aqua green noon

こちらはBL妄想小説、及びイラストサイトでございます。

2009/07/07

「星合い」 リンミナ番外編

星合い

「すごいよ、リン。星が一杯見える!」
はしゃいだ声でミナが、振り返る。

自宅のマンションは最上階の13階。
ここは都内とじゃ比べられないくらい街の灯りは少なくって、この辺りでも星は十分見える。
「織姫と彦星の逢引は見えますか?」
15畳ほどあるベランダにソファを運んで、恋人のミナと楽しむ今宵、七夕。

ソファの横に小さなテーブルを置いて、折角だからシャンパンでも飲もうと安いボトルを開ける。
こっちおいでと、ミナを呼び、隣に座らせてグラスを鳴らした。
「催涙雨にならなくて良かったね」
「それこそこっちが泣いてしまうよ。せっかくミナと星空の下でロマンチックにH出来るチャンスなのに」
「…そんなにはっきり下心見せるなよ。突っ込めないじゃない」
「下心じゃねえもん。本能丸出しって事で…了解済み?」
「しないよ、そんなもん」
もったいぶる癖はいつまでたっても抜けないミナだけど、どうせすぐほだされるんだから、これくらいの拒否権は効果無しだ。

部屋の灯りがガラス越しに薄暗く二人の背中を照らす。
俺はミナの肩を引き寄せた。
「どっちにしてもアレだな」
「なに?」
「七夕には色々説があるけど、結局、天の王さまが自分のために働かないってことでふたりを引き離したんだろ?それって勝手極まる話だろう。昔話ってこういうのが多い。何かっていうと神様が怒って災害で地上を海にしたり燃やしたり、イカヅチ落としたり…おまえらが血も涙もない非道極まりなかろうって話だよなあ」
「天罰って、人間が真面目に生きる上で必要な啓示みたいなもんだから、時々痛い目に合わないと人間はわからないってことだろう」
「それこそ神の傲慢。かわいそうな牽牛と織女。一年に一回だけ。しかも雨が降ったら会えないなんてさ…俺、ミナと一年も会えなかったらきっと浮気するわ」
「…それ、本人の前で言う台詞ですか?」
「正直もんの切実な言葉ですよ。だいたい牽牛と織女が会えない一年の間、ふたりが浮気してないって誰が言える。きっと、愛人のひとりふたり…」
「さいてーだ…そんな風に思って星を見たら…ロマンもなにもあったもんじゃない」
「だからね、俺はミナと離れたくないって思うわけ。ミナと離れたら、ミナを抱けなくなったら好きな想いをどういう行為で表したらいいの?会えない時間が愛育てるとは思わないから」
「でも…ずっと一緒にいられないかも知れない。大学だって…わかんないし…そうなったらおれはリンと別れなきゃならない?」
「そうなりたくないから、離れてもミナをずっと好きでいたいから、今をより強く結び付けたいって思うのかも知れない」
「…わかる気がするよ」

肩に寄りかかるミナの頭を撫でていたが、顔を向けさせキスをしてみた。
ミナは素直にされるがままになっている。

一年に一度の逢瀬だなんて俺にはとても無理だな…と、思うのは本当。
じゃあ、会えないからって別れられるのかって話だけど…たぶん、それはその時、俺がミナを、ミナが俺を、どう思っているかに関わってくるのだし、現在思い悩むことじゃないだろうって考える。

どっちにしても俺は今、今まで生きてきた中で最高の恋をしているわけで、最高の恋人と星空を眺めている事実は過去、未来に関係なく、ここに存在していることなんだから。

だから思うわけだ。
もし、牽牛と織女が他に愛人がいようといまいと、この一年に一度の逢瀬は真実の愛で繋がれていて、そこにはふたりが語る恋物語だけしか存在しない。

熱くなったミナの身体を撫でると、ミナはふっと息を吐いた。

俺はミナを今宵、この世界の誰よりも愛して、めちゃくちゃに可愛がりたい。
つまりはこれが真実。



                                         text by saiart


さっき七夕と気づいて、一時間で書きました。
キーボードは慣れないから打ちにくいわ〜と、へたりながら…



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2008/12/22

聖なる夜に…6 (リンミナ番外編)

広めのバスタブにジャグジーの泡と入浴剤で、俄かにマリンブルーの海が出来上がる。
「すげ、気持ちいい」
子供みたいに泡で遊ぶミナは、さっきまでの欲情した気配など微塵も残してない。
そういうところが俺としては気に入っているところでもある。
誰彼構わず色気を振り回されても困る。
こいつは俺のもんだからな。
と、考えて、自分がこんなに独占欲の強い方だったのかと笑ってしまう。

「…つ!…」
いきなり指でお湯を掛けられた。
「おまえ…お湯が口に入ったじゃんか」
「やらしい顔で笑ってるからだろ」
訝しげにミナが俺を睨んだ。
「笑ってないし」そういう顔がかわいいんだわ。
「またバカにしてる。自分がちょっと経験豊富だからって…おまえのそういう上から目線が気に入らない」
「…」
おい、今の俺のどこでそんな僻む要素がある。皆目判らん。
そういうミナも嫌いじゃないが…
大体おまえの好きの濃度を考えていたわけで…
って…ここで怒らせてもつまらない。

「あれだよ…おまえが泡で楽しんでいるのがさ、海で泳ぐ…サンマみたいだな〜って」
「サ、ンマ?」
素っ頓狂な声でミナが目をぱちぱちと瞬かせた。
「あれ、細くてキラキラしてるし、何より超美味いしねえ…」
「例えひどくね?」
「そう?」
呆れながら相貌が緩むのを見止めて、胸を撫で下ろす。
ねえ、折角の聖夜に恋人の機嫌損ねてどうすんだって話だろ?
「例えるなら、もっと高い魚介類にして欲しいよ」
「例えばどんな?」
話のネタに気を良くしてミナの腕を取り、引き寄せる。
抗うことなくミナは俺の両腕に身体を預ける。
背後から抱きしめる格好になり、ミナの左肩に頭を擡げて横顔を覗く。
こいつの横顔も好き。

適度な鼻の高さや神経質そうな眉の顰め方。形のいいピンク色の唇とか…
後は…目だな。眼球がでかいし、虹彩が榛色がかっているし、なんとも言えない色気がある。
普段している度の低い眼鏡はそういうのを判りづらくしているから、俺も推奨する。
ミナとしては色々なモンからの盾のつもりかも知れないな。
こいつは眼鏡をしてると張り詰めたオーラを纏ったりするから。
別に俺はそこも嫌いじゃない。
禁欲的な色気も大歓迎。
…俺、親父だ…

「…そだね、鯛とか高くて色も綺麗だ」
魚の例えは気に入ったらしい。
「あれは食べると骨が多いんだ。刺身は嫌いじゃないけど淡白だよね」
「じゃあ…金魚…」
思わず仰け反った。
「…食べれね〜じゃん」
「観賞用でもよくね?」
「味わってこその魚なんだぜ?サンマが一番美味いんだよ」
「サンマ…かあ」
「まあ、おまえはサンマよりよっぽど値打ちがあるから、保証するよ」
「なんの保証さ?」
「ん?…食べ続けても一生飽きない…」
耳元で囁いて、ついでに舐めてやる。
ここが弱いって知ってるからね。
「…まあ…今日のところは絆されてやるよ」
案の定、ミナの身体が緩む。では…
「じゃあ、もう一回やろうか。海で泳ぐ新鮮なミナも味わいたい…ってね」
「…巧く釣れたらね」
「大丈夫、その点は自信あるの」
「…」上目使いでミナがじろりと睨む。
おっと危ない。
「勿論ミナにだけね」
目蓋にキスして、唇を合わせる。
後は贋物の海でふたりで気が済むまで泳ぎきろう…

クリスマスって…美味しいの?
YES、素材によりますけどね。


終わり。



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え?どこが聖なる夜?…いやいや、サンマの美味しい季節ですね〜www

二日も休憩したので、サービスしてしまいました〜え?足らない?ではまた次回をお楽しみに〜

皆様も美味しいクリスマスをお迎えくださいね!

2008/12/19

聖なる夜に…5 (リンミナ番外編)

7畳ほどしかない部屋に似つかわしくない上等のキングサイズのベッドを置いたのは、この為だったのかってね、最近思うようになった。
やっぱ男ふたりで寝るにはこのくらいのデカさはないと。それに…
「…んあ…っ…」
激しい運動をするにもギシとも言わないしね。

「ふ…」
「ミナ、かわいい…」
「バ…カ」
従順なクセに欲求は果てないもんだからミナの身体はこの上もない程、俺好み。まあ、情欲が果てしないのは俺も同じだがね。

昔は…
母代わりで慈しんでくれた姉が急死した所為か、暫く素行悪く、所謂「不良」のレッテルを貼られた時期もある。
さすがに父も兄も必死で手を掴まえてくれたおかげで、道を外さずなんとかマトモな高校生になったけどな。まあ、あれが反抗期って奴なのかもしれない。

おかげで俺は普通の奴よりちょい擦れていて、女も男も知らないわけじゃない。
色んな事を教えられた分勉強にもなったから、後悔とかはないんだが、水川に対しては少し引け目を感じたりもあるんだ。こいつがあんまり純なとこがあるから。
自分の汚さがこいつを汚したりしないだろうか…とか。

それでも…
「リ…リン…」
ってね、名前呼んで求められたりすると、色々とサービスしてあげたくなるのは恋人としてのマナーでしょ?
「うん、大好きだよ、ミナ…」

それにしても…
他の奴と圧倒的に違うミナとのセックス。
熱?濃度?…いや、あ、あれだ!色合い。
まるで海で泳ぐ感覚。

海水で戯れ、息を止めてエメラルドグリーンの海に潜れば、水上とは違う世界。
目眩めく泡の渦の饗宴に息苦しさも忘れる。
ふたりで抱き合ったまま水底まで辿り着く。
光も届かない世界でお互いを確認しあう。
そして又必死で浮かび上がって、空と海の青さを焼き付ける。
太陽に照らし出されたミナの顔は震える程に美しい。

「リン…も、いく…」
「い…て、いいし…」

俺にとってミナとのセックスは心中して天上に昇り、また下界に戻ってくるような感覚があった。
それがいつまで続くのかはわからないが、俺がミナに飽きるとは到底思えない。



4へ / 6へ




あっさり風味でもいいじゃないかっ!照れ…
しかし、リンってワルだったのね〜って、自分で設定考えといてなんなんだが…
過去話とかも出来そうになったね〜

2008/12/18

聖なる夜に…4 (リンミナ番外編)

「ミナ、ありがとな。大切にする」
「うん」照れながら俯くミナを見ながら、貰ったプレゼントを大切に袋に仕舞った。
と、今度は俺の方が俯く番だった。
「…あ…のなあ…実は俺忘れてたの」
「何?」何の疑問も持ち合わせていないかのようなミナの声音に益々言いづらくなる。
「いや…プレゼント。用意してねえの、ゴメンな、ミナ。この埋め合わせは今度絶対するから、今日は許してくれ!」
合わせた両手を前に突き出して頭を下げた。
「え?いや、別に…プレゼントって…飯美味かったし、ここあったかいし…もう充分貰ってるからそんなに謝ることないよ」
「だけどさ、クリスマスって特別じゃん」
「おれ、リンが傍にいてくれたら、もう充分嬉しい…気がする…んです」
「あ…いや」
続く言葉が出ない。
なんじゃこいつ…もう。
そんな子リスみたいな顔してゆうなってーのっ!
くそっ、今すぐにでも押し倒すぞ!
いかん、理性理性…いや、健康な高校生が、今から親父臭い理性なんか持ち合わせたら、それこそ不健康だろう。
ここはやっぱそういう雰囲気に持っていってやっちゃうか?
…まだ、9時…だ。早いか?
…時間とか気にしてる事自体がジジィくせぇんじゃねえか…
「どした?リン」
頬っぺたに手を当てられてはっとなる。悪い癖だ!俺また泳いでたよ〜
「あ、のな。やっぱなんかしてあげたいの。ミナが喜ぶプレゼント」
「そう?」
「なんか、考えろよ」
「じゃあさ…ピアノ弾いてくれる?リンのピアノ聴きたい」
部屋の隅にあるアップライトのピアノを指差してミナがニコリと笑う。
その笑顔には逆らえないのが、惚れた弱みってもんだな。
「下手だよ。ここんとこ殆ど弾いたりしてないから」
「いいよ、弾ける奴で」

レースのカバーを取り払って久しぶりにピアノの蓋を上げた。
メンテだけはやっているが、なんせ真剣に弾くのは久しぶりだ。
「ミナ、何がいい?」
「…リンが弾きたい曲」
「ではショパンを…」
昔何回も何回も弾いた曲。
死んだ母が蘇る曲。

甘い感傷的な…慈愛に満ちたメロディ…

死んだ母さんはピアノの先生をしていたらしい。
自分も教わっていたんだと言われた。が、自分が覚えているのは白い病室で静かに微笑む母の顔ばかりで…
亡くなったのは5,6歳の頃だから、色んな思い出が頭に残っていてもいいんだろうけど、どうしても思い出せない。
ただ、一度だけ病院(ホスピスみたいだった)のピアノでこのノクターンを弾いていた姿が、この曲を聴くと鮮明に目蓋に浮かんでしまう。

あれは自分が作り上げた夢だったんだろうか?

俺は母の残り香をこの曲に求めるようになった。
幼い頃に失った母親は、美しさだけが残ると誰かが言ってたが、それも道理だろう。
思い出の母は美しい人だった。

「…いい曲だね」
「うん、俺の…大事な曲だよ」
「ショパンのなんて言う曲?」
「夜想曲No,1、変ロ短調、9−1」
「おれも…大事にしていい?」
「うん、ありがとう」
右肩に置かれたミナの手の平の温もりが愛おしかった。



 3へ / 5へ



2008/12/16

聖なる夜に…3 (リンミナ番外編)

後片付けを手伝ってもらって、リビングで寛ぐ。
何故かミナは床にペタンと張り付いたままソファに座ろうとしない。
「気持ちいい…」
まあ、わかってるけどね。
「ぽかぽかして…」
そのうちにおまえそこで寝るんじゃねえの?と、思った途端に身体が床暖房で暖まってる床に落ちつきやがった。
「ミナ、寝るなよ。まだ風呂も入ってねえんだし」
「…ここから離れたくない」
「外泊許可取ってきたんだろ?」
「うん、もうここで寝る」
「…」会話が成り立ってねえし…
仕方なく俺もミナの横に座り込んで、横向きに身体を投げ出している横顔を覗く。

ミナは眠ったかのように目を閉じたまま動かない。
眼鏡が少しずれて色素の薄い髪が白い頬にかかっている。
雀斑やニキビとかも見られない白い肌に、長い睫毛が震えるように動いている。
なんで…こいつは男なのにこうも造形が繊細に組み立てられているんだろう。
ひとつでも角度が微妙に違っていたら全く違う印象になるはずなのを、驚くほどの見事さで均衡を保っている。
こいつはわざと眼鏡でそういう美麗さを隠してるんじゃないんだろうか。
人間顔じゃねえけど、こういう顔に生まれついたら、三割はお得な気がする。別に自分の顔に不満があるわけじゃないけどな。
…に、しても。
「おい、ミナ、本気で眠るなよ」
「寝てないよ…」
「襲うぞ…」耳元に低い声で囁くと、ミナの目がパチと開いた。
「あ、そーだ!プレゼント持ってきた」
「あ?」
「クリスマスプレゼントだよ」そう言うと、ミナは起き上がって自分のカバンからごそごそと何かを取り出している。
俺はと言うと…すっかり忘れていたプレゼントの事を思い出す羽目になって、また思案する事になる。
「はい、コレ」
腕を組んでぐるぐるしている俺の目の前に、ノートサイズの紙袋が差し出された。
「ありがと。開けていい?」
うんと頷くミナを確認してリボンのかかった袋を開ける。
中にはハードケースに包まれたカテドラルの写真が十数枚あった。印刷画じゃなくて印画紙の奴。有名な教会のもあれば、あまり知られていない田舎の奴もある。
あまり見たこともないのもあったから、ちょっと見入ってしまった。
「気に入った?」
「よく手に入ったな」
「うん、何軒か大きな書店とか回ったけど」
「…ありがとう、ミナ。うれしいよ」
「…うん」
こういう時ミナはとても照れる。これでも俺の前では随分素直になったもんだと思う。
初めて会った頃は、殆ど心内を見せてくれなくて、困惑したり腹を立てたりしたもんだった。
あの頃は妙に神経が尖っていて(お互い様ではあったが)殴り合いまではいかなくても、寸前までという場面もあったんだっけ。
信頼を得てからはミナも弱音を吐いてくれるから、俺も安心するようになった。

なんだか昨日の今日みたいだ…と、感慨に耽りながら写真を眺めていると、最後のページに画用紙が一枚挟んであった。
取り出してみるとミナの描いた絵があった。
…どっかで見た顔…

「これ…もしかして俺?」
「うん…そう」
「ミナが描いてくれたの?」
「前にリンが言ってたじゃん。描いてくれって」
ゆってはいたが…これは
「おまえ、これ美形に描きすぎ!俺こんなに綺麗な顔じゃねえぞ」
「リンは綺麗だよっ!」
「…」あまりのミナの勢いに飲まれて先が出てこなくなった。
「…よ、こ顔とか、綺麗だもん」
「…はは…嬉しいけどさ、ミナ。そういう事言うのは俺だけにしといてくれよな。心配で寝れなくなる」
それでなくてもお前が寮にいること自体に結構俺は気を揉んでいるんだから。
一緒に住むわけにいかないから、我慢してるけど。





またプレゼントの事をすっかり忘れている凛一です。
ミナが描いた絵を描いてみたんですが、多分ミナはもっと巧い…はず


rinniti


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