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2008-10

Simple16 - 2008.10.29 Wed

nightkiss

十一時、俺達はアキラの家を出た。酔いつぶれたカイはアキラ宅に泊まるらしい。
俺は気持ち軽く酔っていた。
終始隣で「明日の事考えて飲めよ」って、ハルが言うもんだから、セーブせざる負えないし…
お互いの首には、さっきプレゼントされたマフラー。ハルが緑で俺が赤。時々代えっこしようって約束した。うん、ハルくん赤も似合うし…

ハルの家はアキラん家からすぐだし、俺は地下鉄乗らなきゃならないから、反対側の道に行く。
ここでお別れだ。
「じゃあ、ハル、明日な」って、手を振って帰ろうとすると、ハルが俺に追いて来る。
「何?」
「やっぱおまえん家まで送る」
「いいよ。そんなに酔ってないし…」
「心配だから」
「大通りに出たら、ちゃんとタクシー拾って帰るから、大丈夫だって」
「…うん」
「ハルくん、二度手間になるし…」
俺ん家に泊まればいいけど、明日行く荷物はお互いの家にあるし…
「いいよ、大丈夫だって」
「ん…と…まだ今日じゃん」
「へっ?」
「おまえの誕生日じゃん」
「…うん」
「今日は…ずっとおまえの側に居たいの、俺が」
「…」
「だからね、側にいさせて、な?」
「…ん」
…ばか、そんな事ゆったら、また泣いてしまうだろ…おまえのそういう好意が、俺の穿った自惚れみたいなプライドを増長させるんだろ…おまえに愛されてるのは俺だけだとかさぁ…ホントにもう最低だよ、俺。
そんで…本当にありがとう。嬉しいよ。

なんだかふたり黙ったまま大通りまで歩く。
大通りに出てもタクシーを拾う気にもなれず、またふたり並んで歩き出す。
大通りの舗道は広くて、並木の一つ一つに青く光るイルミネーションがキラキラしててすごく綺麗だ。
白くなる息が面白くて、吸ったり吐いたりして深呼吸してたら、クシャミが出た。すると、ハルはすぐに俺の手を繋いできた。そして、自分のポケットに招いてくれる。
…あったかいね…
自分のポケットよりも、ずっと暖かい。
お互いの指先を絡めたり、撫でてみたりしてね。
何も言わなくても時折目を合わせて、微笑んでみたり…
こういう空間って、俺達の間では昔からあったりしたけれど、昔と違うのはこの手のぬくもりだ。

ねぇ、ハルカ。俺達変わったのかな…
昔からおまえの事、好きだったけれど、その「好き」な気持ちはどう変わったのかな。
色がついた?でかくなった?深くなった?形が変わった?…わかんねぇよ。全然わかんねぇの。
でも…でもな、変わんねぇのは、ハルが「好き」って事。

「ミナト、明日楽しみだね」
「うん」
「チコクすんなよ」
「それはハルくんの方だよ」
「そっか…」

「ハルくん…あのさ、旅行とか…色々ありがとね」
「別に俺がやりたくてやってんの」
「あ…あのね…ハル」ポケットの指に力を込める。ハルの手を強く握り締める。
「すっごく好きって思うの、俺」
「…」
「昔からずっとね、好き…だった…けど、もっと…好きになって、も…いいかな…ハルの事」
「…ん」
「すげぇ好きになってもね、うぜぇって思ったり、飽きたりしない…よね」
「しねぇよ」
「ホント?」
「全然しねぇよ」
「よかった…」
「おもしろいな、ミナトは」
「じゃあさ、俺、もっと凄く好きになるかも…ハルの事」
「…」
「でね、ずっと一緒に居たいなって…俺も思ってるの」
さっきの告白してもらった返事は遅くなったけど、これが俺のおまえへの想いなの。

「…あ…もう…つーか……おっ…まえ」
言葉を失くしたみたいに口をパクパクさせてたハルが、突然、片手だけで俺を引き寄せ、そしてきつく抱きしめると、すぐに俺の肩に顔を埋めた。
クリスマスも近いから人通りも結構多い。
抱き合ってる俺達を見て不審顔で通りすがるカップルと、しっかり目が合った。左側をすり抜けたサラリーマンのオジサンは、わざとらしく咳ばらいをして行った。
ヤバくないか?そんなに売れて無くても、俺達一応メジャーデビューしてるし…

「ハルくん…あの…みんな見てるよ」
「関係ねぇよ」
背中を抱く力は弱まりそうも無い。
…そう、俺も嬉しいよ。
「離さねぇもん、ずっと」
「ハル…」
「一緒に育てていこうな」
「えっ?何を?」
「俺達のコレ」
ポケットの中で絡ませたお互いの指に力を込める。
「好きだっていう気持ち」
「うん、わかる」

今は顔を上げて俺と見合しているハルがひどく悔しそうな顔をした。
「俺さ、今、物凄く…キスしてぇんだけどな」
俺は笑った。自制心あるじゃん、ハル。

聖夜でもねぇけれど、もし、今願いが叶うなら、このまま時が止まればいいって思った。
けれどすぐに思い直した。
明日は箱根だからね。
また、ふたりで居られるからね。
そん時さ、いっぱいいっぱいキスしたり…しよ。






☆彡やっと終わりました~基本はhappyendが自分の好みですね~

このふたりはこのままずっとこんな感じで人生を一緒に歩んで行くんですよ、きっと。

Simple 15 - 2008.10.29 Wed

なんか、重いって感じた。すぐにハルだって理解した。俺の身体の上にキレイに乗っかってるし、顔は俺のすぐ横にあって、髪の毛が頬っぺたに当たってくすぐったい。
「重い」って言おうとした。けど、言えなかった。俺の首筋に生温いものが当たっていて、それがハルの涙って判ったから…押し殺した声が聞こえた。肩が震えるのが判った。
なんで泣いてるの?…俺が寝ぼけてるの?
判んなかったけど、俺に出来る事といえば、ただ頭と背中を撫でてやることだけで…おまえの全部が俺に判ってやれればいいんだけれど…そんな事は無理なんだけど…

「…悪い、起こしちゃったな」
目頭を押さえながらハルが身体を半分起こした。
「んーん、もう起きたかったの」
「そうなんだ」
「…目、赤いよ」
「おまえも腫れてるからおあいこだ」
「…ん」泣いてた理由は聞かないよ。
「身体、どうもねぇの?」
「…」腰を動かしてみる。ハルが上に乗っかってるから動かしにくかったけど、別に…大丈夫みたい。
「どう?」
「…重い」
「えっ?」
「おまえが」
「…ごめん、そういや乗っかってたわ」
そう言うと、やっと退いてくれて、それでも横向きにされて又、抱きしめられた。
「ミナト、改めて誕生日おめでとう」
「うん、ありがと」
「大きくなったな」
「…そんなん…改めすぎだよ。久しぶりに会うどっかの親戚の叔父さんみたいじゃん」
「いやいやいや、せめてお兄さんって言えよ」…だって、おまえ、精神年齢、年より老けてるよ、絶対。
「それよりさ、夕方にはアキラん家行くんでしょ?今何時?」
「う…んと、九時半ちょい」
「そろそろ起きようか」
「うん」

そうやって昼までハルカの家で遅い朝食を摂ったり、洗濯、掃除やらをこなして、昼過ぎに家を出る。
アキラ宅までハルの家から五分とかかんないけど、ハルはケーキ担当という事で、美味しそうなケーキ屋さんを探しに繁華街まで足を伸ばしてみた。
街はクリスマス一色で、どこを歩いても流れてくる聞きなれたクリスマスソングと、色取り取りのイルミネーションで浮き足立っているみたいだ。
俺の誕生日はいつもそうなんだが、クリスマスの前にお祝いとかパーティとかあるんで、肝心のクリスマスがおざなりになっちまうパターンが多い。
昔からなんだけど、クリスマスの重要性が薄らぐつーか…プレゼントとかも、「誕生日に貰ったから要らないでしょ」とは家族の弁。ハルは…結構ちゃんと用意してくれるの。俺はあんまり…恥ずかしくて出来ないけど、今年はちゃんと考えるよ、おまえへのクリスマスプレゼント。あと四日しかねぇけど、根性でなんか見繕うから、楽しみに待ってろ。と、心中決意した。

「どんなのがいい?」
シャレたケーキ屋さんのガラスケースを覗く。
「…どれも美味そうで…決めらんねぇよな」
「おまえの誕生日だからな。決定権はおまえにあるよ。好きなの言えよ」
「そうだねぇ…」
結局、余りにも無難なイチゴの生クリームケーキとなる。定番過ぎるって笑われたけど、結局こーゆうのが一番美味いんだって。
「ろうそく下さい」ってハルが店の人に言うから、この歳でろうそくは恥ずかしいだろと、思ったけど、ハルは構わずに「二十一本下さい」と、堂々と言うので、さすがに店の方も唖然としていた…。

その後、街中をぶらついてて、たまたまに寄ったお店で「おまえに似合うから」と、どっかのブランドのセーターをプレゼントされた。
「いいよ、もうたくさん貰ってるから」
「これはクリスマスプレゼントだよ」
「…ありがと」悪いなと思ったんだけど、ハルの嬉しそうな顔見たら断りきれなかった。
俺は、プレゼント、全く決められなかった…ごめん、ハル。

夕方、アキラの家に行くと、すでにカイは来てて、ふたり揃って出迎えてくれた。
「なんだよ、新婚さんみたいじゃん」
「うるせ、寒いから早く中に入れろ」
「何言ってんの。寒い訳ないでしょ。このアツアツめが」
靴を脱いで部屋に入る。暖房が効いてて暖かい。
「昨日は…お泊りですか?」
カイがジャケットを脱ぐ俺を見ながら、自分の首筋を指差す。
「えっ!」と、瞬時に両手で首押さえたけど、ハルもアキラも俺の方見るから、一瞬にして顔が火照った。
「なんだよ、見せ付けんなよ、昨晩の情事の痕とかさぁ。こっち日照り状態なのにぃ」」
「み、見せ付けてねぇもん。アキラのエ、エロ」
「エロゆう方がエロいの」
「あんま、ミナトを苛めんな。今日はこいつの誕生日だろうが」って、ハルが庇ってくれたからホッとしたよ。でも良く考えたら、起因はハルなんだから、俺だけ責められるのはズルイ気がする。

「ミナト、誕生日おめでとう!」
「ありがとっ!」
わざわざ部屋を暗くしてもらって、ろうそくの灯りだけで皆の顔を眺める。…なんか、嬉しくてたまんなくなってくる。
「早く、消して」
ふぅーっ…って頑張って、二十一本のろうそくをひと吹きで消して見せた。
同時にパチパチパチとなる拍手と「おめでと、ミナト」と、連呼される祝福の声に包まれた。

テーブル一杯に載せられたご馳走は、どれも俺の好物で、どれもすげぇ美味くて、アキラの優しさが嬉しくって…胸いっぱいであまり食べられなかった。
「じゃあ、そろそろケーキ入刀とでも行きますか」
「へっ?」アキラのセリフに首を傾げる。
「やっ、せっかくだから、ほら、でかいケーキなんかこんな時じゃないと買わないし、なっ、カイちゃん」
「ん、おまえらも、まあ、契りを交わして夫婦になったって事で…」
「なってねぇよ」
「だからさ…まあ、結婚式とか大袈裟にできねぇからさ。こんなんでも、祝福してあげたいって思うじゃん。いいから、コレふたりで持ってごらん」って、赤いリボンの付いた普通の包丁を、ハルと持たされた。
「…」
ハルとそれを見て、ちょっと固まった。ケーキ入刀なんてやった事ねぇし…でもハルが「おもしろいからやろうか」って言うから、俺も反対なんかする気も起きねぇよ。

チャンチャカチャーン…って、結婚式の定番の行進曲を、カイとアキラがふたりでハモるから、遊びって判ってるのになんか緊張するよ。
ハルの右手と俺の右手を重ね合わせて…柄が短いから持ちにくい事この上ねぇし…正面のケーキ、向こう側からゆっくり切っ先を入れて、せっかくだから綺麗に切ろうと、頑張った。ふたり同じ力を合わせて、四等分に切る。
「結構難しいな」って、ハルが真面目な声で呟く。
俺も可笑しくなって「ホントにね」って笑う。
ああ、だから、結婚式でよく聞く、夫婦初めての共同作業なんだなってヘンに納得してしまった。
「じゃあ、誓いのキスを」
「えーっ?…やだよ」
「やれ」なんで命令なの?カイちゃん。
「やるか」や、やるのか?ハルぅ…
近づくハルの顔を止める間もなく急いで目を瞑った。前髪を上げられてオデコに…キスされた。
「これ以上、おまえらに見せつけるのは勿体無ぇし。なあ、ミナト」
「…うん」
「あ~あ、なんだかねぇ、カイちゃん」
「アキラ、暖房切っとけよ」
ハルと一緒に切ったケーキは美味かった。

「それからさ、これは俺とカイからのプレゼント」と、有名ブランドの包みを渡された。
「ありがと…開けていいの?」
「うん」
急いで開けてみると…毛糸のマフラーがふたつ。エンジと深緑の奴。
「なんかな。やっぱミナトだけのものよりさ、ハルくんとお揃いのが今のミナトには嬉しいんじゃないかなって思ってさ。これでもカイくんと考えたんだよ、色々」
「まあ、今のおまえらには、何やっても喜ぶとは思ったけどな。赤と緑のお揃いのマフラーしてたら、クリスマスバカップルみたいでおもしろいんじゃねぇかと…」
「カイちゃん、それ言いすぎ」
「ああ、悪ぃ。まあ、深い意味は無いから、使ってやってくれ」
「…ありがと、アキラ、カイくん…」
「おまえら、色々気ぃ使ってもらって…ホントありがとな」

「ハル、あのさ」神妙な顔でアキラが口を開く。
「頼むからさ…ミナトを泣かしたりしないでくれよな。ミナトは、おまえと違って純情なんだから」
「な、なんだよ、アキラ。ヘンだろ、それ」
アキラの場違いに真面目な物言いにこっちが動揺する。
「ヘンじゃねぇよ。色々と…俺達も心配してんの。ハル、モテるし…」
「…」それは、俺も心配だけど…そんなの心配しても仕方ない事だし…
「ミナトは…こーゆー性格だし…」
おまえらの言うのはわかるけど、俺、ハルの事信じてるし、大丈夫だよ。
「あ…も…断言しちまうけど…」
突然ハルが背筋伸ばして、真剣な声で話し出した。
「ミナトの気持ちとかはっきり聞いてないし、これは俺の勝手な思い込みでしかねぇんだけど…俺は、ミナトとずっと一緒に居たいって…思ってる、つか、願ってる。俺自身の未来がさ…どうなるかってそんなん全くわからんし、わかりたくもねぇけどな。何があってもミナトと離れる気は全然ねぇし…ずっと、一緒に生きていきてぇなぁって思ってる、俺」
「…」
「すっげぇ、ハルくん…究極の告白したよ」
「さすがだわ、ハルカ…まあ、ハルがここまで言ってくれたんだから、ミナもなんか返してやったらどうなんだ?」
「えっ?なにを?」
「…なにって…」
「俺もずっと一緒だよとかゆうんだろっ!」
「おいおい、アキラ、おまえが怒ってどうする」
「…」そんなの…恥ずかしくて言えねぇつーの…
「いいの、ミナトはシャイなんだから、熱い告白はふたりの時に聞くから」
「うん、まあ…ハルが本気だってのはわかったから…なんか安心したよ」
「まあ、色々と周りの状況とかあるけどさ、俺もアキラもフォローしていく覚悟はあるから。困った事とかあったらな、ふたりだけで考え込むんじゃなく、遠慮なく申し出なさいっていう事で…」
「なんかな…おまえらには絶対幸せになって欲しい…ってゆうか…さぁ…ミ、ミナトぉ、泣くなよ…」
…駄目だ…込み上げてきた涙、止まんなくなるし…

カイとアキラの思いもよらなかった心からの祝福とか思いやりとか…友情にただ感謝するとかじゃ言い表せ様も無い深い…優しさで胸いっぱいになって…俺、なんも返せねぇのに、本当にゴメンな、ありがとな…



☆彡次でやっと終り^_^;

Simple 14 - 2008.10.29 Wed

昔の夢を見ていたような気がした。
まだ小さい…初めてミナトと出会った時の…幼稚園とかじゃなくてさ…
果ての無い真っ黄色のお花畑の中で、ただ手を繋いだまま眠り込んでいて…そんな記憶…
なぁ、ずっと以前にどこかで…どこかで会ってなかったか?俺達。

目を開ける前にぬくもりを感じていた。それが誰のか確認する必要も無かった。目を瞑ったまま、背中に伸ばした手の平でそっとなぞってみた。…ミナトの身体がここにある。ゆっくりと目を開けた。
ミナトの顔が見えた。幼い時から見慣れてる大きくなったミナトの眠る顔の印象はちっとも変わらない。無邪気でかわいらしい。ちょっと間の抜けたねぇ…ホントにね、母性本能擽るって奴か?すげぇよ、二十一になっても変わんないのも。

昨晩、ミナトとセックスした事は、俺にとって特別な大切ものになった。そりゃミナトは苦しがったし、俺だって快感ばかりだったとは言えないけど、それは当たり前の話だろう。
それより繋がった時の一体感っていうのが、酷く高揚してて、下らないけど、途轍もなく尊いものに見えて仕方なかったんだ。
感情に過ぎない事はわかってるんだけど、こんなに神聖に思えたのは初めてだったし、絶対大切に守りたいと思ったのも真実だった。
こいつはどうだったんだろうな。
あの時、俺が離れるのを怖れたね。俺は冗談じゃなく死ぬほど嬉しかったよ。
いいはずの無い初めてのセックスの後、おまえに嫌悪感を与えてないか、俺は本当に心配だったから。
おまえはそんな不安をそっくり払いのけてくれた。そればかりじゃなく、繋がったままがいいと言ってくれた。どんだけ俺を幸せにしてくれるんだよ。幸せ過ぎて恐ろしかったよ。バチが当たって地震がくるんじゃねぇかとか、雷が落ちるんじゃねぇかとか…

ねぇ、どんなに俺がおまえを好きか知ってる?好き過ぎておまえを壊しそうで怖いから、触れるのを躊躇う時だってあったんだよ。おまえの繊細な部分に傷をつけたくなくて、目を瞑った事も何回もあった。
だけど、それでもおまえは俺を呼んでくれるんだ。

少し目が腫れてる…人差し指で目蓋を触ったら、一瞬震えるように強く瞑って、身体が動いた。
「う…ん…」起きた?…いや、仰向けになっただけで目覚めなかったみたい。
今度はミナトの横顔を見る。やっぱ可愛いし…ね、見慣れてるのに見飽きないってどうなってんだろ?
片腕立てて、起き上がって上から覗くと真正面の顔のミナト。
今の俺はどっか壊れてるんじゃないかな。一時もミナトから視線を外したくない。

俺の今まで見てきた風景の中には、必ずと言っていいほどミナトの姿があって、それは余りにも風景と馴染んでて、いちいち確認する事もなく当たり前に視界の中に在った。
それは過去のものだけじゃなく、そうかといって必ずしも未来にあるわけでもないけれど、さっき見た夢は俺の手にしたかったものなんじゃないだろうかと、ふと思った。

俺の為にミナトが生きてくれてるみたいに思えた。
そしてできるなら、俺の存在がミナトの為に在り続ければいいと、願った。

ミナトに覆い被さるみたいにしてその身体をそっと抱きしめる。
今は俺が買った新しいパジャマで眠るミナトは、まだ目が覚めないらしい。昨夜、あれから二回目に雪崩れ込んで、初めてなのに無理させたら駄目だとか、欲望丸出しだなとか、色々思ったけど、結局はミナトが誘ってくれたんだ。俺もできるなら回数こなして慣れた方がいいって思ってたんで、同意した。
一回目よりもおまえ、感じてくれてた?少しでも気持ち良かったなら、嬉しいんだけれど。
今の俺は、おまえの為なら何でもしてあげたい気分なんだけど、おまえのあんな姿見たら冷静でいられなくなるのも事実なんだ。
…ホント、全部が全部可愛すぎるし…

ミナトの頬に自分の頬を当てて、ぬくもりを確かめる。すべすべした肌が気持ちいい。痩せた身体は俺とぴったり密着するには最高だ。
ミナトを抱きしめている。ミナトと俺の体温が交わる。ひとつになる感覚。

ミナトはここに居てくれる。それだけで…今はそれだけで…



☆彡甘えっこ責めです(*^。^*)


Simple 13 - 2008.10.28 Tue

ハルの声が耳元で聞こえて、何度も俺の名前を呼んでくれて「好きだよ」って言ってくれる。
身体は辛くて、想像するよりずっと痛くて、快感なんてもん感じないけれど、ハルが独占欲のカタマリみたいな顔で俺を抱いてくれている事が、こんなにも嬉しいだなんて…思わなかった。
俺、こんなにもおまえが欲しかったんだ…
ずっと…ずっとね、心のどこかでこうなる事を望んでいたのかも知れないって、近頃思うんだよ。そんなの今までカケラも想像していなかったけれど、おまえのな、体温とかこんなにも感じてしまうと、今までこうしなかった事が不思議なくらい違和感がねぇんだよ。本当にびっくりだよ。

ベッドの軋む音が凄い。
お互いの息づきと、中の音とか、滅茶苦茶耳に響くけど、それよりも身体が…
動く度に死ぬほどきつくて、反動じゃないけど、知らないうちにハルの両肩を掴んでて、物凄い力で爪を立てていたらしく、ハルが俺の涙を舐めながら、耳元で「爪切っとけよ」って、囁いた。
…三日前に切った筈なのにな…って、身体は揺れまくって、自分でも驚くぐらいの声出てんのに、頭はどこかが冷静なんだと、おかしくなった。
「はぁ…あ…は、ハル…好き…」
苦しかったら、ハルの名前を呼んで誤魔化そうと思ってたけど、そんな事しなくても、言葉は勝手に出るものだし、身体もなんとか付いていってる。それに、終始ハルの口唇や手が、いやらしく胸とか、前を弄ってくるから、もうなんか…苦しいのか気持ちいいのかわかんなくなってるみたい。

「ミ…ト、もう…」
「ハ……あ…うっ…」
ハルの動きが速くなって、多分もうイク寸前だって感じて、俺も前を擦られてるから我慢できなくて、ハルの俺を呼ぶ声が高く聞こえたと思ったら、瞬間身体が飛び跳ねたみたいになって、そんで硬直した。
…息が止まったまんま、暫く呆然とした。ああ、終ったんだとか思って、なんかヘンな満足感とか沸いてきちゃって…おっかしいな、涙止まんないもの。
でも、よかった、意識とか消えなくて。なんか、そういうのって逃げてるみたいで嫌だったから、絶対失神とかしたくなかったし…
身体は…滅茶熱くってなんだか訳わかんねぇし、なんかどっかがマヒしてるみたいで、痛いっていうより、重い。

息を切らしたハルの呼吸音が凄くて、俺より苦しそうだったんで背中を擦ってやる。そしたらハルが笑ってくれたので、ほっとした。
「なんか…すげぇ体力無さ過ぎる、俺」
「ん…俺より、おまえの方が…大変そうだ」
「んな事ないけどね」
少し呼吸の戻ったハルは身体を少し起こして俺の額や頬を撫でる。
「身体、大丈夫?」
「おまえ、そればっかりだ」
「だって、ミナトが心配だもん」
「…別に平気だって」うん、全然大丈夫だったよ。
「ん…」
「ねぇ、今何時?」
「えっ…と、十二時…五分過ぎてる」
「マジで?」
「ん」
なんか丁度に俺達イッたみたいになってるじゃん…エロいな。
「ミナト、お誕生日おめでと」
「ありがと」
「ずっと健康でミナらしく居てくれな」
「ん」
「なんかあったら、ちゃんと俺にゆってな」
「…」
「病気とかした時も一番に俺に言えよ。心配事とかもな…それから」
「ハル、構いすぎだよ」
「えっ?恋人ならこれぐらい普通だろ」
「…じゃねぇよ」
「しょうがねぇじゃん、心配なんだから」
「二十一だよ、俺大人だよ」
「普通の奴が見たら、おまえは可愛いすぎるの」
「意味わかんねぇ…」
横を向く俺を笑いながら、ハルがゆっくりと身体を起こす。
「抜くね」
あ…入れたままだったんだ。もうあんまり痛くなかったからすっかり忘れてた。それもあんまりか…

ハルの両手が俺の膝を広げる。
なんか…なんかすげぇ…嫌だ…
思わず起き上がって、ハルにしがみついた。両腕で力一杯抱き寄せた。
「どした?」少し驚いたハルの声。
「…まだ…いい」
「ミナト?」
「もちょっと…このままがいい…の」
「…」
「離れたくねぇ…みたいな…」
…何…言ってんだろ、俺。もう終ったじゃん。後始末とかちゃんとしないといけないって、さっきハルに聞かされたし…わかってんの。わかってるけど…どうしても嫌だ。離れたくないし、終りたくないの…

抱きついているから、ハルがどんな顔してんのか判んなかったけど、ハルの腕がギュッと抱き返してくれて、ちゃんと気持ちが届いたんだと思えた。
そのままベッドに沈んで、何度もキスした。
時折、ハルが俺を見て泣きそうな顔をするから、俺も嬉しいのに、何だか胸が詰まるみたいになって…
涙が零れた。




☆彡なんとか、無事終わったそうです…はあ~

Simple12 - 2008.10.28 Tue

予測もつかない事だらけで、戸惑ってばかりだ。
色々なパターン想像して、様様なシュミレーション用意していたのに、ミナトはこっちの予想をことごとく裏切って、思いもつかない言葉や行動を起こす。
昔からそうだった。けれど、この状況で「俺もする」って言われて、こっちも困った。
服脱がされるのもちょっとビックリしたんだけれど、良く考えれば、ミナトも男なわけで、される側じゃないんだよね。
ミナトは決して男に抱かれたいんじゃなくて、俺が無理してやらせてもらってるんだよな。だって、どう考えてもこんな事普通の男が、好き好んで引き受けてくれるわけがない。
ミナトは俺が好きで、俺がこんな奴だから、無理して俺の願いを叶えてくれてるって考えた方がいい。
ミナトが本気で俺を抱きたいって言ったら…俺は即答できねぇし…たぶん無理だと思うんだ。だからこいつだって同じだ。どっちかが受け入れる側にならざる負えないから、ミナトが我慢してくれてるってわけだ。

我慢か…これからの事考えると、一杯我慢させてしまいそうで…俺もあんまり浮かれてばかりはいられない気がする。
ミナトを抱きたいっていうのは本音ではある。こいつの中に入りたいし、繋がりたいし、全部俺のものにしたいっていう征服欲みたいなものは俺は貪欲な方だと思ってるから。
でも、正直ミナトに負担かけるってのは、俺の望むものじゃない。
ミナトも怖いだろうけれど、俺も怖い。
トラウマになったらどうしようかとか、本気で抵抗されたら、これからどうやって続けていけばいいんだろうかとか…考えるのはネガティブな事ばかりだ。
ミナトが自分からセックスしようって言ってくれて、嬉しかったけれど、本当はその意味をちゃんと考えてやるべきだった。
どんなに想いであいつは申し出てくれたんだろう。
第一、本当に俺達の関係が、この一線を越えてしまっても、その先に進むべき道がちゃんと見えるんだろうか…余りに調子良すぎて、流されてしまっていないだろうか…お互いにそういう事をもっと話し合うべきじゃなかったんだろうか…今更過ぎる気がするけど、身体のどこかを触れるたびに震えるミナトを見ていると、このまま行くところまで行っていいのか、不安になる…

「ハル…くん」不意に呼ばれた。
「なに?」
「大丈夫?」
「なにが?…全然問題ねぇよ」
俺の不安定な心を読んだんだろう。ミナトが心配そうに俺を見る。
こんな時、こいつはこっちの心情を敏感に感じ取る。他人には絶対読み取らせたりしないのに、おまえだけにはバレてしまう。ミナトだけにしか判らない感情。おまえだけに許せる感情。
だから俺は…おまえを誰にも渡したくないって…

細い身体を折れるぐらいに強く抱きしめて深く、深く口づけする。
俺は…おまえに対する不安なんか一切ねぇよ。只、おまえを汚すのが…つらいだけなのかもな。それでも他の奴には絶対触れさせたくないし…俺、本当は結構、汚ねぇよなぁ。それでもいいんか?ミナト。

口の中、お互いの唾液でぐちゃぐちゃになりながら、それでも止めないでミナトを見たら、ミナトの目が笑った。優しくね。全部許すみたいに、笑ってくれて…
そういうおまえの優しさに、ずっと救われてきたんだ。わかってる。だから、今度も甘えていいのか?俺の汚い想い、おまえに押し付けていい?

「好きだよ、ミナト」
「フフ…俺もね、かなり好き…」
笑ってくれるから、安心した。俺も怖くは無いよ。ねぇ、ひとつになるって凄い事だと思わねぇ?

膝裏立てて、左右に開かせ、用意しておいた潤滑剤みたいなものを指に充分につけて、後ろに入れる。身体がビクッと撥ねた。ヒューって吸うミナトの呼吸音が大きく聞こえた。しばらくしてはぁーって深く吐きだす音。
顔を近づけて様子を伺う。
「痛くない?」
「ん、へーきだよ」そうやって微笑んでくれるから、愛しさが募る。
額に頬に耳の後ろやら、隙間無くキスを落とす。前にも緩く刺激を与えながら、指を増やしていく。
その度にミナトは苦しそうな顔をして、深く息を吸い、暫く止めてはゆっくり息を吐くのを繰り返す。
それでも俺と目が合うと、無理にでも微笑んで「へーきだって」震える声で言うんだ。

自分が時々許せなくなるよ、酷すぎて。おまえを大事にしたいのに、この行為に何があるのかって、疑問すら沸きあがっているのに、なんでなんだろうな…おまえが欲しくて、我慢できないって、どういう事なんだろう…

はぁ…ごめん、ミナト。俺、限界だわ…

指を抜いて、耳元に「ミナト」って、小さく呼んで、自分自身を当てる。当然簡単には入らない。無理矢理進めると、途端に身体が強張って、ミナトの顔が歪んで、きつく結んだ口唇から苦痛の声が漏れる。必死でシーツを握る両手が見えた。俺自身も中がキツくて、全然先に進まない。
荒い呼吸で、息も絶え絶えになって横を向くミナトの髪を撫でた。
「ごめ…ん、痛いだろ」
「…だ…じょ…ぶ…だって、言ってんじゃん」
こんな状態で強がり言うな。涙出てるじゃん。歯食いしばってるじゃん。
こんな事、強要させてる俺って恋人の資格なんてあるのか?気持ち良くさせてやるからとか、大口叩いておいて…全く何の芸当もねぇんだから、サイテーだ。
「ごめんな…」なんとか全部入れて、目を伏せて締め付けるキツさに耐えていると、頬に感じる温かい感触。
ミナトの手の平だった。
「ハ…ル」
「ん?」
「俺の…身体、気持ち良くな…て…ごめんな」
「…んな事ねぇよ」おまえがゆうなってそんな事。
「俺は…大丈夫だから、動けるなら動いて」
「だって…」
おまえ、この状態だってギリギリじゃん。そんなんで動いたら痛いどころの騒ぎじゃねぇだろ?
「俺…別に…怖くねぇよ。そりゃちょ…ちょっとはね、痛いけど…そんなの予測済みつうか…」
「ミナト…」
「ハルが中に居るの…すげぇ判るから…うれしい…よ、俺」
「…」
…駄目だ…負ける。ド天然過ぎて…完璧に打ち砕ける感じ…
はぁ~なんだよ、俺よりも余裕ありまくりじゃん。切羽詰ってたの、俺の方じゃん。…ミナトのバカ、アホ、ホントにもう…何でこんな気持ちにさせるんだよ。嬉しくて、嬉しくて…切ねぇし…
もう、絶対離さないから、覚悟しとけ。

少し汗ばんだミナトの背中を抱き寄せて、ゆっくりと動き出した。途端苦しそうな声を上げる。でもその音に、何度も何度も俺の名前を重ねるから、俺はもう夢中になって…おまえの名前を呼ぶんだ。
「ミナト、大好き…ぜってぇ離さねぇし…」




☆彡…どないどすやろ?がんばってますやろ?( ^^) _旦~~

Simple 11 - 2008.10.28 Tue

とうとうその日がやってきた。俺の誕生日の前日の決行の日が。
その日は夕方まで仕事が入っていて、けっこう忙しかった。
ハルとファミレスで夕食摂って、十時前にはハルの家に着いた。
今夜する事になる。…初夜だよ、初夜。
そっちが気になって、今日の打ち合わせなんて何喋ってんのか、全く頭回ってなかった。
どうせ俺はあんまり喋らないキャラだから、ヘンには思われなかったと思うけど。
でも、時々ハルと視線が会うと、ドギマギしてさ。マトモに顔なんか見られなかった。
ハルが帰り道でぼそっと言った。
「なんか、今日、俺、全然人の話聞いてなかったわ」
「えっ?」
「いや…夜の事が気になってさ」
「…」同じだよ。
「なんか…緊張しね?」
「するよ」するさ、もちろん。


風呂に入って上がったら、洗面所に新しいパジャマが置いてあった。
手に持って、リビングに居るハルに聞いてみた。
「これ、俺の?」だって、ハルはパジャマなんか着ない。
「うん…」何故か、ハルは顔をカリカリ掻いてる。
「えっとね、おまえに着て欲しいなぁって。似合うかなって思って、買ってみた」
「…そう」わかった、着てみるね。
白に近い生成りの肌触りのいいパジャマだ。サイズも丁度良いし…胸のポケットに、何だ、コレ?ウサギの刺繍がある…
「コレ…」刺繍の部分をハルに見せる。
「か、かわいい?」
「…かわいいけど…なんでウサギ?」…どこで買ったんだよ…
「ミ、ミッフィーとか…言うらしい」
「ミッフィー…ね」聞いた事あるけどさぁ…
「なんかさ、おまえっぽくね?」
「ねぇよ」おまえ、根本的に間違ってないか?俺に対するイメージ。なんでこんなキャラクターに似てるんだよ。
「でも、似合うよ」
「…そ…う」…そうですか…はぁ…なんかね、ハルの嬉しそうな顔見たら、もうなんでもいいわって気になる。

「ベッド行く?」
「ん…」いよいよだよ、なんかちょっとだけ怖いけど…が、頑張らなくちゃな。

ベッドの端にふたり座って、抱き合って、キスして…ハルの手がパジャマ越しに背中を擦ってくれてて。俺の緊張を解きほぐすように、優しく繰り返すから…大丈夫、もう怖くはないからね。
おまえに何されても、おまえの事、少しも嫌ったり恨んだりしないから…大丈夫。
でもな、俺にはひとつ心配な事があってさ…
「ハル…あんなぁ」
「うん」
「えっと…なぁ」
「ん」
「俺で…た、勃たなかったり、気持ち良くなかったり…し、したって…怒んないでくれ。お、俺あんまり自信ねぇから…」
「…おまえ、ズルい」
「な、なんで?」
「んな事言ったら、絶対気持ち良くさせてやりたくなるだろうが」
「…」そんなつもりはない。
「逆にプレッシャーだっつぅの」
「ち、違うって」
「ミナトのばか、無神経だ」
「ハル…」
「俺、頑張るから」
「いい…そんなん頑張んなくていいから…」
言い終わる前に口唇が合わせられて、そのままベットに倒れこんだ。

仰向けになった俺に、ハルが覆い被さるように抱きこんで、頬やオデコや首筋なんか辺りかまわずキスしまくるから、俺はどこに目をやっていいのかわからなくなる。
天井のライトが眩しくて腕で覆うと、「灯り、消す?」って、ハルが言う。
「うん、消して」
それでも全部は消してくれなくて、橙色の豆球がすごく目に眩しい。
「明るいね」って、言ったら、
「暗すぎるよ。せっかくミナトの裸見られるのに」
「バカじゃん」俺の裸なんて、見慣れてるじゃん。ホテルの大風呂でも家の風呂でも一緒に入ってるじゃん。でもな、見る意識は絶対違ってくるだろうから、わかるよ、それは。
だってさ…いつも見慣れているはずのハルの顔は…今はいつもと全然違って見えてしまってる…ふざけたり、真剣に仕事したり、喋ったり、そんなハルとは違う、俺の知らない存在みたいだ。

「何、凝視してんの?」
「ハル、凄い…男みたい…だし」
「男だろ、俺もおまえも」と、苦笑する。
俺は…男らしくねぇもん。それぐらい知ってるし、いくら男らしくしようと思っても、根本的なものが違うのか、男らしいと見られた事ねぇし…
「ミナトはすごい男だと思ってるよ」
「…」
「でも、可愛さも否めない」
「うるせーよ」
「誉めてんのに、怒んなよ」
「誉めてない」
「あのさ、可愛いってすげえ誉め言葉と思わない?」
「思わない」
「そう…」軽く舌打ちした音が聞こえた。なんだよ、自分だって可愛いって言われて、ふざけんなって怒ってたじゃん。

…なんか、そんな事話してる内に、ハルは俺のパジャマの上着のボタンを全部外してて、今はズボンを脱がしにかかっていた。…素早すぎて、普通に驚いてしまったよ。
まあ、脱がなきゃ話になんないから、抵抗はないんだけど、脱がされるつう行為がなぁ、まず男らしくねぇよなぁ。
「ミナト、ちょっと腰上げて」
「ん」素直に腰を浮かす。
ズボンと下着を一緒に脱がされて、ベッドの外に投げ捨てられる。
それから上着も脱がされて、同じ様に捨てるのかなって思ったら、「やっぱ似てるし…」って、例のウサギと俺を見比べてしみじみと言う。
…こいつホントバカだ…と、思った。そしたら、今度は俺の裸をじろじろ見て「おまえ…細せぇよ」って言うから、ちょっと腹立って「何だよ、俺ばっか脱がせて…おまえも脱げよ」って、起き上がってハルの服を掴んだ。俺だって、脱がせたいし…
「はい、バンザイして」
「脱がせてくれんの?」
「うん、いっから手ぇ上げろって」
トレーナーを脱がせて、「ほら下も」って首で合図する。俺に跨ったままじっとしてるんで、ジャージのゴムを引っ張って促すと素直に脱いでくれた。

お互いに裸のまま座り込む格好になった。
「やっぱりハルの方が細いし」
「違う、おまえの方が絶対細い」
「…かわんねぇよ」
「…そうだな」
なんだか色気のない会話過ぎて…見合わせて笑い合った。
抱き合ってベッドに倒れ込んで、さっきと同じ格好で、キスしたりね。
さっきと違うのはお互いが裸だって事。
触れた肌の感触が、余りにも心地良くて、もっとぴったりくっ付きたくなる。
クシュンってハルが小さくクシャミをしたので、冬なのに暖房もない部屋で裸になってたら、そら寒いわって思って足で布団をかける。
俺はいいんだ。ハルが上に乗ってる所為で暖かいし、でもハルは背中が丸干しだから、寒いんだよね。
「寒くない?」って尋ねたら「大丈夫」って言われた。
でも背中に手を回したら、確実に冷たくなっていて、慌てて両手で擦ってやる。
キスを続けるハルは少し笑って「大丈夫。寒くないよ」って、俺に顔を近づけた。
「身体ん中、すげぇ暑いんだけど」…それは俺も同じだけどね。

時々、肝心なところをハルが擦ったりして刺激を与えてくるから、声が出そうになる。息を呑んでそれを堪えていると、それを笑うハルが見えるから、少し憎くなった。
「笑うなよ」
「だって、ミナト、かわいいし…」とか、言って、今度は強い刺激をやられてマジに声が出た。…ちょっ…今のはけっこうイキそうになった…つうか…
「ハルっ!」
「な、なに?」
「ヤダっ!」
「なにが?」
「ひとりでイクの、やだ…」
「やだつったって…」
「ずるいし…おまえも一緒じゃなきゃ嫌なの」
俺ひとりでイッても、そんなの平等じゃないつうか…一緒にイキたいもん。
「俺も何かするから」って言って、ハルのを握ってみた。…ちゃんと硬くなってるし…俺で、勃ってるし…なんか安心した。

「…おい」ハルが戸惑った声を上げた。さすがに俺の行為に焦っている。
「なに?」
「煽んなって」
「…いいじゃん」ハルの顔が面白くて、擦ったりしたら手を捕まれた。構わず続ける。
「よくねぇ…こぉら、止めろって」
「だってぇ、おまえばっかやるのはフェアじゃねぇし…」
「フェアって…わ、わかったから。そ、それ止めて」
「ん…で、俺、何すりゃいい?」
「…じ、じゃあ、声出して」
「声?」
「うん、ちゃんと感じたらね、いいとかよくないとか、感じるとか、ソコソコとか…」
「うぇ~」なんか、求めるもの、違わねぇか?
「ね、ミナト」
そんな目でお願いされたら、拒否できねぇし…
「そんでね、時々でいいから俺の名前呼んで」
「ハル…とか?」
「うん、ハルでもハルくんでも何でもいいけど、呼んでくれたら俺、すげぇ嬉しいかも」
「ホント?」
「おまえに必要とされてる感じがするじゃん」
必要だよ。呼ばなくたって俺にはおまえが絶対必要。
「…だからね、名前呼んでね、ミナト」
「ん、わかった」



☆彡…全くエロくならないふたりです^_^;

Simple10 - 2008.10.28 Tue

楽屋に入ると、横並びに腰掛けているふたりが神妙な顔で俺達を見た。
テーブルを挟んで、ハルはアキラの前、俺はカイの前に座る。俺とハルの手は繋いだままになっている。
重苦しい沈黙の中、ハルが口を開いた。
「隠してて悪かった。話そうと思ってたん…だけど、もうちょっと、落ち着いてから…って思っていたので…」最後の方で不自然に丁寧になるのを聞いて、緊張したハルを感じた。よく見ると、繋いだ手も少しだけ震えている。わかるよ…大丈夫、俺も居るから…
ハルも俺も真剣だ。どうか、アキラもカイも判って欲しい。
「許してもらえないなら…許してもらえるよう頑張るから…あの…許して欲しい…んですけど…」
「…」
沈黙が辛い…俺は何だが切なくなった。
「俺が…悪いの。ハルは悪くない。俺の所為…なの」
「ばかっ、ミナトの所為とかじゃ全然ねぇし…そんなんどっちの所為とかじゃねえし…」
「だって…」
だって、俺が冗談でも付き合おうって言ったから…
「…あんなぁ」
黙り続けていたアキラが口を開く。
「「はい」」
俺とハルが一緒に返事をする。
「俺ら別に反対してないけど」
「…そ…うなの?」
「ほんと?」
「なんでおまえらが付き合うのに反対するんだよ。べっつに今更じゃん」
「どっちかってゆうと、今まで付き合ってないつう方が、不自然だ」
「許してくれんの?」
「許すも何も…出来ちゃったもんはしかたねぇし、な、カイくん」
「そだな、出来ちゃったものは、戻しようが無い」
「…出来ちゃったゆうな…」まだ出来てねぇんだけど…ね。
「良かったな、ミナト」
「う…ん」良かったよ、マジで…ホントにどうしようかって思ったもん。

ほっとしたら空腹な事に気づいて、目の前に無造作に積まれているパンが気になった。
事務所からの差し入れか何かなのかな?
「で、おまえら、お手手繋いでなんかのおまじない?それともゲームかなんか?」
ふたり手を繋いでいるのが見えたのか、アキラが突っ込む。
「まあね、今日は一日繋いでいようって、ミナトと決めたの。なっ」
「…そう…ね」口から出任せだけど、別にいいし…だって今更離しがたいし…
しかし、腹減った…
「…パン…食っていい?」目の前のカイに聞いてみた。
「ん?食うの?どれがいいんだ?」
メロンパン、アンパン、クリームパン、ジャムパン、etc…があった。取り敢えず、
「クリームパン」
「ほら」と、手渡された。手渡されたのはいいが、袋ごと渡されたので、片手じゃ袋開けにくいし…手も離したくないし…
歯で引きちぎろうとしたら、カイが気を利かせて袋を開けてくれた。
今度はパンを直に出されて、ちょっと躊躇したが、さっき手は洗ったから、きれいだろ、そのまま受け取って、口に入れた。やっとこさモノに有りつけた気分になって少し満足した。
「でさ、いつから付き合ってんの?」
「いつ…だったか」アキラの質問に、ハルが俺を見る。
「ハルが振られて自棄酒飲んだ日」
「そうだった」
「ふーん、まだひと月半ぐらい?…つーか、あん時ミナトが…そっか、そうだったの。騙されたね、俺達」
「なんかミナトの様子がおかしいとは思ったけどな…」
悪い、あの時は仕方なかったの。
「でも良いねぇ。今が一番ホットな時じゃん。もおぅ、なんか無茶苦茶ゃ熱いよ、ここ」
アキラが大袈裟に舌を出してシャツをパタパタさせる。
「ラブラブ過ぎて気分悪くなったんじゃねぇのか、ミナトは」
「ちげぇよ…」
好きに言ってろ。つーか、喉乾いた。四分の一辺り食ったところで、何か飲みたくなって、俺を見てるカイに飲み物取ってと催促する。
カイは黙ってペットボトルのお茶を紙コップに注いで、俺の目の前に置いた。
…飲もうとした…が、パンを持ってて…飲めねぇし。片手だけって案外不便だ。
「ハル、ちょっと持ってて」と、パンを渡す。
「ん、わかった」右の手の平を差し出したので、その上にパンを置く。
「…で、ハルくんはミナくんのどこに惚れたんよ?」と、アキラ。
「どこっつーか…」…そんな目でこっち見るな、バカ。
「敢えてゆうなら、可愛いとこ。こいつは見たまんまも可愛いし、喋りも仕草とかも…なんか…全部、全部いちいちかわいいし…」
「ハルくん…それは敢えてとは言わない」と、呆れ顔のアキラ。いや、わかる。
「だって、しょうがねぇだろ、可愛いもん、ミナトは」
…もうなんとでも言え。つーか、お茶で口ん中湿ったから、パン食いてぇし…
「ハルくん。パン」って、手を出したら持っていたパンが渡されて、又黙々と食う。やっぱ美味いな、クリームパン。…でも食べてるとやっぱり、お茶欲しくなる。
「ハル、持って」
「ん」
で、お茶飲んで、また受け取って…四分の一ぐらい残ったところで、んーと、次はメロンパンにすっかな。でも、パサパサすると喉渇くし、やっぱあれか、ジャムパンで…え…えっと…なんか忘れていた…あっ!今日、ジャンプ発売の日だった。やべぇ、忘れるとこだった。帰りに買わねぇと…
「ハルくん」と、ハルを見た。
「はい」と、ハルが間髪入れずに手を出す。手…違うって、パンじゃねぇの。
「帰りにジャンプ買うからさ、忘れずにコンビニ寄ろうな」
「へ?あ…ん、わかった」
妙な間があった…するといきなり、目の前のふたりが大声で笑い出した。あんまり突然でびくっとなったよ。
「ぶーっ!…ははは…なんだ、それっ!」
「おまえら、ばぁか!わはは…」
「カイちゃん、見た?今のハルの顔」
「見た見た…笑える…つーか、おまえら最高…ははは…」
「さすがはミナトっ!…天然だぁ…」
「これじゃたまんねぇよなぁ、ハルは」
「…」目の前でふたりして馬鹿笑いが止まらぬ様子を、俺とハルは?な顔して見てた。何がそんなに可笑しいのさ…ねぇ、ハル。

「もうさ、おまえらの幸せを祈らずにはいられねぇわ、ねぇ、カイトくん」
「そうだな。おまえらの幸せはバンドの未来、即ち、俺達の将来にもかかってるって事で、励めよ」
何に?とかゆう突っ込みは今はよそう。なんかヘンなところに行きかねないし…
「じゃあ、来週のミナトの誕生会は、俺の家でやるから、忘れないように。わかった?」
「はーい」
「わかった」
「じゃあ、解散!」


帰り道、コンビニに寄って目的のものとお菓子を買って、家路を急ぐ。傍らにはハルが居る。今日は俺ん家に泊まりたいって言うもんだから、そうする事になった。
繋いだ手は…お願いしてもらって離して貰った。だって、人の目が、ちょっとね…困る。
「良かったね、アキラ達に許してもらって」
「別に…大体付き合うのにお伺い立てるつうのがさ。許すも許さねぇもないつうの」
「そんな事言ったって、ハルくん、言う時手ぇ震えてたじゃん」
「馬鹿ヤロ、震えるかって」
「震えてたもん…でも、嬉しかったよ」
俺の言葉にちょっとだけ驚いたように顔を向けて、ハルは黙り込んだ。
…おまえがあいつらに宣言してくれた事、俺、ホントに嬉しかったんだ、ありがとな。

「…俺、考えたんだけど、おまえのプレゼント」
「えっ?いいよ、別に」俺、何にも要らないし、ハルには充分世話になってるし…
「うん、旅行行かね?箱根でも」
「あ、いいね」ちょっとご無沙汰だったからね。久しぶりに行ってみたいかも。
「だろ?そんで…ミナトの誕生日に箱根って手も考えたんだけど、初めての時は慣れた家がいいかなって」
「…」
「思ってさ」
「うん…」
「うち来てくれる?前日。ね?」
「…うん」
「で、誕生日はアキラが腕振るうってゆってくれてるから、アキラん家でパーティやって、翌日は箱根って事で…いい?」
「ん、わかった」
なんかもう、物凄くリアルなスケジュールを言われて、本当に俺達そうゆう事しちゃうんだと思ったら、やたら恥ずかしくなってしまって、顔が火照って仕方なかった。
暗かったからハルには悟られなくて良かったんだけど。

あと、一週間か…二十一歳か…ハルに抱かれるんだぁ…なんか普通に…妙な気分だよ。
「どうかした?ミナト。寒い?」
「ううん、大丈夫。なんでもねぇの」
いつものように俺の顔を覗き込むハルを見て…たまんなかった。
たぶん俺は今、世界中で一番おまえを、いとおしくて仕方がねぇって思ってるよ。



☆彡いよいよお次は…

Simple 9 - 2008.10.27 Mon

朝からあまり体調は良くなかったけれど、ライブがあったから我慢してた。それで、なんとかライブは乗り切って、急いで楽屋に戻った…ところまでは良かったんだけど…
俺の様子に慌てたハルの「どうした、ミナト」って声を聞いた途端、軽く意識が飛んだ。
…貧血だ。
気を失ったのは二、三秒だったとは思うけど、気がついた時は、ハルに凭れたまま、抱き合う形になってた。
「大丈夫か、ミナト」
「…ん、気持ち悪い」
「顔色悪い…風邪?熱あるんかな」額に手の平を当て、そして唇を当てて伺うハルを、普段なら抵抗するけれど、そんな力は無かった。
「…熱はないな。とにかく、横になって休めよ」
「ん…」と、言いながらも、抱き合ったままハルから離れなかったのは、完全に俺の方だった。

「おつかれ~…」と、大声で入ってくる声が聞こえた。
アキラだ。ヤバイと思ったけど、身体が全く動きそうもなかった。
「ミナト、おまえ、大丈夫か?…」カイの声もした。…そして、暫くの沈黙。この態勢が、視角に入ったのだろう。俺は背中を向けてて、ふたりの様子は伺いようも無いが…次の言葉が怖い。
「お、おまえら…で、出来てたのかよっ!」アキラが叫んだ。
…そんな大声で言わなくても…
冗句のひとつでも言って、この場を凌げれば良かったんだけど、身体がきつくてビクともしねぇし、気分は最悪だし…冗談どころが、声すら出ねぇよ…
ハル、頼むからなんとか誤魔化してくれよ…
「出来てるって言い方は語弊がある。俺達はちゃんと付き合ってる。ミナトは俺の大事な恋人だ。なんか文句あるか」
抑揚の無いドスの利いた低い声で、ハルがはっきりとふたりに宣言した。
一瞬…眩暈がした。身体の力が抜けた。
「…恋人っておまえら…」アキラの声が有り得ないって、愕然としたニュアンスを含んだ響きをしてたから、俺は…どうしていいかわからない…吐き気がした。
「…吐き…そう」
「わかった。洗面所行こ…悪いけど話は後だ。おまえら、ここで待ってて」そう言って、ハルが俺を抱えるようにして隣の部屋のシャワー付き洗い場に連れて行ってくれた。

吐くにしても何も食べてないから、胃液しか出て来ない。待てよ、何も食べてない?…そういや朝から食った覚えねぇし…なるほど、体調の悪さは、空腹の所為か…なとど、ひとりで自己分析してみた。ずっと背中を擦り続けるハルにちょっと申し訳ない気分になった。空腹で倒れるなんて…子供だって又笑われるし。
少し落ち着いて、顔を上げてみると、鏡の中、青ざめた俺の顔と、心配そうに俺を見るハルの顔が映ってて、目が合って…お互い笑った。
その時、初めて考えた。
俺達が恋人になったのはいいけれど、バンドの事を忘れていた。
ふたりの事ばっかりで、あいつらがこの事をどう思うかとか、これからどんな意識でやり続けていくかとか…そういう大事な事を全く…忘れていた。
あいつらが認めてくれなければ…俺達はどうなる?別れるのか…それとも…
四人でバンドを続けるのが困難なら…俺が辞めるしかないんじゃないか…

「ミナト、何考えてる?」鏡の中のハルが俺に問う。
「何って…」
「あいつらにどう言うか…考えてる…違う?」
「…そう…だけど」
「それで?」
「…駄目だって言われたら…俺、バンド…抜けようって…考えた…ん…だけど…」
「…ちょっと待てよ」
肩を抱かれて、簡単にクルッと回された。凄い力。向かいあう形になる。目の前のハルの視線が痛い。
「…わかんないけど…そんな事…思った」それしかないような気がした。
「…おまえ…ねぇ。それがどういう意味かわかって言ってんの?」
「へ?」
「ミナト…おまえね、すげぇ嬉しい事言ってくれてんだよ、わかる?」
「は…あ」何だよ、嬉しそうな顔して…
「…バンドより、俺と付き合う方が大事って言ってるんじゃん」
「…」…そうなのか…?…そうだ…な…それもなんかマズイよな…
「嬉しいけどさ、おまえが辞めるのはもっと困るから、辞めるとかゆうな」
「…はい」
「とにかく、俺がなんとか話つけるから、辞めるとか絶対ゆうなよ」
「…わかった」
「嬉しいけどな。ミナトにそんなに愛されてると思ったら、ねぇ」
「…」無茶苦茶嬉しそうな顔して、俺の頭撫でんなっ!
…墓穴掘ったのは確かに俺だけどね。

「気分は?」
「大分良くなった」
「じゃあ、いいね」
「うん」
アキラとカイに説明するために、さっきの楽屋に戻ることにした。
何故かお互いに手を差し出して、そのまま繋いだ。ひとりじゃない気分になる。大丈夫だ、きっと。




☆彡次のチェックポイントはパン!(*^_^*)


 8へ / 10へ

Simple 8 - 2008.10.27 Mon

携帯の向こうのハルの様子が変だったから、急いできたらこの有り様で…玄関で暫く抱き合ったままでいた。俺はハルの様子に安心した所為か、ぼおっとしてた。
…ホントに心配したんだから…

「今日は泊まってね」
「うん…でも、俺、学校の帰りだったら着替えとか何も持ってきてねぇし…」
「いいよ、俺の使えば」
「ん…」
「なんかね、今日は側にいて欲しいつうか…おまえが恋しくてしかたねぇの」
「…」潤んだ目で見つめられて、せっかく呼吸整えたはずの胸がまたバクバクしてしまった。
…どうしたんだろ、ハル。そんな嬉しそうな顔して…まるで…恋してますって顔だよ。その相手ってもしかすると…俺?

結局、近所のホカ弁で夕飯済ませて、風呂に入ってTVゲーム三昧になる。これはいつもの俺達の風景。
ふと、ゲームのコントローラーを置いたハルが、俺の座る後ろに回って、後ろから抱きかかえるみたいに両腕胸に回されて、ギュウっと…抱きしめられて、離れなくなった。…ゲームできねぇし…
「どした?ハルくん」
「ん…ちょっと、このままでいさせてよ」
首筋に何度もキスされて、腕の力も緩まないから、それはそれで嬉しいかなぁとか、思ってしまう。

恋人宣言してからも何回は、ふたりでこうしていたりしてたけど、キス以上は進んだりしなかった。
一緒に寝てて、キスしたり抱き合ったりすると、直接触るハルの手つきがいやらしかったりするから、欲しいのかなって思うんだけど…それ以上求められると、なんか俺が駄目で、ハルの手を押し返したりするもんだから、それ以上の事はハルも強要したりしない。ハルの優しさなんだろうけど…反対に…それ以上求めてこないって事は、ハルはそんなに俺の事を抱きたいと思っていないんじゃないだろうかって…気がして。
だって、常識的に考えても、今までハルは女としかセックスした事ないはずだし、それが当たり前に気持ち良いわけじゃん。そんな急に男を抱きたくなるとは思えないし…それに俺だって…わかんねぇもの。
それにさ、俺達どっちがどうなるの?…そんなの決めてねぇ…まあ、なんとなくは判るけど…
どう考えてもねぇ、俺がハルを抱くのは無理だろ。そんなの頼まれても困るし…
でもハルに抱かれるつうのは…わっかんねぇけど、想像できる…かも。

後ろから抱きしめるハルの両手が、俺のお腹のところで組まれてて、その手に自分の両手を重ねてみた。あったかいね、うれしいよ…でも…
「ミナト、もうすぐ誕生日だね」
「うん」
「二十一になるんだね」
「うん、ハルくんと一緒になるよ、やっとね」
「なんか欲しいものある?」
「別に…ないけど」
「高いものは買えねぇけど、何かあげたいの。考えて?」
何が欲しい物?…なんだろ…俺が今一番欲しい物って…
「あのさ」
「ん」
「欲しいの、一個だけある」
「何?」
「あの…あのね、俺さ、ハルが欲しいの」
「…」…黙っちゃった…唐突過ぎたか…後ろ向きなんで顔は見えないけど、すげぇ固まってるのわかる…ゴメン。
「違うの。欲しいって意味ね…あのさ、俺達恋人同士になってから、ひと月以上経つじゃん」
「うん」
「でもキスまでじゃん、俺達」
「ん…」
「それって…なんかおかしい…と…か…思うわけ」
「…」
「いや、ハルがしなくないのはわかるよ。だって俺達、男同士だもんな。おかしいし、んなもん気持ちいいわけねぇしな…でもな…もし……もし、おまえがヤじゃなかったら、誕生日に欲しいな…って…」
「…」一向に返事は返ってこない。
…なんか、怒ったのかな。俺、キツい事言ってるのかな…あっ!欲しいとかゆったから、俺がハルを抱くとか思ったのか?それは無いぞ。
「あっ、違うから。ハルが欲しいって言ったのは…そ、その、俺がおまえを抱くんじゃなくてね、俺がその…だ、抱かれるつーか…おまえのモンになるつーか…何い、言ってんだろ、俺。バカだ…お、おかしいな…ごめん、怒んないで…」しどろもどろになりつつ、後ろを向いてハルの様子を伺うと、完全にそっぽ向いて物凄く不機嫌そうにした顔を見て…
「あ…あの、ご、ゴメン、ハル…無理言って悪かった。もう、言わないから怒んないで…」
「バカッ!」
「えっ?」
「ばかミナトっ!」
「あんだよぉ」
「おまえ…卑怯だろうが…」
「何が?」何に怒ってんのか、さっぱりわかんねぇし…でも、俺を抱きしめる腕の強さは変わんねぇから、嫌われてはいなさそうだし…
「そんな事おまえに言われたら、俺の立場ねぇじゃん」
「立場って…」
「俺だって、色々考えてて…おまえにどう言ってセックスの許可もらおうとか、どうしたらおまえがその気になるんだろうかとか…もう、すげぇ目茶目茶一杯考えてたのっ!」
「そう…なの?」
「それをおまえ…あっさり言ってくれちゃって…」
「あっさりでもねぇよ」すげぇ考えたし…
「もう、俺のカッコつかねぇじゃん」カッコつけんな、そんな事に。
「しらねぇもん、そんなの」
「もう…ミナトは本当に…バカだ」
「な!」
「大好きっ!超好きっ!」そう言って、お腹のところの両手でギューってされて…ばか力、本気で出しやがってる…ちょっと苦しい…つうか吐きそう…

「ちょ、マジで…キツイから…」
「ご、ごめん、あんまり嬉しすぎて、舞い上がってしまった…」
「…いっけど」
いっけど…なんか、俺も嬉しいし…

「なんだか…」
「えっ?」
「おまえの誕生日じゃなくて、俺のみたいになっちゃうんじゃねえかな」
「なんで?」
「だって…俺の方が絶対嬉しいし…」
「俺の方だっ…て」
「嬉しいの?ミナト」
「…」なんか、自分で言っておいて、恥ずかしくなってきたよ。俺の誕生日に、俺の身体差し上げますって…超寒い…よな。
一連の自分のセリフを巡らせて、今更ながら恥ずかしさに耐えられそうもなくなって、段々と頭が沈んでいく。…もう…ハルの顔なんて見れねぇし…
そしたら、胸とか腕とか擦られて、俯いた俺の顔を撫でてくれて、後ろから頬にキスされた。それが、すげぇ優しくって…泣きそうになるくらい優しくって…

ハルは俺を大事に扱ってくれるから、時々泣きたくなるほど嬉しくなる。昔からそうだった。恋人になるずっと前から、ハルの俺への思いやりみたいなものが、俺の心の一番深いところに染み込んで行く…みたいな感触があって…嬉しくて仕方なかった。
ハルが他の人にどう接してるのかは知らないし、知りたくも無いけれど、俺に対する優しさはずっと変わらないから、本当はすごく感謝してるんだ。恥ずかしくて言葉には出来ないけれど。

「誕生日、楽しみだ」
今は向かいあったまま、抱き合って、やたらキスしまくっているハルが嬉しそうに呟いた。
「そう?」
「色々学習しなきゃなんねぇし…」
「えっ?なにを?」
「おまえを気持ち良くさせるテクとか…」…聞かなきゃ良かった…
「…エロ」
「いいの、ミナトとやれるなら、エロくていいし」
もう、なんでそんな正直に言うかな。こっちが居たたまれねぇし…ねぇ。




☆彡なかなか先へは進めません~<(_ _)>

Simple 7 - 2008.10.27 Mon

一週間以上、アパートに篭ったままの俺を見かねて、アキラが様子を伺いに来てくれた。
時々、俺は創作に入ると引きこもり状態になっちまうから、他のメンバーに迷惑をかける。
埃のたまった部屋の掃除と、まともな料理にありつけていない俺の為に、今、アキラが昼飯を作ってくれている。
「…ったくさぁ、世の中はクリスマス一色だってのにさ。ハルくんもそろそろ人間界に戻れば?」
「…ん~」そっか、クリスマスって事はミナトの誕生日が近いって事だな。…何しようかな、プレゼント…
「ほら、出来たよ。食べな、ハル」
「サンキュ。いただきます」両手を合わせ頭を下げて飯にありつく。
「…んまいっ!」
「なっ、美味いだろ?冷凍庫にあった鮭を使っての、アキラ特製シャケチャーハンなんですよ」
「そーゆー使い道あるんだ、鮭に…」
今度ミナトに作ってやろ…
「なあ、アキラ。後でレシピ教えてくれな」
「何?彼女にでも作ってやるの?それとも作らせるのか」
「…」
「つーかさぁ、その彼女に頼めば?掃除とか料理とか全部さぁ」
「…あいつも忙しいつーか…」掃除はなんとかなるけど、料理の方はさぁ…俺より酷いかもしんねぇし…
「どんな子なんだろうね、おまえの彼女」
「…」どんな子ってさ…俺らの幼馴染みのミナトだよ。
「そのうち紹介してよ」
「…」紹介するも何も…お前も幼稚園の頃から知ってるミナトなんだ…けどな…
「楽しみにしてるよ」
「…」いやいや、楽しみにされてもなぁ…あのミナトだし…
驚くだろうな、恋人がミナトって知ったら…
なんか不思議な気がしていた。目の前のこいつはずっと一緒にいて、ミナトと同じくらい大事な友人なのに、なんでこいつじゃなくてミナトなんだろう。

ミナトとこいつの差は何なんだろう。
…わかっている。そんな事。だって…だって、それはミナトだから…あいつだから俺は好きなんだ。そんなの他に言いようがねぇよ。
ミナトが俺の側に居てくれて、ちゃんと俺の存在を受け止めてくれていて、笑ってくれる。それだけで…なんだろ。心安らげる。何処に行っても還ってこれるって…そう思わせてくれるミナトの存在。物凄い大事な事じゃねぇ?そういうのって…
あいつが居てくれたおかげでどれだけ…どれだけ荒んだ俺の心を癒してくれたかわかりゃしねぇよ。どんなにこの世の中のすべてに絶望しても、尖った見方をしたりしても、ミナトの中に、ミナトと一緒に、救いや光を見出して、それを信じて、俺は俺自身を見失わずに生きてこられたんだ。

ミナトの匂いを嗅いだ気がした。
目を瞑っても開けても、ミナトの笑った顔が浮かんで仕方なかった。
ミナトに会いたい…と、願った。

アキラが帰った後、居ても立ってもいられず、携帯に手を伸ばす。
急いでミナトに掛ける。呼び出し音の間、ふと我に帰って…しまった、まだ授業終ってなかったかもしんない…と、思って切ろうとした…瞬間、声が聞こえた。
『もしもし、ハル?』
「ミナト?」
『ん』
「ごめん、授業中だった?」
『んーん、今、終ったとこ、で、帰るとこ、なんだけど…なんか用?』
「用はねぇ…けど」
『…ハルくん?』
「会いてぇの、ミナトに」
『…』
「すげぇ会いたくて…なんかわかんねぇけど、おまえの顔見たいの」
『…わかった。今からそっち行くね』
「うん」
『晩飯のおかずでも買ってこようか。何がいい?』
「ミナト」
『なぁに?』
「あんな…おかずとかいいから…今すぐ…会いてぇの…」
『…わかった。すぐ行くから待っててよ』早口で言い切って、ミナトが通話を切った。
…語尾の方、なんか切羽詰ってた気がするけど…それは俺の所為?

三十分後、チャイムも鳴らさずに乱暴にドアが開けられた。ミナトだ。息を切らしてハアハアしてる。
「おい、どした?」
「ど、どしたって…お、おまえ…あんな声出すから…俺…なんかあったんじゃないかって…心配で…」
「ご、ごめん。焦らせた?そんなつもりじゃなかった、わりぃ」
「駅から…猛ダッシュで…も…なん…バカッ!」
「ゴメン…ごめんね」
「心配して…損したっ!」
息を切らしながら横向いて不貞腐れるミナトを見て、悪いと思うけれど、嬉しくてしかたねぇのは隠せそうもない。

「ごめん、ミナト。怒んないで」
「…」
「ほんとにおまえに会いたかったの」
上着を着たままのミナトを抱きしめれば、ひんやりとした冷たいコートの感触。少し汗を掻いたミナトの額を手で拭いてやってキスをする。
「すげぇ会いたくて…ね」
「バカ」
「怒んなって」
「怒ってねーもん」
「ホントに?」
「ん…でも晩飯おまえのおごりな」
「ん…ミナト」
「ん?」
「俺さ、お前の事、すげぇ、好きかも」
「…バカだ、ハル…もう…」呆れたように愚痴って…そんな風に笑って…そして、優しいキスを返してくれるんだね。
…もう、たまんなく愛しくて…

ずっと前、おまえが「運命の人」ならって…思い描いたりした事があったよ。何度も否定したけれど…だけど、今はもう、そんな夢は見なくていいって事だ。
然るに、本当に、これは「運命の恋」って奴なんだろ?





メンバーは4人で同級生で21歳ぐらいで、メジャーデビューしたばっかで…そんな感じ。


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Simple 6 - 2008.10.26 Sun

「ハル、失恋長引かなくて良かったじゃん」
ミナトと恋人宣言してから十日余りの夜、アキラと夕飯を食っていて、唐突に言われた。
「へっ?誰に聞いたの?」
「ミナトだけど…でさ、新しい子はどんな子?かわいい?」
「…」
…そっか、あいつそんな事ゆったんか…なんだよ、自分の事は置いといてかよ。つーか、どんな子ったって…ミナトなんだけどね。ンな事ここでバラしたら、あいつ絶対怒るし…
「おい、ハル?」
「…ん…」
「なんだよ、その曖昧な物言いは。もったいぶらないで教えろって」
「…」
なんかなぁ…あんまり言いたくねぇんだよ。確かに俺とミナトは恋人関係になったっちゃあなったんだけど、なんか今更って気がしてな。
俺とミナトが昔っから、普通の友人関係とは一線を超えてしまってるつうか、常識に当てはまらない密接した関係って事はこいつは知ってるし…かといって、ミナトと身体の関係なんかあるわけないと思ってるし…それは今は正しいんだが…でもセックスは避けて通れない行為だよな…どうしたらいいんかな…いやいや待て、今はその話じゃねぇよ。

ミナトの事だ。
それに関しては…当の俺だって少しだけ困惑してる。
昔っからあいつに対しては、自分でも理解できない感情が働くのを止めらんなかったし、何度もこいつが女だったら絶対付き合ってたのに…とか、思ったりしてたし…
だけど、抱きたいとかまでは…想像できなかった。
「好き」って気持ちも、友情の強さがデカいだけだと、自分に言い聞かせたりしてた。
どう考えても俺は女の子の方が好きだし、結婚だってしたいし、子供だって欲しいし…でも、やっぱり女の子と付き合っていても、ミナトとふたりでいる方が楽しいなぁと思った事がなかったわけではない。
ミナトと比べる事自体おかしいんだけど、付き合う女の子を無意識でミナトと比べてしまう俺が居た事は…気づいてた。でもな、何度も否定したんだ。そんなのミナトは望んでないし、俺達は一生仲のいい親友でいるのが一番幸せなことなんだって、自分で思い込ませていた。

ミナトは可愛いし、見かけも…まあ、男らしくないし、そっち関係に好かれたりする傾向はあるけれど、中身は全くの男でマトモだよ。だからこそ俺はミナトをそんな風に見ちゃいけないって今までずっと…ずっと我慢してきた…部分がある。
できるなら…ミナトを俺の側にずっと閉じ込めていたいとか、何にも要らないから、ふたりだけで居られたらとか…途方も無く暗い妄想だって持ってたりもしてた。現実にはそんな事求めようがない。
あいつはあいつの人生があるし、俺もできるならマトモな人生送りたいもの。だから、敢えて距離を置いた時期だってあるし…でも不思議なもんだな。結局離れられないまま、ミナトはずっと俺の側に居てくれて、仕事もプライベートも一緒に居て、そんで今度は恋人になってくれたんだから。
わかんねぇもんだな、人生って奴は。
嘘みたいに思えてしかたねぇのな…

「おい、ハル?またどっかに意識飛んでるよ」
ふと気づいたら、呆れ顔のアキラが目の前にあった。あっぶね、マジでおまえの存在忘れてたわ。
「悪い。大事な人の事考えてた」
「ああ…早速惚気ですか。よっぽどかわいいんだ、その女子」
そう言われて、ミナトの笑った顔を思い出した。
「無茶苦茶ねぇ…かわいいし、ふふ」
口端が緩むのを押さえきれなかった。




☆彡ハル目線始まり~


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Simple 5 - 2008.10.26 Sun

目を開けたら、目の前にハルの顔があった。
ハルん家に泊まったんだ俺…とか、考えて…!思い出した。恋人の件!

完全に目が覚めて、辺りを伺って、ヤバイんじゃないのこの距離は…とか思って、モゾモゾ身体を動かしてたら、「起きたの?…ミナト」って、隣から聞こえる寝ぼけ声。
「うん…」
「なぁに?…今何時?」聞かれて、頭の上の目覚まし時計を見る。
「んと…八時…ちょっと前」
「まだはえーじゃん。なんか用事あるの?」
「んにゃ…」昼から必修の講義があるけど、大学には二時に着けばいいし…
「じゃあ、寝よ…」
「…」なんかね、この状態がいかにもって感じがして…おちつかねぇし…
「どしたよ、ミナト」
「ふえ…?」
「なんだよ」
「い、いいよ」
「こっち来いって」
「だって…」伸ばされる腕を手で押しやっても、相手は一向に辞める気がなくて…腰と肩を一気に引かれた俺の身体は、ハルの胸の中に納まる形となった。オマケに足まで絡ませてくるから…なんか…もう。

「寝ぼけてない?ハル」
「ん…少し寝ぼけてる」
「ヘンだろ?この態勢」
「恋人なんだから普通だろ」
「…覚えてんじゃん」
「忘れるかよ」
「いいのかよ」
「なにが?」
「俺達、恋人…同士で…さ」
「…ミナトは…嫌なの?」
「やじゃねぇよ」
「俺も」
そうか…そんならいいや。この態勢は間違ってねぇよ。
なんかお腹んとこに当たるのが気になるけどな。それは俺もおんなじか…朝だしな。

なんか…頭の後ろ撫でられて、背中撫でられて、目を閉じていたら、眠たくなっちゃって…うん、ハルの腕の中って安らぐ…

再び起きたのが一時過ぎ。
「マジやべぇ!」やっぱ二度寝なんてするもんじゃねぇな。
「どした?ミナト」って、寝ぼけてるハルを無視して、取るものも取り敢えずバタバタと用意してると、一緒になって焦ったハルが、意味のない水とか渡すのでおかしかった。
玄関先で「行ってらっしゃい!ミナト。転ぶなよっ!」って、大声で叫ばれて、さすがに恥ずかしかったけれど、いつもと同じのハルでホッとした。
行って来ます!




☆彡ほのぼのCP…こんな調子で続きます^_^;

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Simple 4 - 2008.10.25 Sat

ベッドは当たり前だけど、ひとつしかない。
いつもは…一緒に寝てるし。そんなの常識だ。別に変じゃないけど…今までと今日とは違う。だって俺達、恋人同士だ。
一緒に寝て、何も無いって…ありえねぇだろ?
でもさ、今まで全然意識なく一緒に寝てて、急に慌てるってゆうのもわざとらしくってねぇ?なんか違くね?ここは何も思わずに今までどおり一緒に寝るっていう選択が…正しい…よね?わっかんねぇけど…
ちょっと固まったまま立ち止まってる俺の気持ちを知ってか知らずか、ハルは俺用に枕を出して、さっさとベッドに入って布団を被ってる。
「ミナト、何してんの?寝ないの?」
「…寝るよ」
「電気消して」
「わあった」蛍光灯の紐を引いて灯りを消した。途端に真っ暗になって、思わずベッドの角に足をぶつけた。「わあっ!」って叫んでベッドに転がると、隣で笑い声。
「おまえ、器用…」って、笑われた。
だって見えねぇんだもん、真っ黒で。
「ほら、ちゃんと着な」毛布と布団を掛けられてやっと落ち着いた。もう、俺って手の掛かる子供みたいじゃん。けっこういつものことか…クソッ、情けねぇ…。
ちょっと不貞腐れて、背中向けて寝てると、ハルの声がした。
「ミナト、手ぇ繋がねぇ?」
「…ん、いいよ」仰向けになって手を伸ばすとすぐにハルの手に捕まって、そんで手を合わせて指を絡ませた。
「あったかいねぇ」
「ねぇ…」なんか、すごく安らかだよね。

「ハルくん、傷は治った?」ふと、気づいて声をかけた。
「えっ?何?」
「いや、おまえ。失恋して落ち込んでたじゃん。そんで俺と自棄酒飲んだんだろ?」
「…そうだったか」
「そうだったかじゃねぇよ。俺、心配したんだから」
「そうなの?すっかり忘れてた」
「ハルぅ~」呆れたように呼んで、お小言のひとつでも吐いてやろうと顔を向けたら、暗闇に慣れた目が天井を向いたままのハルの横顔を見つけた。
「なんかさ…成り行き上でも、ミナトと付き合うとかなったじゃん。…なんかそれがさ…すげぇ嬉しくてさぁ…失恋したのすっかり忘れちゃってた…って…ことなんだけど…」
「…」なんか、もう…たまんなく胸が締めつけられてしまって…嬉しいとか照れくさいとかじゃなくて、そんな風に俺を思ってくれてる事が、唯…
「ミナトとだったらねぇ、すげぇ楽しいし、嬉しいし…それにな、ほら、手ぇ繋いでるだけでこんなにもさ…落ち着くっつーか…ねぇ」
…イトオシイし…
「ねぇ、ミナト」
「うん?」
「俺、今すげぇ幸せかも」
「…俺も…」そう言うのが精一杯で…
「ホント?」
「うん」
「良かった」そう言って抱き寄せてくるおまえの腕の力強さにも、俺は敵わないって思ってるよ。

「ハル、あんな」
「うん」
「恋人同士ってさ」
「うん」
「こーゆー場合さ、普通な…次の段階に行くじゃん」
「…ん」
「お、俺、あんま自信ねぇんだ、だけど…」
「…」なんか、笑ってねぇか?ハル。俺、結構真剣なんだけど…
「…ねえ、ハ…」って、様子伺ったら、我慢できないみたいに、今度は声出して笑ってくれちゃって…しまいには止まんなくなってんの。失礼な奴だなっ!
思わず起き上がって笑い転げてるハルを睨んでやった。
「お、おまえ…」
「ご…ごめん。ミナトがあんまり必死な声して言うから…」
必死だよ、こっちは。本当に恋人同士になったはいいけど、後先考えてなかったから、この先の展開なんて予想つかねぇもん。
押し黙っていたら、ハルも起き上がって、ふたりベッドに座ったまま向き合う。
「セックスのことはさ、又この次考えよう。そんなの焦んなくたって、俺達には十分時間はあるし…今日は俺…おまえとのキスだけで、かなり…舞い上がってんの」
「…」そうなんだ…
「わかる?ミナト」
「わかるよ」俺もそうだもん。…でもいつかはするよね。そういうもんだろ?恋人同士って。
「ミナトを抱きしめてるだけでね」
「ん…」いきなり両腕でギュウって抱きしめられて、そのまま横にふたり寝転がった。
「ん…なんかさ、すげぇ抱きごこち良すぎ…て…」
「…」もう、甘えんぼだ。

「おやすみ、ミナト」耳元で囁くハルの声には負けるから、
「おやすみ、ハルくん」って、デコにチュウしてやって、目を瞑った。
ハルの溜息が聞こえて、「ミナトのばか」って、呟く声がしたけど、知らない。
しばらくして…んだよ、バカって…って責めようって思ったけど、もうなんだか眠くって…




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Simple 3 - 2008.10.24 Fri

ハルのアパートに行って、風呂に入ったおかげでかなり酔いも醒めた。
先に風呂に入って寛いでるハルがラグに転がってTVを見てる。いつも借りて着ているロンTとジャージを着て、ハルの隣に胡座をかいで座り込んだ。
「ミナト、ちゃんと頭拭いた?」
「ん」
「寒くない?Tシャツ一枚じゃ風邪ひくから、なんか…上から羽織れよ」
「大丈夫だって、心配しすぎ」
「だって…コタツでも出しときゃ良かったかな」
「まだ早いし…」
「そう?」
コタツってあったかくて気持ち良いけどさ、あれ入ったまま寝ちゃうと必ず風邪ひくの。
「コタツって言えばあれだな」
「ん?」
「ほらカップルでさ、コタツん中入ってると、こう足が絡まるつーかさぁ」
「わかる」
「な。その攻防戦ってのが、ひとつの恋の駆け引きつーか、醍醐味つーか…」
「…」なんか、おまえの恋愛話聞くとリアルに想像出来るから…あんまり好きじゃないし…
「…悪い。そういうつもりじゃなかった」
「別に良いけど。おまえのそういう話聞き慣れてるし…」
「でも…今はさ、俺達のスタンスつーか…違うじゃん」
「へっ?」
「俺達さ…一応恋人同士だったりするわけじゃん」
「そう…だったねぇ」
…覚えてたんだ。あんなに酔っ払ってたのに…
「…だったねぇっておまえ…酒の上での冗句でしたって終わりにするんじゃないだろうな」
「しねぇよ、別に。ただなんか…あんまり変わんねぇからさ、おまえも俺も」
「うん…ねぇ。俺もそう思う。それってマズくねぇ?」
「マズいのか?」
「だって進展しなさそうでさ」
「そうだねぇ」
そんな事言ったって、そんな簡単に親友辞めて恋人に…ってはならない。つーかなれねぇし…
「キスでもする?」ハルが俺の様子を伺いながら言う。
「…」
…でも…って。でもって言うくらい簡単なものなのか、ハルにとっては。只のキスだもんな。…でもな、俺はそんな簡単には出来そうもないんだけど…

余程変な顔をしたんだろうか、ハルは俺の顔を見るとちょっと慌てて言い直した。
「いや、違うんだって。でもって言ったのは…あのな、テレ隠しなの。わかるだろ?ミナト」
「…わかる」けど、ここでそんな風には言って欲しくなかった。俺、結構そういうの気にする方ってわかってるじゃん。
「ごめん、ミナト」
「いや、いい」
「ちゃんと言うから」
「…」
「ミナトとキスしたい」
「…」
「…ダメ?」
「…いや」
駄目って事ないけれど、非常に照れる。
もうマトモにハル」の顔も見れなくて、目線を泳がせていると、いきなりガシッと肩掴まれて、ハルの顔が知らない間に滅茶苦茶近づいてて、恥ずかしさのあまり、慌てて顔を伏せたら、凄い低音で「ミナト…」って耳元で呼ばれた。
「ハル、おまえまだ酔ってる?」
「酔ってねぇよ」
「そ、そう?…だけど…あれだな…あの店の豚の角煮さ…」
「ミナト」
「美味かったよな…」
「ちょっと、喋るのやめろって」
「な、なんで?」
「キスできねぇし」
「あ…だって…さ…」
「ミナト」
「ん?」
「あっち見てみ。ほら、あの壁んとこ…」
えっ、と、思って壁の辺りに目をやった途端…口唇に…キスされた。
はっ、となって、一瞬身体が床から浮くぐらい、ビクッってなった。
ビックリしたままハルの方を見ると、目が寄る位近くにまだ顔があって、しかも両肩掴まれたままだったから、身じろぐ事も出来なくて…焦った。

ハルは困ったように少し笑って、「もいっかいね」って、言って、今度は頬を挟まれたまま口唇が近づくのが判った。すぐに口唇が合わせられて、ハルの舌が俺の口唇を何回も舐めて、そっから口ん中入っていく。
なんか、目を瞑っていなきゃ駄目だと思って、しっかり瞑ったはいいけど、今度は口唇の方に意識が飛んじゃって…ハルが角度を変えて舌を絡ませるから、俺も応えなきゃって思って、必死になって応戦する。なんかそうやって随分と長い間キスしてた…気がする。
背中を擦るハルの手の平があったかくて、気持ちよくて…照れるとかより、安心してしまった。
ちょっと薄目でハルの様子を伺ったら、ハルとしっかり目が会っちゃって、それでも口唇は離し難くて、お互いに見つめ合いながら、また味わってしまってる。
…すげぇ音してるし…
初めてキスするのに、なんでこんなにすげぇディープキスしてんだろって思ったけど…
なんかちょっと息苦しくなってきちゃって、ハルの胸を押したら、やっと離れてくれて…なんかふたり共はぁ~ってなった。
ハルの濡れた口唇を見つけて、ああ、この口唇とキスしたんだと思ったら、忽ち羞恥心が沸いてきて、俯いてしまった。

「ミナト…ゴメンな」
「えっ?」
「…泣いてない?」
「泣いてねぇよ」
「ホント?」
「何で俺が泣くのさ」
「いや…あんまりしつこかったかなって…思ったから…」
「別に…」
「嫌じゃなかった?」
「やじゃないし…」
「ホント?」
「うん」
「よかった…」って、緩んだハルの顔を見てしまって…どうしよ…胸騒ぎが収まってくんねぇし…。
…もしかしたら俺、本気でハルの事好きなの?…



「なんかさ、初めてなのに凄くなかった?」って、俺が言うと、
「うん…だって、ミナトがかわいいから」
「かわいいって…」ヤダよ、それ。
「かわいいじゃん」
「嬉しくなし、マジで」
「他に言いようが無い。ミナトはかわいい」
「…」そんな断言せんでもいいから…恥ずかしいし…

なんかTV見てても面白くないし…つーか、見る意思が無いから、ちっとも頭に入ってこないの。面白いはずのギャクを聞いても、その意味が頭で組み立てられねぇってつうか…隣に居るハルの事ばっか気になってしかたねぇし…ちらっと…横向いて伺ったらハルも俺の方向いて…黙って見つめあってしまった。
「…なんかヘンだね」
「うん」ドキドキする。鼓動の音、聞かれたりしないかな…
「ミナト…」
「俺さ…」熱い目で見られてしまって、ちょっと耐えられねぇわ。ゴメン。
「お、俺、もう寝るから」
「えっ?」
「いい?」
「いっけど…じゃあ、俺も寝るかな」
…おまえも寝るの…うん…まあいっけど…




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無駄にながくてすいません<(_ _)>

Simple 2 - 2008.10.24 Fri

冗談の延長なんだろうなとは、感じていた。
居酒屋を出て、並んで歩く帰り道。
いつもと同じ空気だったし、別にあの話を持ち出す雰囲気でもなかったから、ああ、ハルはあれを只の酔っ払った勢いでの与太話にするつもりなんだろうと、俺は思っていた。
俺は…そうだな。半分冗談。で、半分は本気だった。

暫く歩いてたら、人通りも少なくなって、辺りも暗くて、何だか二人きりみたいになって…クシュン…鼻水出た。
「風邪?」下から覗くみたいにして、ハルが聞く。
違うよ。ちょっと寒かったの。十月も終りっていうのに、薄着しすぎたみたい。
ハルは昔から、こんな風に優しい。
「大丈夫だよ」
「そう」って言うと、ハルの左手が俺の右手を掴んで握り締めた。なんだろ、これ?って俺がその繋がれたふたつの手を凝視していると、
「うん、手はあったかいな」ってハルが言う。…酔っ払ってるからな、まだ身体はあったかいの。
黙ってたら、ハルが俺の顔を見てクスリと笑う。
「な、なに?」
「いや、なんか…おまえ、ポケッってしてんなって」
「…」どーせ、間の抜けた顔ですよ。生まれつきです、そんなの、ずっと見てきてわかってんだろっ!
いちいちうるせっ…
「なんかかわいいなって…」
「…」
「思ったの」
冗談だと思ったけど、ハルの顔がマジですごく優しかったから、胸がドクンって鳴った。
「うち、来る?」
「えっ?こ、これから?」
「何か用あった?」
「別にない…けど」明日は…大学は昼からだし…な。
「じゃあ、泊まれよ」
わかるけど…だっておまえん家まで、ここから歩いて十分もかかんないし、俺ん家帰るとなったら、地下鉄乗らなきゃならないし…いつもだったら、二つ返事で返すところなんだけどな…いつもの…親友同士だったら…
「否か?」
「ううん、別に。行くよ、ハルん家」
だってそれが俺達の普通でしょ?やましい事じゃないよね。
いつもと同じ帰り道。でも、いつもとはちょっと違うんだ。
ふたりの間をブラブラする繋がった手だけ…ね。



1へ

Simple 1 - 2008.10.23 Thu

久しぶりにハルとふたり、居酒屋で飲む羽目になった。
ハルは根っからの下戸なのだが、今日は「ミナト、付き合って」って、誘われた。
珍しいなと思ったら、付き合っていた女に振られたと聞かされた。
「俺、結構本気だったのに…」って、半泣き状態。…何度目だろ…

ハルはモテる。
昔っからモテてた。付き合う女の数も、俺なんかとは比べようも無いほど多い。
それも途切れる事無く付き合ってて、ひとつの恋が終ると、「えっ!もう別の女なの?」ってこっちがびっくりする。
聞いてみると、殆どが女の人の方から申し込まれるのを、ハルが受けているって構図で、ハルは来るもの拒まずの性格だ。
「好きでもないのに何で付き合うのか?」って聞いたら、「必死な顔して付き合って下さいってお願いされるわけよ。そんなん…興味ないからって、断れるわけねーじゃん。それに…本当に好きになるかもしんねぇし…運命の恋なんてな」
そりゃそうだけどさぁ…そう言ってるけど、半年も経たないうちに殆ど終ってるじゃん、おまえの運命の恋は。理由は…大体ねぇ、女の方が呆れるっつーか、飽きられるつーか…殆ど振られてるじゃん…

ハル本人は「何がなんだかわけわかんねぇ…」って頭項垂れるけど、俺はなんとなくわかる。
こいつは時々、時間や場所とか関係なく、思考がワープするの。目の前に誰がいようとも構わずに自分の世界にワープしちまうの。そんで帰って来ない時とかあるわけ。
なんかね、「私って一体どういう存在なのよっ!」って、女の人がキレるらしい。
わかる、その気持ち。俺はもう慣れたけど…
こいつのそういう所も慣れてしまえば、腹も立たない。
そう言う時はこっちも好きなところにワープすりゃいいの。そしたら「ミナト、俺の話聞けよっ」って怒るの。結構自己中だからね、ハルは。

で、別れた女の事とか泣き事なんかをごちゃごちゃ聞かされ、結構酔いも回ったところで、「で、おまえは?」って言われた。
どうしようと思ったけれど、「実はさ、俺もひと月前、彼女に振られて…」と、なった。
仕方ねぇ、ホントの事だ。
そんで、なんで振られたのっかって敗因がいまいち良くわかってねぇの。
確か、最後に会った時、溜息吐かれて「結局私じゃダメなのよねぇ」って、言われた。
意味わかんねぇ…
そんな訳で、ふたり振られた者同士、どんどんお酒が入って、只の酔っ払いになる。
「やっぱさ、最期はさっ、男同士の絆だよなっ!」
「そうそう、女なんかいらねぇし!」と、わあわあ捲くし立てて、そんで調子に乗って、
「俺、やっぱ付き合うんならハルがいいわ。おまえわぁ、俺のことぉ…一番わかっれくれてぇしぃ…」
ダメだ、口回ってない…けれど、それを聞いたハルはちょっとビックリして、俺を見て無言でいたから、俺なんかヤバイ事言ったか?って、少しうろたえ始めた頃、例の低い声でぼそっと…
「じゃあ、俺達付き合ってみよっか」って、ゆったの、ハルが。



 2へ

作品紹介 - 2008.10.22 Wed


すべてBLですが、H度は非常に低いです。


「green house」
当サイトで一番長い物語です。

宿禰凛一と水川青弥は聖ヨハネ学院高等学校の一年生。
凛一は明るく華やかな美貌の少年だが、複雑な過去がある。
青弥は学院一の秀才だが、内気で心を閉ざしがち。
学院の古ぼけた温室でふたりの恋物語は始まる。

凛一の9つ違いの兄、慧一は凛一に肉親以上の愛情を感じている。
慧一編ではその葛藤を描く。

慧一の過去の恋人、紫乃は凛一たちの学院の先生。
未だに慧一に未練のある紫乃だが…
紫乃編後編は、紫乃が新しい恋をするお話。

それぞれの視点で書いていますので、並行して読まれたら、また違った面白さがあると思います。

キャラ紹介

宿禰凛一…際立った外見の持ち主。非常に複雑な生い立ちがある。
水川青弥…引っ込み思案の優等生。
宿禰慧一…凛一の9つ違いの兄。弟を心から愛している。
藤宮紫乃…凛一たちの通う高校の先生。慧一の元恋人。

根本香樹…青弥と同室の一年先輩。見掛けのかわいいネコ。気に入ったら誰とでも寝る。
三上敏志…凛一の親友。

美間坂真広…凛一たちの2年先輩。もと生徒会長。頭脳明晰。T大の医学部在中。
桐生千尋…美間坂の恋人。凛一の良き先輩。

嶌谷(とうや)誠一郎…ジャズクラブ「サテュロス」のマスター。凛一を見守っている。

千葉啓介…藤宮紫乃に恋する大学生。

「破壊者のススメ」
若き日の嶌谷誠一郎と従弟の宗二朗の恋を、宗二朗視点で描いています。

「聖王伝」シリーズ

地上の地図。
地図

「彼方の海より…」
魔界の四天王リュウ・エリアードと、地上のラサイマ公国の公主メトネ・レヴィスとの恋物語。
サディストのリュウとオトメンのメトネだが、果たしてどうなることか…

「ユーリとエルミザード」
地上の大帝国エイクアルドの仕官学校を舞台に繰り広げる恋物語。
まだ入学試験までだが、そのうちに色々とキャラが増える予定。

「流れる星の彼方に…」
「彼方の海より…」のリュウ・エリアードとユエ・イェンリーの異次元での悲恋物語。

純情シリーズ

「ハルカ&ミナト」
ハルカとミナトは幼馴染みでバンド仲間。
恋をするにはあまりに近すぎて、実感がないのだが…

「麗乃&由貴人」
幼馴染みでバンド仲間wwのふたりは恋人なのだが、或る日由貴人は違う世界に飛ばされ…そこで麗乃と出会うが…
ちょっと不思議なセツナイ恋物語。

ファンタジー
「R-a gardian sprite」
7月さんとのコラボ作品。
ナルヴィと守護番人ルカとのお伽話。

「senso」シリーズ
架空の世界でのアーシュ達の運命を描く学園ダークファンタジー。
魔法使いと人間の子供たちが通う「天の王学園」の校門に捨てられていた赤子のアーシュは、稀な力を持つ者であった…

「Preivate Kingdom」
アーシュ視点でのお話。
「天使の楽園、悪魔の詩」
ベル視点でのお話。
「浄夜」
メル視点でのお話。
「This cruel world」
アスタロト(アーシュ)とイールの神話。
「Phantom Pain」
出生の秘密を知ったアーシュが、イールの元へ向かう
「Brilliant Crown」
これからのふたりの未来を決めるために、なにができるか…

「スバル」
アーシュの友人であるスバルの幼い日の切ない恋物語。
「山の神」「愛し子」
山の神として育った少年はスバルの出会いによって変わっていく。
「銀色のRay」
クナーアンに生まれたレイはアーシュと共にサマシティに降り立つ。
15歳の少年レイの恋物語。

掌の物語
短編を中心にした、切なくてあたたかい色んなお話を書きおろしてみました。


イラストはすべてサイアートの描き下ろしでございます。

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プロフィール

サイアート

Author:サイアート
イラストと駄文を更新しております。

少年愛を中心としたシリアス重視なオリジナル作品でございます。

ゆっくりしていってね~

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