよ」
「あのな、カイくんの言い方の方が、よっぽどいやらしいんだよっ!」
「俺は常識ある大人として、ちょっとは加減しろってな…」
「あ〜もう判ったから、さっさと帰るよ、この酔っ払いっ!」
挨拶もなくドタバタと帰って行ったふたりの後、玄関のドアがバタンと閉まる。
ミナトがゆっくりとこっちを向く。
…無理に引き止めて怒ってるかな。もっと前から約束しとけば良かったんだけど…
ミナトの顔色を伺って、色々と考えてる俺にミナトは少し照れつつもやわらかく微笑んで、
「やっとさ…ふたり、に…なれたね」って言うんだ。
…そんな言葉言われたら、俺、何も返せねぇし…
愛しさが募って仕方ねぇ…満杯になって溢れ出すんだよ、おまえへの想いが…
「ミナト…」
漸く身体を抱きしめた。今日初めての抱擁だ。
朝からパーティの用意だとかでさ、ずっと一緒だったにもかかわらず、なんかちょっと遠くって、寂しい気がしてたんだよ。おまえに触れられなくて、さ。
抱きしめたままキスをした、何回も。それでも全然足らなくて、そのままミナトの腕を掴んで引っ張って、ベッドに直行した。
するのは久しぶりじゃない。この間だって、呆れる位やったのに。
俺の性欲ってもんは、どうもミナトに限っては際限ってものを知らないらしい。
直情的になってる俺に、ミナトは口を開いた。
「あ、ハルくん。片付け…終ってないよ」
「いいよ、んなもん。後で…明日でもいいじゃん」
「でもさ…」
「俺は今したいの、ミナトと」
「…」
「なに?ミナはしたくねぇの?」
「…いや…したい、かも」
「じゃあ、しよう」
こうゆう余裕のない俺にミナトは絶対に逆らわないって自信あるからな。
…ああ、俺は卑怯だなって思うよ。おまえの優しさに付けこんで、いつだって好きに振り回してる。
そりゃおまえだって色々我儘は言うけど、振り回す回数は俺の方が確実に多いよな。
手っ取り早く服を脱がせたミナトをベッドに押しつけ、その身体に覆い被さって、力一杯抱きしめつつも、身体中撫で回したり、キスを繰り返すのを止めないでいると、ふと顔を合わせた瞬間ミナトが笑った。
さっきまでバカ騒ぎしていたミナトとは違う顔で。
…ここには、大切な俺の恋人のミナトがいる。
…ああ、俺達にはクリスマスも誕生日ですら、愛しあうのに関係無い日なのかも知れない…と、思いながら、それでも、そういうイベントがあるからこそ、又愛を確かめる事が出来るのかな…などとちょっとお寒くなりつつも、ミナトのあったかい体温に溺れるこの時間こそが、サンタクロースのくれたプレゼントなのかもなって、結局そんなロマンチックな心情に落ち着いたんだ。
「ミナト、覚えてる?」
終った後、ふたりで一緒に風呂に入って、身体を洗ってから湯船に浸かってゆっくりした。
対面するように座って、お互いの足を撫でたり、手を絡めたりしてね。
「何が?」
俺の質問に指鉄砲で水を飛ばして遊んでたミナトが顔を上げる。
「プレゼント交換」
「そりゃ覚えてるよ。俺ね、アキラからのだったの。手袋。あったかそうだな…」
「違ぇよ。そりゃさっきのだろ?」
「えっ?違うの?」
そんな間の抜けた顔で見んな。バカ。ああ、説明しなかった俺が悪かったよ。
「あのな。幼稚園の頃さ。プレゼント交換会ってあったろ?そん時自分達が作ったカードを交換したろ?」
「…そんなの、あったっけ…」
「…」たぶん…絶対そういうと思った。自分の気に留めない過去の記憶については、本当に喪失するからな、おまえは。
「…それでな、俺はおまえからもらったんだよ、あん時」
「う〜ん…覚えてねぇなぁ〜」
「いいから、俺の話聞いとけって。そんでな、おまえの作ったカードな。でっかい星が貼ってあったの。
キラキラする金色の折り紙で綺麗な五角形の。それがすげぇキレイでさ。俺、超嬉しかったの」
「ふーん」
「そんで、おまえが言ったんだよ。『ミナくんの星、ハルくんに届いたんだね』って…」
「…俺、そんなこと言ったの?」
「うん、言ったの」
「…すごいね」
「すごいだろ?」
「うん」
「なんかさ…ドキドキしたよ、そん時…」
「わかる…想像したらドキドキしてきたよ、俺も」
「ね…おまえ、凄いよ」
「覚えてねぇけどな。すごいぜ、俺って…ね」
思い出せもしないクセして、えらぶってフフって笑うから、たまらない。
…ああ、なんかもう、またやりたくなるし…
「…俺もなんか、そういうもの、ミナトにプレゼント出来たらいいんだけどな」
「えっ?」
「なんか…そういうインパクトのある、さ」
「あのさ…俺いっぱい貰ってるよ、ハルくんから。色んなもの」
「なんか、あの星に比べたら、全然って気ぃしてるんだけど…」
「バカだねぇ、おまえは。…すっげぇ…すっげぇ輝いてるの、俺の中には…」
「何が?」
「…ハルカって星がさ」
「…」
思いもかけなかった言葉を貰った。
湯煙で少し霞んではいたけれど、ミナトの顔は真剣味を帯びていたし、声だってふざけた調子は無かった。だから、こっちだって軽口で返すつもりは無かった。
ただ…間違いなく俺は今、途方も無いほど間抜けな顔をしている、と、思った。
嬉しくて…ただ嬉しくて仕方がない時っていうのは、言葉なんて出ねぇもんだな。
恥ずかしいのか段々と俯いていくミナトを見ながら、なんか言わなきゃと思っても、本当に何も浮かんでこないんだ。
何の言葉も出ないままぼーっとしていると、俯いたままのミナトが困った調子で口を開いた。
「あ…今のはちょっと…かなり寒かったね」
「いや…全然。つうか、感動してた…」
「も、もう俺上がるわ」
「待てって、ミナト…」
本当に照れてどうしようもなくなったのか、急に身体を起こしそうにするから、俺は腕を引っ張って、そのまま濡れた身体を抱き込んだ。
「…恥ずかしいし…」
「バカ、恥ずかしくねぇし…ありがとな、ミナト」
「ん…」
濡れた額にかかる髪をよけて、キスを落としながら、これじゃ二十年前と同じじゃねぇかと、思う。
こうして又ミナトから輝きを貰って、目指すものを掲げて歩いて行ける。
おまえから貰った星が俺の目指す星であり、
おまえの中の星が俺であるのなら、目指す目的地は一緒になんねぇかな。もしそうだとしたら…
それは、すげえ幸せなことなんじゃねぇのかな…
クリスマスは巡った道を振り返る日なのかもしれない。
その道は本当に曲がりくねってはいるだろうけれど、数え切れぬほどの色んな色にキラキラと輝いているんだ。
そして、その隣りには…並行するように歩く君が居るから。
手を繋ぐ君の道も又振り返れば、色んな色に輝いているね。
少しだけ距離を取って、同じ歩数で歩んでいく。
君と僕のMILKYWAY。
輝く星に繋がる僕らの道は、トナカイのソリのように綺麗な平行線を辿っているのだろうか。
もし、そうでなくてもね、今夜だけは言わせて欲しい。
MERRY CHRISTMAS to You…
クリスマスのお話ってどうしてもこういう感じになってしまいます。
しかし、風呂のシーン多いわ^_^;…
A WISH STAR 前編
A WISH STAR
まだ、幼い…幼稚園の頃の話だ。
この季節のメインイベントとなるクリスマス会は、誰しもが楽しみにしている恒例行事だったわけで、もちろん俺だって大好きだった。
クリスマスの意味さえ分からないのに、あの音楽と派手に飾られたクリスマスツリー。
赤い服を着たサンタクロースの背中に背負ってる袋の中には何が入っているのか…想像するだけでワクワクするじゃねぇか。
そんでもって、そんな宗教とか一切わけのわかんねぇガキ共にもプレゼント交換会ってシャレたイベントがあった。
前日の工作の時間、各自が作ったクリスマスカードが交換アイテム、然りプレゼントだ。
全員が大きな輪になって、俺らは音楽に合わせて隣りの奴に順繰りに手渡し、曲が終った時に手にあるカードが自分のプレゼントとなる。
当然、子供のおぼつかない技術には大幅な差があるから、出来のいいカードとそうでないものがある。
出来上がりの例として先生たちの作ったサンプル品を模倣する奴が多いが、例によって俺は独自のすげぇクリスマスカードを作り上げた。それは自分で感心するくらいの出来映えで、カードを開くとサンタが飛び出すという仕掛けまであるんだ。
本音かますと誰にもやらないで自分でとっときたいぐらいのシロモノだった。
それでもそんな我儘言う気になんか全然ならなかった。
現実のこのイベントには、心から魅了される充分なパワーがあって、人に施すという一見とんでもねぇ自己満足の世界が、クリスマスというシチュエーションの中ではとてつもなく美しく見えるもんなんだ。
俺の作ったカードを受け取った奴がどんな顔して驚くか、喜んで受け取るかって考えたら、それだけで十ニ分に、この小さな胸のプライドを満足させるものだった。
そして、音楽は流れる。
俺は自分の作ったカードの行方を追うのに必死になる。
…一体誰が俺のカードを手にするんだろう…
隣りに移り、そして又隣りへ…そっちの方ばかりに気を取られ、自分の手の中に来るカードにはさほど注意は払っていなかった。
「ほらっ、ハルくん。ぼーっとしてないで、さっさと回せって!」
隣りのアキラが俺の肩を小突く。
「あっ、ああ、ごめん」と、と、落としかけた己のカードをしっかり持って、アキラに渡した。
…あっ、俺のカードは?…と、さっきまで追っていたカードの行方を捜すが、誰の手に渡っているのか判らなくなってしまった。
…ちぇっ、せっかく、そいつの驚く顔見たかったのに…
曲が鳴り止む。
みんなの手が一斉に止まる。
結局見失ってしまったカードの行方にちょっとだけ落ち込んで、ため息を吐いた。
俺の手元に残った真っ黒なカードを恨めし気に見つめた。
表紙には何も無い。
…俺が作ったのはこんなんじゃなかったのにな。表紙にだってリースにロウソクなんか折り紙で切り抜いて貼ったんだよ。すげぇキレイなの…
半分に折られた黒い画用紙に失望しながらも開いてみると…
目に飛び込んできたのは…
なんだよ、これ…
…星だ…
カードからはみ出すくらいにデカイ金色の星が、唯ひとつ…あった。
メリークリスマスの言葉もサンタももみの木もなにも無い。
本当に何一つないんだ。
ただ、五角形の綺麗な星が、キラキラと輝いていた。
俺は息を呑んだ。
じっと見ていると何だがわからんが、段々と胸の鼓動が激しく打つのが判って、そんで身体が熱くなってくる。
なんか…なんかドキドキする。
周りの奴らは「サンタさんかわいいっ!」とか、「このツリー、よくできてんなぁ〜」とかはしゃいでいる。
隣りのアキラが俺の肩を抱くと、自分のカードを目の前に差し出した。
「ほら、見て見て、ハルくん。俺のカード、クリスマスケーキなの。美味そうだよ」
「…」ああ、そうかい。良かったな。おい、邪魔だから俺のカードの上にそのケーキかなんかわからんようなのが貼ってあるカードを置くなよ。
「おまえのは…何?コレ…」
「星だよ」
「…そんだけ?」
「うん」
「ハズレだな」俺の耳元にそう囁いたアキラは、ニヤッと笑って走り去っていった。
…ハズレ?コレが?…本気で言ってんのか?アキラ。違うよ、コレすげぇよ。すっげぇプレゼントだよ。
俺はずっと立ち尽くしたまま、そのカードを見つめていた。
綺麗に切られたキラキラ輝く五角形の星が…まるで…俺の星みたいに思えたんだ。
誰かが俺の前に立った。少しだけ星が影になった。
…邪魔だ、どけよ。せっかくキラキラしてんのに…
「あっ、これ…ボクがつくったのだ」
「えっ?」俺は聞き覚えのある声の主の方を見た。
「コレ…おまえが作ったの?」
「うん、ミナがつくったの。お星さまキレイでしょ?」
「うん…」
「ハルくんに届いたんだね、ミナくんのお星さま」
そう言ってミナトは、あのふわっとした、お花みたいな微笑を俺に向けたんだ。
「…あ、りがと、ミナ…ト」
「どういたち…ま、して…ふふ」
そんな無邪気な笑いするから、俺もなんだか釣られて笑った気がするよ、そん時。
俺に届いたおまえの星が…俺の星になったんだ。
ドキドキする。まるで…目指すものを掲げられたみたいな…本当にドキドキしたんだ…
結局、あん時の俺のカードが誰の手に渡ったのかは、判らず仕舞いだったけれど。なんかな、そんなのはどうでも良くなってしまっていたんだよ。
あまりにもミナトのくれたプレゼントが凄すぎて…
そして、二十数年たった今でも、こんな風に思い出しただけで…ドキドキした胸は鳴り止まないでいるんだ。
せっかくのクリスマスだからだしとこ!
これはつまり…感受性のお話です。
他の人にはなんでもないもの(人)が、或る人には輝く星に見える。
そんなお話です。
ちなみに自分の幼稚園もありましたよ、カード作るの。不器用な自分はマトモなサンタが出来なかった…(T_T)
しかし…ミナトか…被ったね^_^;
まだ、幼い…幼稚園の頃の話だ。
この季節のメインイベントとなるクリスマス会は、誰しもが楽しみにしている恒例行事だったわけで、もちろん俺だって大好きだった。
クリスマスの意味さえ分からないのに、あの音楽と派手に飾られたクリスマスツリー。
赤い服を着たサンタクロースの背中に背負ってる袋の中には何が入っているのか…想像するだけでワクワクするじゃねぇか。
そんでもって、そんな宗教とか一切わけのわかんねぇガキ共にもプレゼント交換会ってシャレたイベントがあった。
前日の工作の時間、各自が作ったクリスマスカードが交換アイテム、然りプレゼントだ。
全員が大きな輪になって、俺らは音楽に合わせて隣りの奴に順繰りに手渡し、曲が終った時に手にあるカードが自分のプレゼントとなる。
当然、子供のおぼつかない技術には大幅な差があるから、出来のいいカードとそうでないものがある。
出来上がりの例として先生たちの作ったサンプル品を模倣する奴が多いが、例によって俺は独自のすげぇクリスマスカードを作り上げた。それは自分で感心するくらいの出来映えで、カードを開くとサンタが飛び出すという仕掛けまであるんだ。
本音かますと誰にもやらないで自分でとっときたいぐらいのシロモノだった。
それでもそんな我儘言う気になんか全然ならなかった。
現実のこのイベントには、心から魅了される充分なパワーがあって、人に施すという一見とんでもねぇ自己満足の世界が、クリスマスというシチュエーションの中ではとてつもなく美しく見えるもんなんだ。
俺の作ったカードを受け取った奴がどんな顔して驚くか、喜んで受け取るかって考えたら、それだけで十ニ分に、この小さな胸のプライドを満足させるものだった。
そして、音楽は流れる。
俺は自分の作ったカードの行方を追うのに必死になる。
…一体誰が俺のカードを手にするんだろう…
隣りに移り、そして又隣りへ…そっちの方ばかりに気を取られ、自分の手の中に来るカードにはさほど注意は払っていなかった。
「ほらっ、ハルくん。ぼーっとしてないで、さっさと回せって!」
隣りのアキラが俺の肩を小突く。
「あっ、ああ、ごめん」と、と、落としかけた己のカードをしっかり持って、アキラに渡した。
…あっ、俺のカードは?…と、さっきまで追っていたカードの行方を捜すが、誰の手に渡っているのか判らなくなってしまった。
…ちぇっ、せっかく、そいつの驚く顔見たかったのに…
曲が鳴り止む。
みんなの手が一斉に止まる。
結局見失ってしまったカードの行方にちょっとだけ落ち込んで、ため息を吐いた。
俺の手元に残った真っ黒なカードを恨めし気に見つめた。
表紙には何も無い。
…俺が作ったのはこんなんじゃなかったのにな。表紙にだってリースにロウソクなんか折り紙で切り抜いて貼ったんだよ。すげぇキレイなの…
半分に折られた黒い画用紙に失望しながらも開いてみると…
目に飛び込んできたのは…
なんだよ、これ…
…星だ…
カードからはみ出すくらいにデカイ金色の星が、唯ひとつ…あった。
メリークリスマスの言葉もサンタももみの木もなにも無い。
本当に何一つないんだ。
ただ、五角形の綺麗な星が、キラキラと輝いていた。
俺は息を呑んだ。
じっと見ていると何だがわからんが、段々と胸の鼓動が激しく打つのが判って、そんで身体が熱くなってくる。
なんか…なんかドキドキする。
周りの奴らは「サンタさんかわいいっ!」とか、「このツリー、よくできてんなぁ〜」とかはしゃいでいる。
隣りのアキラが俺の肩を抱くと、自分のカードを目の前に差し出した。
「ほら、見て見て、ハルくん。俺のカード、クリスマスケーキなの。美味そうだよ」
「…」ああ、そうかい。良かったな。おい、邪魔だから俺のカードの上にそのケーキかなんかわからんようなのが貼ってあるカードを置くなよ。
「おまえのは…何?コレ…」
「星だよ」
「…そんだけ?」
「うん」
「ハズレだな」俺の耳元にそう囁いたアキラは、ニヤッと笑って走り去っていった。
…ハズレ?コレが?…本気で言ってんのか?アキラ。違うよ、コレすげぇよ。すっげぇプレゼントだよ。
俺はずっと立ち尽くしたまま、そのカードを見つめていた。
綺麗に切られたキラキラ輝く五角形の星が…まるで…俺の星みたいに思えたんだ。
誰かが俺の前に立った。少しだけ星が影になった。
…邪魔だ、どけよ。せっかくキラキラしてんのに…
「あっ、これ…ボクがつくったのだ」
「えっ?」俺は聞き覚えのある声の主の方を見た。
「コレ…おまえが作ったの?」
「うん、ミナがつくったの。お星さまキレイでしょ?」
「うん…」
「ハルくんに届いたんだね、ミナくんのお星さま」
そう言ってミナトは、あのふわっとした、お花みたいな微笑を俺に向けたんだ。
「…あ、りがと、ミナ…ト」
「どういたち…ま、して…ふふ」
そんな無邪気な笑いするから、俺もなんだか釣られて笑った気がするよ、そん時。
俺に届いたおまえの星が…俺の星になったんだ。
ドキドキする。まるで…目指すものを掲げられたみたいな…本当にドキドキしたんだ…
結局、あん時の俺のカードが誰の手に渡ったのかは、判らず仕舞いだったけれど。なんかな、そんなのはどうでも良くなってしまっていたんだよ。
あまりにもミナトのくれたプレゼントが凄すぎて…
そして、二十数年たった今でも、こんな風に思い出しただけで…ドキドキした胸は鳴り止まないでいるんだ。
せっかくのクリスマスだからだしとこ!
これはつまり…感受性のお話です。
他の人にはなんでもないもの(人)が、或る人には輝く星に見える。
そんなお話です。
ちなみに自分の幼稚園もありましたよ、カード作るの。不器用な自分はマトモなサンタが出来なかった…(T_T)
しかし…ミナトか…被ったね^_^;
Simple16

十一時、俺達はアキラの家を出た。酔いつぶれたカイはアキラ宅に泊まるらしい。
俺は気持ち軽く酔っていた。
終始隣で「明日の事考えて飲めよ」って、ハルが言うもんだから、セーブせざる負えないし…
お互いの首には、さっきプレゼントされたマフラー。ハルが緑で俺が赤。時々代えっこしようって約束した。うん、ハルくん赤も似合うし…
ハルの家はアキラん家からすぐだし、俺は地下鉄乗らなきゃならないから、反対側の道に行く。
ここでお別れだ。
「じゃあ、ハル、明日な」って、手を振って帰ろうとすると、ハルが俺に追いて来る。
「何?」
「やっぱおまえん家まで送る」
「いいよ。そんなに酔ってないし…」
「心配だから」
「大通りに出たら、ちゃんとタクシー拾って帰るから、大丈夫だって」
「…うん」
「ハルくん、二度手間になるし…」
俺ん家に泊まればいいけど、明日行く荷物はお互いの家にあるし…
「いいよ、大丈夫だって」
「ん…と…まだ今日じゃん」
「へっ?」
「おまえの誕生日じゃん」
「…うん」
「今日は…ずっとおまえの側に居たいの、俺が」
「…」
「だからね、側にいさせて、な?」
「…ん」
…ばか、そんな事ゆったら、また泣いてしまうだろ…おまえのそういう好意が、俺の穿った自惚れみたいなプライドを増長させるんだろ…おまえに愛されてるのは俺だけだとかさぁ…ホントにもう最低だよ、俺。
そんで…本当にありがとう。嬉しいよ。
なんだかふたり黙ったまま大通りまで歩く。
大通りに出てもタクシーを拾う気にもなれず、またふたり並んで歩き出す。
大通りの舗道は広くて、並木の一つ一つに青く光るイルミネーションがキラキラしててすごく綺麗だ。
白くなる息が面白くて、吸ったり吐いたりして深呼吸してたら、クシャミが出た。すると、ハルはすぐに俺の手を繋いできた。そして、自分のポケットに招いてくれる。
…あったかいね…
自分のポケットよりも、ずっと暖かい。
お互いの指先を絡めたり、撫でてみたりしてね。
何も言わなくても時折目を合わせて、微笑んでみたり…
こういう空間って、俺達の間では昔からあったりしたけれど、昔と違うのはこの手のぬくもりだ。
ねぇ、ハルカ。俺達変わったのかな…
昔からおまえの事、好きだったけれど、その「好き」な気持ちはどう変わったのかな。
色がついた?でかくなった?深くなった?形が変わった?…わかんねぇよ。全然わかんねぇの。
でも…でもな、変わんねぇのは、ハルが「好き」って事。
「ミナト、明日楽しみだね」
「うん」
「チコクすんなよ」
「それはハルくんの方だよ」
「そっか…」
「ハルくん…あのさ、旅行とか…色々ありがとね」
「別に俺がやりたくてやってんの」
「あ…あのね…ハル」ポケットの指に力を込める。ハルの手を強く握り締める。
「すっごく好きって思うの、俺」
「…」
「昔からずっとね、好き…だった…けど、もっと…好きになって、も…いいかな…ハルの事」
「…ん」
「すげぇ好きになってもね、うぜぇって思ったり、飽きたりしない…よね」
「しねぇよ」
「ホント?」
「全然しねぇよ」
「よかった…」
「おもしろいな、ミナトは」
「じゃあさ、俺、もっと凄く好きになるかも…ハルの事」
「…」
「でね、ずっと一緒に居たいなって…俺も思ってるの」
さっきの告白してもらった返事は遅くなったけど、これが俺のおまえへの想いなの。
「…あ…もう…つーか……おっ…まえ」
言葉を失くしたみたいに口をパクパクさせてたハルが、突然、片手だけで俺を引き寄せ、そしてきつく抱きしめると、すぐに俺の肩に顔を埋めた。
クリスマスも近いから人通りも結構多い。
抱き合ってる俺達を見て不審顔で通りすがるカップルと、しっかり目が合った。左側をすり抜けたサラリーマンのオジサンは、わざとらしく咳ばらいをして行った。
ヤバくないか?そんなに売れて無くても、俺達一応メジャーデビューしてるし…
「ハルくん…あの…みんな見てるよ」
「関係ねぇよ」
背中を抱く力は弱まりそうも無い。
…そう、俺も嬉しいよ。
「離さねぇもん、ずっと」
「ハル…」
「一緒に育てていこうな」
「えっ?何を?」
「俺達のコレ」
ポケットの中で絡ませたお互いの指に力を込める。
「好きだっていう気持ち」
「うん、わかる」
今は顔を上げて俺と見合しているハルがひどく悔しそうな顔をした。
「俺さ、今、物凄く…キスしてぇんだけどな」
俺は笑った。自制心あるじゃん、ハル。
聖夜でもねぇけれど、もし、今願いが叶うなら、このまま時が止まればいいって思った。
けれどすぐに思い直した。
明日は箱根だからね。
また、ふたりで居られるからね。
そん時さ、いっぱいいっぱいキスしたり…しよ。
☆彡やっと終わりました〜基本はhappyendが自分の好みですね〜
このふたりはこのままずっとこんな感じで人生を一緒に歩んで行くんですよ、きっと。
Simple 15
なんか、重いって感じた。すぐにハルだって理解した。俺の身体の上にキレイに乗っかってるし、顔は俺のすぐ横にあって、髪の毛が頬っぺたに当たってくすぐったい。
「重い」って言おうとした。けど、言えなかった。俺の首筋に生温いものが当たっていて、それがハルの涙って判ったから…押し殺した声が聞こえた。肩が震えるのが判った。
なんで泣いてるの?…俺が寝ぼけてるの?
判んなかったけど、俺に出来る事といえば、ただ頭と背中を撫でてやることだけで…おまえの全部が俺に判ってやれればいいんだけれど…そんな事は無理なんだけど…
「…悪い、起こしちゃったな」
目頭を押さえながらハルが身体を半分起こした。
「んーん、もう起きたかったの」
「そうなんだ」
「…目、赤いよ」
「おまえも腫れてるからおあいこだ」
「…ん」泣いてた理由は聞かないよ。
「身体、どうもねぇの?」
「…」腰を動かしてみる。ハルが上に乗っかってるから動かしにくかったけど、別に…大丈夫みたい。
「どう?」
「…重い」
「えっ?」
「おまえが」
「…ごめん、そういや乗っかってたわ」
そう言うと、やっと退いてくれて、それでも横向きにされて又、抱きしめられた。
「ミナト、改めて誕生日おめでとう」
「うん、ありがと」
「大きくなったな」
「…そんなん…改めすぎだよ。久しぶりに会うどっかの親戚の叔父さんみたいじゃん」
「いやいやいや、せめてお兄さんって言えよ」…だって、おまえ、精神年齢、年より老けてるよ、絶対。
「それよりさ、夕方にはアキラん家行くんでしょ?今何時?」
「う…んと、九時半ちょい」
「そろそろ起きようか」
「うん」
そうやって昼までハルカの家で遅い朝食を摂ったり、洗濯、掃除やらをこなして、昼過ぎに家を出る。
アキラ宅までハルの家から五分とかかんないけど、ハルはケーキ担当という事で、美味しそうなケーキ屋さんを探しに繁華街まで足を伸ばしてみた。
街はクリスマス一色で、どこを歩いても流れてくる聞きなれたクリスマスソングと、色取り取りのイルミネーションで浮き足立っているみたいだ。
俺の誕生日はいつもそうなんだが、クリスマスの前にお祝いとかパーティとかあるんで、肝心のクリスマスがおざなりになっちまうパターンが多い。
昔からなんだけど、クリスマスの重要性が薄らぐつーか…プレゼントとかも、「誕生日に貰ったから要らないでしょ」とは家族の弁。ハルは…結構ちゃんと用意してくれるの。俺はあんまり…恥ずかしくて出来ないけど、今年はちゃんと考えるよ、おまえへのクリスマスプレゼント。あと四日しかねぇけど、根性でなんか見繕うから、楽しみに待ってろ。と、心中決意した。
「どんなのがいい?」
シャレたケーキ屋さんのガラスケースを覗く。
「…どれも美味そうで…決めらんねぇよな」
「おまえの誕生日だからな。決定権はおまえにあるよ。好きなの言えよ」
「そうだねぇ…」
結局、余りにも無難なイチゴの生クリームケーキとなる。定番過ぎるって笑われたけど、結局こーゆうのが一番美味いんだって。
「ろうそく下さい」ってハルが店の人に言うから、この歳でろうそくは恥ずかしいだろと、思ったけど、ハルは構わずに「二十一本下さい」と、堂々と言うので、さすがに店の方も唖然としていた…。
その後、街中をぶらついてて、たまたまに寄ったお店で「おまえに似合うから」と、どっかのブランドのセーターをプレゼントされた。
「いいよ、もうたくさん貰ってるから」
「これはクリスマスプレゼントだよ」
「…ありがと」悪いなと思ったんだけど、ハルの嬉しそうな顔見たら断りきれなかった。
俺は、プレゼント、全く決められなかった…ごめん、ハル。
夕方、アキラの家に行くと、すでにカイは来てて、ふたり揃って出迎えてくれた。
「なんだよ、新婚さんみたいじゃん」
「うるせ、寒いから早く中に入れろ」
「何言ってんの。寒い訳ないでしょ。このアツアツめが」
靴を脱いで部屋に入る。暖房が効いてて暖かい。
「昨日は…お泊りですか?」
カイがジャケットを脱ぐ俺を見ながら、自分の首筋を指差す。
「えっ!」と、瞬時に両手で首押さえたけど、ハルもアキラも俺の方見るから、一瞬にして顔が火照った。
「なんだよ、見せ付けんなよ、昨晩の情事の痕とかさぁ。こっち日照り状態なのにぃ」」
「み、見せ付けてねぇもん。アキラのエ、エロ」
「エロゆう方がエロいの」
「あんま、ミナトを苛めんな。今日はこいつの誕生日だろうが」って、ハルが庇ってくれたからホッとしたよ。でも良く考えたら、起因はハルなんだから、俺だけ責められるのはズルイ気がする。
「ミナト、誕生日おめでとう!」
「ありがとっ!」
わざわざ部屋を暗くしてもらって、ろうそくの灯りだけで皆の顔を眺める。…なんか、嬉しくてたまんなくなってくる。
「早く、消して」
ふぅーっ…って頑張って、二十一本のろうそくをひと吹きで消して見せた。
同時にパチパチパチとなる拍手と「おめでと、ミナト」と、連呼される祝福の声に包まれた。
テーブル一杯に載せられたご馳走は、どれも俺の好物で、どれもすげぇ美味くて、アキラの優しさが嬉しくって…胸いっぱいであまり食べられなかった。
「じゃあ、そろそろケーキ入刀とでも行きますか」
「へっ?」アキラのセリフに首を傾げる。
「やっ、せっかくだから、ほら、でかいケーキなんかこんな時じゃないと買わないし、なっ、カイちゃん」
「ん、おまえらも、まあ、契りを交わして夫婦になったって事で…」
「なってねぇよ」
「だからさ…まあ、結婚式とか大袈裟にできねぇからさ。こんなんでも、祝福してあげたいって思うじゃん。いいから、コレふたりで持ってごらん」って、赤いリボンの付いた普通の包丁を、ハルと持たされた。
「…」
ハルとそれを見て、ちょっと固まった。ケーキ入刀なんてやった事ねぇし…でもハルが「おもしろいからやろうか」って言うから、俺も反対なんかする気も起きねぇよ。
チャンチャカチャーン…って、結婚式の定番の行進曲を、カイとアキラがふたりでハモるから、遊びって判ってるのになんか緊張するよ。
ハルの右手と俺の右手を重ね合わせて…柄が短いから持ちにくい事この上ねぇし…正面のケーキ、向こう側からゆっくり切っ先を入れて、せっかくだから綺麗に切ろうと、頑張った。ふたり同じ力を合わせて、四等分に切る。
「結構難しいな」って、ハルが真面目な声で呟く。
俺も可笑しくなって「ホントにね」って笑う。
ああ、だから、結婚式でよく聞く、夫婦初めての共同作業なんだなってヘンに納得してしまった。
「じゃあ、誓いのキスを」
「えーっ?…やだよ」
「やれ」なんで命令なの?カイちゃん。
「やるか」や、やるのか?ハルぅ…
近づくハルの顔を止める間もなく急いで目を瞑った。前髪を上げられてオデコに…キスされた。
「これ以上、おまえらに見せつけるのは勿体無ぇし。なあ、ミナト」
「…うん」
「あ〜あ、なんだかねぇ、カイちゃん」
「アキラ、暖房切っとけよ」
ハルと一緒に切ったケーキは美味かった。
「それからさ、これは俺とカイからのプレゼント」と、有名ブランドの包みを渡された。
「ありがと…開けていいの?」
「うん」
急いで開けてみると…毛糸のマフラーがふたつ。エンジと深緑の奴。
「なんかな。やっぱミナトだけのものよりさ、ハルくんとお揃いのが今のミナトには嬉しいんじゃないかなって思ってさ。これでもカイくんと考えたんだよ、色々」
「まあ、今のおまえらには、何やっても喜ぶとは思ったけどな。赤と緑のお揃いのマフラーしてたら、クリスマスバカップルみたいでおもしろいんじゃねぇかと…」
「カイちゃん、それ言いすぎ」
「ああ、悪ぃ。まあ、深い意味は無いから、使ってやってくれ」
「…ありがと、アキラ、カイくん…」
「おまえら、色々気ぃ使ってもらって…ホントありがとな」
「ハル、あのさ」神妙な顔でアキラが口を開く。
「頼むからさ…ミナトを泣かしたりしないでくれよな。ミナトは、おまえと違って純情なんだから」
「な、なんだよ、アキラ。ヘンだろ、それ」
アキラの場違いに真面目な物言いにこっちが動揺する。
「ヘンじゃねぇよ。色々と…俺達も心配してんの。ハル、モテるし…」
「…」それは、俺も心配だけど…そんなの心配しても仕方ない事だし…
「ミナトは…こーゆー性格だし…」
おまえらの言うのはわかるけど、俺、ハルの事信じてるし、大丈夫だよ。
「あ…も…断言しちまうけど…」
突然ハルが背筋伸ばして、真剣な声で話し出した。
「ミナトの気持ちとかはっきり聞いてないし、これは俺の勝手な思い込みでしかねぇんだけど…俺は、ミナトとずっと一緒に居たいって…思ってる、つか、願ってる。俺自身の未来がさ…どうなるかってそんなん全くわからんし、わかりたくもねぇけどな。何があってもミナトと離れる気は全然ねぇし…ずっと、一緒に生きていきてぇなぁって思ってる、俺」
「…」
「すっげぇ、ハルくん…究極の告白したよ」
「さすがだわ、ハルカ…まあ、ハルがここまで言ってくれたんだから、ミナもなんか返してやったらどうなんだ?」
「えっ?なにを?」
「…なにって…」
「俺もずっと一緒だよとかゆうんだろっ!」
「おいおい、アキラ、おまえが怒ってどうする」
「…」そんなの…恥ずかしくて言えねぇつーの…
「いいの、ミナトはシャイなんだから、熱い告白はふたりの時に聞くから」
「うん、まあ…ハルが本気だってのはわかったから…なんか安心したよ」
「まあ、色々と周りの状況とかあるけどさ、俺もアキラもフォローしていく覚悟はあるから。困った事とかあったらな、ふたりだけで考え込むんじゃなく、遠慮なく申し出なさいっていう事で…」
「なんかな…おまえらには絶対幸せになって欲しい…ってゆうか…さぁ…ミ、ミナトぉ、泣くなよ…」
…駄目だ…込み上げてきた涙、止まんなくなるし…
カイとアキラの思いもよらなかった心からの祝福とか思いやりとか…友情にただ感謝するとかじゃ言い表せ様も無い深い…優しさで胸いっぱいになって…俺、なんも返せねぇのに、本当にゴメンな、ありがとな…
☆彡次でやっと終り^_^;
「重い」って言おうとした。けど、言えなかった。俺の首筋に生温いものが当たっていて、それがハルの涙って判ったから…押し殺した声が聞こえた。肩が震えるのが判った。
なんで泣いてるの?…俺が寝ぼけてるの?
判んなかったけど、俺に出来る事といえば、ただ頭と背中を撫でてやることだけで…おまえの全部が俺に判ってやれればいいんだけれど…そんな事は無理なんだけど…
「…悪い、起こしちゃったな」
目頭を押さえながらハルが身体を半分起こした。
「んーん、もう起きたかったの」
「そうなんだ」
「…目、赤いよ」
「おまえも腫れてるからおあいこだ」
「…ん」泣いてた理由は聞かないよ。
「身体、どうもねぇの?」
「…」腰を動かしてみる。ハルが上に乗っかってるから動かしにくかったけど、別に…大丈夫みたい。
「どう?」
「…重い」
「えっ?」
「おまえが」
「…ごめん、そういや乗っかってたわ」
そう言うと、やっと退いてくれて、それでも横向きにされて又、抱きしめられた。
「ミナト、改めて誕生日おめでとう」
「うん、ありがと」
「大きくなったな」
「…そんなん…改めすぎだよ。久しぶりに会うどっかの親戚の叔父さんみたいじゃん」
「いやいやいや、せめてお兄さんって言えよ」…だって、おまえ、精神年齢、年より老けてるよ、絶対。
「それよりさ、夕方にはアキラん家行くんでしょ?今何時?」
「う…んと、九時半ちょい」
「そろそろ起きようか」
「うん」
そうやって昼までハルカの家で遅い朝食を摂ったり、洗濯、掃除やらをこなして、昼過ぎに家を出る。
アキラ宅までハルの家から五分とかかんないけど、ハルはケーキ担当という事で、美味しそうなケーキ屋さんを探しに繁華街まで足を伸ばしてみた。
街はクリスマス一色で、どこを歩いても流れてくる聞きなれたクリスマスソングと、色取り取りのイルミネーションで浮き足立っているみたいだ。
俺の誕生日はいつもそうなんだが、クリスマスの前にお祝いとかパーティとかあるんで、肝心のクリスマスがおざなりになっちまうパターンが多い。
昔からなんだけど、クリスマスの重要性が薄らぐつーか…プレゼントとかも、「誕生日に貰ったから要らないでしょ」とは家族の弁。ハルは…結構ちゃんと用意してくれるの。俺はあんまり…恥ずかしくて出来ないけど、今年はちゃんと考えるよ、おまえへのクリスマスプレゼント。あと四日しかねぇけど、根性でなんか見繕うから、楽しみに待ってろ。と、心中決意した。
「どんなのがいい?」
シャレたケーキ屋さんのガラスケースを覗く。
「…どれも美味そうで…決めらんねぇよな」
「おまえの誕生日だからな。決定権はおまえにあるよ。好きなの言えよ」
「そうだねぇ…」
結局、余りにも無難なイチゴの生クリームケーキとなる。定番過ぎるって笑われたけど、結局こーゆうのが一番美味いんだって。
「ろうそく下さい」ってハルが店の人に言うから、この歳でろうそくは恥ずかしいだろと、思ったけど、ハルは構わずに「二十一本下さい」と、堂々と言うので、さすがに店の方も唖然としていた…。
その後、街中をぶらついてて、たまたまに寄ったお店で「おまえに似合うから」と、どっかのブランドのセーターをプレゼントされた。
「いいよ、もうたくさん貰ってるから」
「これはクリスマスプレゼントだよ」
「…ありがと」悪いなと思ったんだけど、ハルの嬉しそうな顔見たら断りきれなかった。
俺は、プレゼント、全く決められなかった…ごめん、ハル。
夕方、アキラの家に行くと、すでにカイは来てて、ふたり揃って出迎えてくれた。
「なんだよ、新婚さんみたいじゃん」
「うるせ、寒いから早く中に入れろ」
「何言ってんの。寒い訳ないでしょ。このアツアツめが」
靴を脱いで部屋に入る。暖房が効いてて暖かい。
「昨日は…お泊りですか?」
カイがジャケットを脱ぐ俺を見ながら、自分の首筋を指差す。
「えっ!」と、瞬時に両手で首押さえたけど、ハルもアキラも俺の方見るから、一瞬にして顔が火照った。
「なんだよ、見せ付けんなよ、昨晩の情事の痕とかさぁ。こっち日照り状態なのにぃ」」
「み、見せ付けてねぇもん。アキラのエ、エロ」
「エロゆう方がエロいの」
「あんま、ミナトを苛めんな。今日はこいつの誕生日だろうが」って、ハルが庇ってくれたからホッとしたよ。でも良く考えたら、起因はハルなんだから、俺だけ責められるのはズルイ気がする。
「ミナト、誕生日おめでとう!」
「ありがとっ!」
わざわざ部屋を暗くしてもらって、ろうそくの灯りだけで皆の顔を眺める。…なんか、嬉しくてたまんなくなってくる。
「早く、消して」
ふぅーっ…って頑張って、二十一本のろうそくをひと吹きで消して見せた。
同時にパチパチパチとなる拍手と「おめでと、ミナト」と、連呼される祝福の声に包まれた。
テーブル一杯に載せられたご馳走は、どれも俺の好物で、どれもすげぇ美味くて、アキラの優しさが嬉しくって…胸いっぱいであまり食べられなかった。
「じゃあ、そろそろケーキ入刀とでも行きますか」
「へっ?」アキラのセリフに首を傾げる。
「やっ、せっかくだから、ほら、でかいケーキなんかこんな時じゃないと買わないし、なっ、カイちゃん」
「ん、おまえらも、まあ、契りを交わして夫婦になったって事で…」
「なってねぇよ」
「だからさ…まあ、結婚式とか大袈裟にできねぇからさ。こんなんでも、祝福してあげたいって思うじゃん。いいから、コレふたりで持ってごらん」って、赤いリボンの付いた普通の包丁を、ハルと持たされた。
「…」
ハルとそれを見て、ちょっと固まった。ケーキ入刀なんてやった事ねぇし…でもハルが「おもしろいからやろうか」って言うから、俺も反対なんかする気も起きねぇよ。
チャンチャカチャーン…って、結婚式の定番の行進曲を、カイとアキラがふたりでハモるから、遊びって判ってるのになんか緊張するよ。
ハルの右手と俺の右手を重ね合わせて…柄が短いから持ちにくい事この上ねぇし…正面のケーキ、向こう側からゆっくり切っ先を入れて、せっかくだから綺麗に切ろうと、頑張った。ふたり同じ力を合わせて、四等分に切る。
「結構難しいな」って、ハルが真面目な声で呟く。
俺も可笑しくなって「ホントにね」って笑う。
ああ、だから、結婚式でよく聞く、夫婦初めての共同作業なんだなってヘンに納得してしまった。
「じゃあ、誓いのキスを」
「えーっ?…やだよ」
「やれ」なんで命令なの?カイちゃん。
「やるか」や、やるのか?ハルぅ…
近づくハルの顔を止める間もなく急いで目を瞑った。前髪を上げられてオデコに…キスされた。
「これ以上、おまえらに見せつけるのは勿体無ぇし。なあ、ミナト」
「…うん」
「あ〜あ、なんだかねぇ、カイちゃん」
「アキラ、暖房切っとけよ」
ハルと一緒に切ったケーキは美味かった。
「それからさ、これは俺とカイからのプレゼント」と、有名ブランドの包みを渡された。
「ありがと…開けていいの?」
「うん」
急いで開けてみると…毛糸のマフラーがふたつ。エンジと深緑の奴。
「なんかな。やっぱミナトだけのものよりさ、ハルくんとお揃いのが今のミナトには嬉しいんじゃないかなって思ってさ。これでもカイくんと考えたんだよ、色々」
「まあ、今のおまえらには、何やっても喜ぶとは思ったけどな。赤と緑のお揃いのマフラーしてたら、クリスマスバカップルみたいでおもしろいんじゃねぇかと…」
「カイちゃん、それ言いすぎ」
「ああ、悪ぃ。まあ、深い意味は無いから、使ってやってくれ」
「…ありがと、アキラ、カイくん…」
「おまえら、色々気ぃ使ってもらって…ホントありがとな」
「ハル、あのさ」神妙な顔でアキラが口を開く。
「頼むからさ…ミナトを泣かしたりしないでくれよな。ミナトは、おまえと違って純情なんだから」
「な、なんだよ、アキラ。ヘンだろ、それ」
アキラの場違いに真面目な物言いにこっちが動揺する。
「ヘンじゃねぇよ。色々と…俺達も心配してんの。ハル、モテるし…」
「…」それは、俺も心配だけど…そんなの心配しても仕方ない事だし…
「ミナトは…こーゆー性格だし…」
おまえらの言うのはわかるけど、俺、ハルの事信じてるし、大丈夫だよ。
「あ…も…断言しちまうけど…」
突然ハルが背筋伸ばして、真剣な声で話し出した。
「ミナトの気持ちとかはっきり聞いてないし、これは俺の勝手な思い込みでしかねぇんだけど…俺は、ミナトとずっと一緒に居たいって…思ってる、つか、願ってる。俺自身の未来がさ…どうなるかってそんなん全くわからんし、わかりたくもねぇけどな。何があってもミナトと離れる気は全然ねぇし…ずっと、一緒に生きていきてぇなぁって思ってる、俺」
「…」
「すっげぇ、ハルくん…究極の告白したよ」
「さすがだわ、ハルカ…まあ、ハルがここまで言ってくれたんだから、ミナもなんか返してやったらどうなんだ?」
「えっ?なにを?」
「…なにって…」
「俺もずっと一緒だよとかゆうんだろっ!」
「おいおい、アキラ、おまえが怒ってどうする」
「…」そんなの…恥ずかしくて言えねぇつーの…
「いいの、ミナトはシャイなんだから、熱い告白はふたりの時に聞くから」
「うん、まあ…ハルが本気だってのはわかったから…なんか安心したよ」
「まあ、色々と周りの状況とかあるけどさ、俺もアキラもフォローしていく覚悟はあるから。困った事とかあったらな、ふたりだけで考え込むんじゃなく、遠慮なく申し出なさいっていう事で…」
「なんかな…おまえらには絶対幸せになって欲しい…ってゆうか…さぁ…ミ、ミナトぉ、泣くなよ…」
…駄目だ…込み上げてきた涙、止まんなくなるし…
カイとアキラの思いもよらなかった心からの祝福とか思いやりとか…友情にただ感謝するとかじゃ言い表せ様も無い深い…優しさで胸いっぱいになって…俺、なんも返せねぇのに、本当にゴメンな、ありがとな…
☆彡次でやっと終り^_^;
Simple 14
昔の夢を見ていたような気がした。
まだ小さい…初めてミナトと出会った時の…幼稚園とかじゃなくてさ…
果ての無い真っ黄色のお花畑の中で、ただ手を繋いだまま眠り込んでいて…そんな記憶…
なぁ、ずっと以前にどこかで…どこかで会ってなかったか?俺達。
目を開ける前にぬくもりを感じていた。それが誰のか確認する必要も無かった。目を瞑ったまま、背中に伸ばした手の平でそっとなぞってみた。…ミナトの身体がここにある。ゆっくりと目を開けた。
ミナトの顔が見えた。幼い時から見慣れてる大きくなったミナトの眠る顔の印象はちっとも変わらない。無邪気でかわいらしい。ちょっと間の抜けたねぇ…ホントにね、母性本能擽るって奴か?すげぇよ、二十一になっても変わんないのも。
昨晩、ミナトとセックスした事は、俺にとって特別な大切ものになった。そりゃミナトは苦しがったし、俺だって快感ばかりだったとは言えないけど、それは当たり前の話だろう。
それより繋がった時の一体感っていうのが、酷く高揚してて、下らないけど、途轍もなく尊いものに見えて仕方なかったんだ。
感情に過ぎない事はわかってるんだけど、こんなに神聖に思えたのは初めてだったし、絶対大切に守りたいと思ったのも真実だった。
こいつはどうだったんだろうな。
あの時、俺が離れるのを怖れたね。俺は冗談じゃなく死ぬほど嬉しかったよ。
いいはずの無い初めてのセックスの後、おまえに嫌悪感を与えてないか、俺は本当に心配だったから。
おまえはそんな不安をそっくり払いのけてくれた。そればかりじゃなく、繋がったままがいいと言ってくれた。どんだけ俺を幸せにしてくれるんだよ。幸せ過ぎて恐ろしかったよ。バチが当たって地震がくるんじゃねぇかとか、雷が落ちるんじゃねぇかとか…
ねぇ、どんなに俺がおまえを好きか知ってる?好き過ぎておまえを壊しそうで怖いから、触れるのを躊躇う時だってあったんだよ。おまえの繊細な部分に傷をつけたくなくて、目を瞑った事も何回もあった。
だけど、それでもおまえは俺を呼んでくれるんだ。
少し目が腫れてる…人差し指で目蓋を触ったら、一瞬震えるように強く瞑って、身体が動いた。
「う…ん…」起きた?…いや、仰向けになっただけで目覚めなかったみたい。
今度はミナトの横顔を見る。やっぱ可愛いし…ね、見慣れてるのに見飽きないってどうなってんだろ?
片腕立てて、起き上がって上から覗くと真正面の顔のミナト。
今の俺はどっか壊れてるんじゃないかな。一時もミナトから視線を外したくない。
俺の今まで見てきた風景の中には、必ずと言っていいほどミナトの姿があって、それは余りにも風景と馴染んでて、いちいち確認する事もなく当たり前に視界の中に在った。
それは過去のものだけじゃなく、そうかといって必ずしも未来にあるわけでもないけれど、さっき見た夢は俺の手にしたかったものなんじゃないだろうかと、ふと思った。
俺の為にミナトが生きてくれてるみたいに思えた。
そしてできるなら、俺の存在がミナトの為に在り続ければいいと、願った。
ミナトに覆い被さるみたいにしてその身体をそっと抱きしめる。
今は俺が買った新しいパジャマで眠るミナトは、まだ目が覚めないらしい。昨夜、あれから二回目に雪崩れ込んで、初めてなのに無理させたら駄目だとか、欲望丸出しだなとか、色々思ったけど、結局はミナトが誘ってくれたんだ。俺もできるなら回数こなして慣れた方がいいって思ってたんで、同意した。
一回目よりもおまえ、感じてくれてた?少しでも気持ち良かったなら、嬉しいんだけれど。
今の俺は、おまえの為なら何でもしてあげたい気分なんだけど、おまえのあんな姿見たら冷静でいられなくなるのも事実なんだ。
…ホント、全部が全部可愛すぎるし…
ミナトの頬に自分の頬を当てて、ぬくもりを確かめる。すべすべした肌が気持ちいい。痩せた身体は俺とぴったり密着するには最高だ。
ミナトを抱きしめている。ミナトと俺の体温が交わる。ひとつになる感覚。
ミナトはここに居てくれる。それだけで…今はそれだけで…
☆彡甘えっこ責めです(*^。^*)
まだ小さい…初めてミナトと出会った時の…幼稚園とかじゃなくてさ…
果ての無い真っ黄色のお花畑の中で、ただ手を繋いだまま眠り込んでいて…そんな記憶…
なぁ、ずっと以前にどこかで…どこかで会ってなかったか?俺達。
目を開ける前にぬくもりを感じていた。それが誰のか確認する必要も無かった。目を瞑ったまま、背中に伸ばした手の平でそっとなぞってみた。…ミナトの身体がここにある。ゆっくりと目を開けた。
ミナトの顔が見えた。幼い時から見慣れてる大きくなったミナトの眠る顔の印象はちっとも変わらない。無邪気でかわいらしい。ちょっと間の抜けたねぇ…ホントにね、母性本能擽るって奴か?すげぇよ、二十一になっても変わんないのも。
昨晩、ミナトとセックスした事は、俺にとって特別な大切ものになった。そりゃミナトは苦しがったし、俺だって快感ばかりだったとは言えないけど、それは当たり前の話だろう。
それより繋がった時の一体感っていうのが、酷く高揚してて、下らないけど、途轍もなく尊いものに見えて仕方なかったんだ。
感情に過ぎない事はわかってるんだけど、こんなに神聖に思えたのは初めてだったし、絶対大切に守りたいと思ったのも真実だった。
こいつはどうだったんだろうな。
あの時、俺が離れるのを怖れたね。俺は冗談じゃなく死ぬほど嬉しかったよ。
いいはずの無い初めてのセックスの後、おまえに嫌悪感を与えてないか、俺は本当に心配だったから。
おまえはそんな不安をそっくり払いのけてくれた。そればかりじゃなく、繋がったままがいいと言ってくれた。どんだけ俺を幸せにしてくれるんだよ。幸せ過ぎて恐ろしかったよ。バチが当たって地震がくるんじゃねぇかとか、雷が落ちるんじゃねぇかとか…
ねぇ、どんなに俺がおまえを好きか知ってる?好き過ぎておまえを壊しそうで怖いから、触れるのを躊躇う時だってあったんだよ。おまえの繊細な部分に傷をつけたくなくて、目を瞑った事も何回もあった。
だけど、それでもおまえは俺を呼んでくれるんだ。
少し目が腫れてる…人差し指で目蓋を触ったら、一瞬震えるように強く瞑って、身体が動いた。
「う…ん…」起きた?…いや、仰向けになっただけで目覚めなかったみたい。
今度はミナトの横顔を見る。やっぱ可愛いし…ね、見慣れてるのに見飽きないってどうなってんだろ?
片腕立てて、起き上がって上から覗くと真正面の顔のミナト。
今の俺はどっか壊れてるんじゃないかな。一時もミナトから視線を外したくない。
俺の今まで見てきた風景の中には、必ずと言っていいほどミナトの姿があって、それは余りにも風景と馴染んでて、いちいち確認する事もなく当たり前に視界の中に在った。
それは過去のものだけじゃなく、そうかといって必ずしも未来にあるわけでもないけれど、さっき見た夢は俺の手にしたかったものなんじゃないだろうかと、ふと思った。
俺の為にミナトが生きてくれてるみたいに思えた。
そしてできるなら、俺の存在がミナトの為に在り続ければいいと、願った。
ミナトに覆い被さるみたいにしてその身体をそっと抱きしめる。
今は俺が買った新しいパジャマで眠るミナトは、まだ目が覚めないらしい。昨夜、あれから二回目に雪崩れ込んで、初めてなのに無理させたら駄目だとか、欲望丸出しだなとか、色々思ったけど、結局はミナトが誘ってくれたんだ。俺もできるなら回数こなして慣れた方がいいって思ってたんで、同意した。
一回目よりもおまえ、感じてくれてた?少しでも気持ち良かったなら、嬉しいんだけれど。
今の俺は、おまえの為なら何でもしてあげたい気分なんだけど、おまえのあんな姿見たら冷静でいられなくなるのも事実なんだ。
…ホント、全部が全部可愛すぎるし…
ミナトの頬に自分の頬を当てて、ぬくもりを確かめる。すべすべした肌が気持ちいい。痩せた身体は俺とぴったり密着するには最高だ。
ミナトを抱きしめている。ミナトと俺の体温が交わる。ひとつになる感覚。
ミナトはここに居てくれる。それだけで…今はそれだけで…
☆彡甘えっこ責めです(*^。^*)
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