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2009-11

キャライラスト - 2009.11.11 Wed

嶌谷誠一郎(とうやせいいちろう)
ジャズクラブ「サティロス」の店長さん。
凛一が13の時40だから…今は44だな。
自分の理想の大人として書いてます。
まあ、ゲイだけどwww


嶌谷さん
何故嶌谷さん?…次にでてくるし、これからも重要な人だから。



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宿禰凛一編 「Swingby」 11 - 2009.11.11 Wed

11、
 二年になった途端、学校行事の忙しさに目が回った。
 部活の「詩人の会」の副部長を押し付けられた俺は、部活のある放課後は必ず参加しなければならなくなった。
 六月の文化祭の実行委員で夜遅くまで居残り、十月の体育祭には縦列で団結する黒組の応援団として参加することになる。
 夏休み前から部活のない放課後は、これまた応援合戦の練習に勤しむことになった。
 学校への敬意は払いつつも、別に最上の尽力を負うつもりはこちらには全くないが、何故か回りから乗せられ、気づいた時にはお立ち台に立っている。
 ミナは「リンはかっこつけすぎなんだ。おだてられたらいい気になってさ。おれと一緒にいる時間が少なくなるじゃないか」と、拗ねる。
 いい気になっているわけではないが、中学時代の不遇からの反発なのか、何故か青き果実のごとく青春を楽しもうって気になっているんだ。
 自宅で引きこもっているよりは健全だし、独りの寂しさも紛れるからなあ。

 六月の恒例の三者面談には当然保護者は不参加。
 俺は担任の藤宮紫乃との二者面談に国語準備室へ向かった。
 藤宮は相変わらず胡散臭そうに俺を見ると、まず希望調査書を差し出した。
「他の生徒は受験する大学を決めているのに、おまえは何も書いてないじゃないか」
「まだ決められないし、行きたい大学も別にないから仕方ないんだよ」
「適当に書いておけ」
「じゃあT大にしとく」
「…水川が行くからか?」
「それもあるけど、それにしておけば、つぶしが利くだろ?」
「そんな理由じゃT大は受けさせない。おまえ知ってるか?毎年この学校から十人はTかKの国立に行かせるのがこの学校の絶対目標なんだよ。今のところ経営状態は悪くないが、少子化の波は逃れられないしな。そもそも育児をないがしろにする親どもが、教育だけは躍起になっていい大学へ進学させたがるという時点でどうかしとると思わないか?」
「…」
 そんな事情を俺が聞いても知るかよ。
「付属大学でいいよ。推薦で行けるだろ?」
「ちっ、兄弟揃って興味ない話はスルーか…その前に、理系か文系、どっちか決めろ」
「え?」
「おまえの成績は…数学と物理と世界史は満点。現代国語と生物、化学は平均以下じゃないか。微妙すぎて…笑えん」
「だから…俺にも決めかねているんじゃないか」
「水川のおかげなのかどうかしらんが、おまえの成績は順調にアップしている。本気で狙えばT大も無理じゃない」
「目的もないのに合格しちゃ、落ちた方々が不憫だ」
「うるせ~、人のことはどうでもいいから、ちゃんと考えろ。建築に興味あるんだろ?建築学科を選ぶなら理系を選択しろ」
「なんで建築学科?」
「慧一が知らせてきた。おまえが建築に興味があるようだから、その意思を聞いてみてくれって。因みにうちの大学に建築学科はないから、推薦はもらえんぞ」
「ちょ、待て!今なんかさらっと流してくれたなあ…あんた、慧一と連絡しあってんの?」
「Eーメールでな。こちらからいくらメールしても返信はなし。で、自分が用事のある時だけ一方的に来る。しかもおまえの心配ばかりだ」
「…非礼な兄をお許しください。…って、いうか、なんであんたはいつまでも慧にこだわるんだよ。あんたならいくらでもいい男は捕まえられるだろ?もうとっくに別れたんだからさあ、いいかげんやめなよ。友人として慧一と付き合うのなら反対しないけど」
「若い子と遊ぶのは楽しいし、かわいがってやるのもいたぶってやるのも趣味だし、別に慧一ひとりを思って枕を濡らしているわけじゃあないさ。ただ…慧一とは身体の相性が良くてね。今でもあいつとのセックスが忘れられないってわけだ」
「…」
「慧一はジェントルな容姿と違って、ベッドじゃSだからなあ。テクニックも持続力も半端ない。あんなに夢中にされてくれる男は、他に探そうとしても早々には居ないんだよなあ」
「…もういいよ」
 なんか段々腹が立って仕方なくなってくる。これが嫉妬って奴なんだろうな。
 昔の恋人にさえこうなんだから、もし、慧一に本当の恋人を紹介されたら…相当に胸が痛むだろう…

 俺は席を立った。
 藤宮が黙って俺を見上げる。
 伊達眼鏡の奥が笑っている気がして、ムカついて仕方ない。
「おやおや、随分とご機嫌ななめだ。大事なお兄ちゃんを取られるのが、そんなに嫌か?」
 薄ら笑いを浮かべた藤宮の勝ち誇ったような様に、我慢が出来ない。
「笑っておめでとうと言えるほど人間が出来てるわけがないだろう。慧一は一番大事な肉親だ」
「じゃあ…水川は?」
「?…ミナと兄貴を比べるバカがいるかよ。ミナは大事な恋人だ。あんたは時々変なことを言う。なんで兄貴と恋人を並べる必要がある」
「…俺にはそうは見えないから、煽っているだけ。単なるオブザーバーの興味本位だよ。気にするな」
「…気にするだろ!バカか…オブザーバーならオブザーバーらしく黙ってろっ!」
 俺はムカついたまま、部屋を出て行った。
 慧一と寝た藤宮なんか絶対好きにはなれない…なるもんか!

 結局とばっちりを食うのはミナだ。
 温室で俺をモデルに暢気にデッサンしているミナを見ていると、どうにも嗜虐的になってくる。
 たまらずにスケッチブックを取り上げ、乱暴にミナを抱き寄せ、襟を広げて鎖骨の下に痕が残る程食らいついた。
 ミナは驚いたがさして抵抗せず両腕で俺の頭を抱いた。
 ゆっくりと顔を押し付け、諭すように言葉を紡ぐ。
「ねえ、リン…おまえが好きだよ。どんなリンでも、おまえに触れられていられるだけで、おれは自分の存在価値を見出してしまうんだ…それってある意味究極の幸せって気がしないか?」
 俺は顔を上げ、ミナを見つめた。
 夕焼けの光に翳る微笑むミナは女神のようだ。
 胸の中の苛立ったものが霧散する。
 ただ…ただ愛しいだけ。
 俺はこいつを失うわけにはいかない。
 おまえに捧げたものは愛と信頼、そして希望だ。

 俺は誓う。おまえの笑顔を決して絶やさないと。






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