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2011-01

藤宮紫乃編 「Sonnet」 3 - 2011.01.28 Fri

sinosann.jpg

3、
 慧一の誕生日に知らない奴と一夜を供にしたというネタを、凛一は慧一には言わないと約束した。
 バレたところで、どうといったもんじゃないんだが、その夜は凛一にせがまれ、宿禰家のディナーへ招待された。

 家族での慧一の誕生日パーティとかで、彼らの継母の和佳子さんが腕によりを掛けて作った手料理がテーブル狭しと並べられた。和佳子さんは元々プロのシェフなので当たり前に美味いものしか作らない。

「こうやって家族みんなでお夕飯を頂くのって楽しいわね~」
「…」
 いやいや、俺は家族の一員じゃない。
「35にもなるのに家族で誕生日のお祝いって恥ずかしいな」
「…」
 なんだよ、そのわざとらしい恥じらいは。
「ワコさんの料理はなんでもめちゃ美味いよ。紫乃もたくさん食べてよ」
「…」
 無駄にはしゃぐおまえは気持ち悪いよ。
「紫乃くん、楽しんでいるかね」
「あ、はい、勿論ですよ、お父さん」
 …なんで赤の他人をお父さんって呼ばねばならないんだよっ!

 食事が終わってリビングで寛ぐ。
 慧一たちの父親、優一さんは外交官としての一線を退いた後、省庁にしばらくいたが、定年を迎えてゆっくりと老後を楽しむつもりだった。しかし、ここのところ多忙と見える。
 慧一と凛一の建設事務所「A.SUKUNE アーキテクツ」の拠点はニューヨークだ。
 近年、日本での仕事も順調に増え、二人とも頻繁に帰国している。だから、日本では事務所かわりにこのマンションを使い、優一さんが事務管理一切を取り計らっている。
 まさに俺の屍を越えて行け状態…いや、優一さんはご健在だが。

「しかし、慧一も紫乃くんも35。四捨五入すれば40だ。世間的には家庭人でもおかしくないんだろうけどなあ~」
 ソファに座り、一服する優一さんが何気なく言葉を吐いた。
「父さん、嫌味たらしいことを言うなよ。慧一も紫乃も男にしか興味がないんだから、家族持ちになれるわけないだろ。だからってそれが何だっていうのさ。結婚すれば幸せになるとは限らない。それに跡継ぎの為の子供がいたからって、この世の中だ。まっとうに育てるのは簡単じゃない。大事なことは父さんの愛する家族が幸せに生きているかどうかだろ?もし、父さんが俺達の本当の幸せを願うのなら、自分の勝手な夢を押し付けるのは不毛だよ」
「…言葉もないな」
 凛一と慧一の親父は、わかっているというように、肩を竦ませた。
 俺と慧一も顔を見合わせて苦笑する。
 こういう凛一には絶対敵わないと思い知らされる。
「はい、兄さん達、ワコさん特製のケーキをお食べ」
 目の前に差し出されたケーキを黙って食うしかない。

「それはそうと、学校のチャペルは出来上がったんだろ?」
「うん、竣工式も終わったし、お盆明けに慧一がデザインした体育館とも兼ねて盛大に落成の祭式をやるんだよね?紫乃」「ああ、らしいな」「街を上げてのお祭りみたいにするんだって。色んな催し物も予定されてる」「それじゃ、私達も行ってもいいの?」「勿論だよ、ワコさん。歓迎するよ。あ、ケーキ焼いておすそ分けしてあげてよ。みんな喜ぶから」「わあ、楽しそう、じゃあ、頑張って沢山作って持っていくわ」「お願いします」「紫乃君、とっておきの大吟醸があるんだが、飲まないか?」「はい、頂きます」「慧一はザルだし、凛一は酒に弱いし…美味しく飲める相手はワコさんか紫乃君ぐらいだ」「調子いいなあ~、ひとしきり飲んだら、すぐに寝ちまうクセにさあ」「俺は明日にはニューヨークへ戻るから、親父の相手は紫乃の任せるよ」「ほら、いつもこうだ。全く親父の威厳などうちには皆無だ」「専務にはいつもお世話になってますよ~」「名前だけのな」
 本音を言えば宿禰家は居心地がいい。本当の家族の団欒を味わえる。
 京都の実家には、たまに帰ることもあるが、心から歓迎してくれる者などいない。勿論それを恨みに思うこともない程、こちらも歳を取ったのだが…


 新築された教会堂での初めての奉神礼が厳かに執り行われた。
 正教会の司祭たちの説教や薫り高き香炉が振りまかれ、教会の鐘の音がいつまでも鳴り渡った。
 パイプオルガンの音に合わせて賛美歌を歌い終わり、なごやかな歓談が続いた。
 大勢の賓客の中に、凛一や慧一の姿が見えた。それぞれに忙しく客の挨拶を受けている。
 ふと凛一の傍に近づいてくる姿を見た。
 凛一の高校時代の恋人だった水川青弥だ。
 稀に見る優等生だった彼は、将来のエリートへの道を捨て、画家になった。
 昨年末、彼と彼の仲間の展覧会へ行った。
 水川は良い絵を描いていた。「愛する者」を描いた絵だった。
 「愛する者」とは宿禰凛一のことだ。
 にこやかに笑いあうふたりの姿を見て、なんとも言えない気持ちになった。

 教会を出ると、冷房で冷めた身体から、蒸した熱気であっという間に汗が滲みだした。
 教会を外側から眺めた。
 凛一が設計した教会の壁は薄いクリーム色から先端にかけて淡いレンガ色のグラディエーションに彩られ、空の色が何色になってもやわらかく包み込むような色彩だ。
 デザインは少し丸みを帯びた後期ルネサンスの形式を取っていると言う。少々変わった作風でもあるが凛一らしいと言えるだろう。
 どちらにしても凛一の作品はいつまでもここに存在していくんだ。

「紫乃、暑くないか?ほら、お茶」
 慧一が俺に近づいてきた。
 受け取ったペットボトルを開け、冷えた液体を喉に流し込んだ。
「どうした?なんか気に障ることでもあったのか?」
「え?どうして」
「そんな顔してるから」
「…おまえは気にならないのか?」
「何が?」
「あいつらだよ」
 凛一の永遠の恋人は慧一のはずだ。だからこそ、俺はこいつを諦められたんだ。
 自分の命を捨てても構わないくらいに恋い慕う凛一が、元の恋人とにこやかに談笑しているのを、平気で眺められる慧一じゃないだろう。

「ああ、凛と水川くんの事か…」
「…」
「彼の絵を見た?」
「見た」
 水川の展覧会でひときわ目立った作品があった。
 「目覚め」という凛一をモデルにした油絵だ。その絵がこの教会の壁に飾ってある。
「この教会はこの学院出身者の色々な作品を展示する空間を作るため、側廊を二重にしてるんだ。水川君の絵は鳴海先生のたっての希望だったから、一番目立つところに展示したんだよ」
「だからって…今更ふたりを認めるつもりなのか?」
「おまえが怒る事かよ」
「…」
「心配してくれてありがとう、紫乃」
「心配してるわけじゃない。ただ俺は…」
 慧一は俺の腕を取り、教会の影へと導いた。
「ほら、あのウリエルを見たか?」
 教会の尖塔には、以前と変わらずにウリエルのブロンズ像が建っている。
 前とは違って新しく仕立てた像は剣を振りかざすのではなく、中央の花壇にあるヨハネ像に目をむけ手をかざしている。
「あれは、俺のボスでパトリック・ネヴィルという芸術家が凛一をモデルにして創ったんだ。ネヴィルは凛を天使と呼んでいるからね」
「ロクでもねえ」
「よく見るとあのウリエルはどことなく凛に似ている」
「そのうち天雷でも落ちるんじゃないか」
「それはありえる話だよ。あれは避雷針も兼ねてるから」
 慧一の言葉にお互い顔を見合わせて笑った。

「凛のことはあまり気に病むな。あれは誰がどう言おうと自分の好きに生きていく者だ。それに…俺自身にも迷いは無いんだよ。凛を愛し続けることが俺の幸せだと知っているからね」
「凛一は横暴だ。もう子供じゃないんだ。おまえの身になってもいいだろう」
「紫乃、本当の恋をする者に、恋をするなと言うのか?俺の他は誰も好きになるなと縛るのか?人の恋路を邪魔するものは…だろ?」
「だからって」
「…愛しているからこそ許せるんだよ」
「許せる?」
「…凛が言うんだ。これからも水川くんと永遠の恋を続けていくだろうって。純愛と名づけたそれは、綺麗な恋物語を綴っていくだろう…って。俺もその過程を結末を見つめていたいと思うようになった。凛は決して俺を裏切らないし、俺の傍を離れる事はない。…愛しあっている。…そして凛の想いは自由だ」
「それをも許すのか?」
「ああ、そうだよ」
「俺にはわからねえな」
「紫乃は充分にわかってるさ。…今でも俺を愛しているだろ?」
「な、ん…」
「だけどそれはノスタルジーだな。俺は紫乃の優しさが好きだよ。幸せになって欲しい。恋人が出来たからって俺への想いを捨てなくてもいいさ。俺を好きなままでいいから、恋をしろよ」
「…兄弟揃ってうぬぼれも格別だな」
「そういう星の元に生まれついたんだろう」
「恋か…」
「ああ、そうだよ、紫乃。折角の美貌だ。分別臭いおっさんにはなるなよ」
「その言葉、そっくりおまえに返すよ」
 太陽は頂上にあり、おしみなく光を授ける。
 すべてを受け取るのは容易ではない。
 光を受ける逆の面は必ず影があるということだ。
 慧一の言うノスタルジーとは、この影のことかも知れない。


 九月、新学期が始まった。
 二年を受け持っている俺は、二学期は大きな行事は体育祭ぐらいで、比較的余裕がある。
 国語準備室で数人の教師と談話していたら、教頭がやってきた。
「藤宮先生、この間話していた教育実習生が挨拶に来たので紹介します」
「あ、はい」
 そういやそんなことを言ってたな。
 毎年、2、3人程、この学院でも教育実習生を受け入れている。ほとんどがこの学院の卒業生か、付属大学からの学生だ。

「聖ヨハネ学院大学からの実習生です。千葉君、入りなさい」
 …チバ
 嫌な予感しかしない。
 戸が開けられ、覚えのある背格好と爽やかな笑顔を持った男が現れた。
「初めまして、千葉啓介です。よろしくお願いし……し…のぉ…?」
 にこやかに笑う顔が、俺を見て、目が点になる。ポカンと開いた口が、言葉を失った。

 まさにめぐり合う魂だ…

 これが天啓というのか?
 これが天の定めた運命の相手なのか?
 俺はこいつを選ばなきゃならないのか?
 俺はこいつと恋をするの…か?
 胸に手を当てた。
 ときめきを示す動悸など一切ない。
 …無理なんじゃね?
 俺は苦笑いをする。

 なあ、慧一、俺、まだしばらくノスタルジーに引き篭もっていてもいいか?




千葉啓介

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「トーマの心臓」 - 2011.01.25 Tue

滅多に描かない版権。

今回は「トーマの心臓」ユーリとオスカー。

勿論マネではなく、私の絵柄で描いてますので、イメージを壊されたファンの方にはごめんチャイ(m´・ω・`)m

ユーリとオスカー1

ユーリは神学校へ行き、そこから二年ぐらい経った感じでしょうか。
16,7歳。
オスカーも自分の進路に悩んでいる頃。
そして、夏休み、毎年ユーリに会いにいくオスカーはあるたくらみを企てた。

「帰郷」

なんていう、話を今勝手に思いついたまでで、なんも無い。


こちらは精一杯真似しながらも、変則的にしたオスカー。
まあ、オスカーは絵になる男だし、美人さんだし、女顔だし。
ユーリの方が描くのは難しいよ。

オスカーライザー

絵ばっか描いてないで、テキストも進めろって?
…だよね~(;´▽`A``



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恋する紫乃さん…(; ・`д・´) - 2011.01.24 Mon

大体紫乃を真面目に描こうと思ったことが余り無いので、描こうとするとかなり戸惑う…

35の男ってどんな感じ?
もっとおっさん臭くした方が良いのかしら~?と、思ったけど、
TVで出てる俳優さんの35ぐらいは若いと思うので、紫乃も若作りに励む。

左下の部分に千葉君を入れる予定。それで表紙が完成。

表紙
髪型は凛一に似てるから、瞳の描き方などで描き分け。
自信満々の凛と違って、どっか不安気で儚げ?wwな紫乃さんの
恋の行方は…?


う~ん、追い込まれないと書かないので、まだ更新できねえ~(;´∀`)




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藤宮紫乃編 「Sonnet」 2 - 2011.01.22 Sat

2.
 頭痛に耐え切れず、目を開けたら、辺りはやんわりと明るかった。
 次に萌黄色のシーツが見え、裸の自分がそのシーツの上に寝そべっていることが判明した。

 …なに?なに?
 一体…どうした、俺。
 ボケた頭をフル回転すべき、仰向けになって天井を見つめた。
 昨日…慧一の誕生日パーティでかなり飲んだ記憶は確かにある。
 それから店から出て…道に寝転んで、こんな風に天上を…星を見た…見た、のか?
 それで、誰かが俺を抱えて…
「大丈夫か?そこのホテルで休もうか?」って、言うから「いいとも」…と、応えた…気がする。

 …まさか…
 飛び起きたつもりで、上半身を起したら、頭と腰に激痛が走った。
「いてーっ!」
 思わず、頭を抱え込む。
 頭の痛みはわかる。これはいわゆる二日酔いだ。だが、この腰のダルさはなんだ。
 それになんだか…奥の方も…痛い…
 え?…まさか、俺、しちゃったの?しかも、入れられた?
「ま、じで?」
 いや、自分の身体だから何をされたのかははっきりわかるし、こんなことで取り乱すほど、俺も若くはない。
 だが普段遊ぶにしても、タチ一辺倒でやってきた俺が、見ず知らずの奴と寝て、掘られるなんてこと…滅多に、つうか、ほとんどないぞ。
 第一、相手の顔が全く浮かんでこねえ~
「サイアクだ、これ」

 ガチャリとドアの開く音が聞こえ、バスタオルを腰に巻いた男が濡れた髪を拭きながら出てきた。

keisuke22


「あ、紫乃、おはよう。シャワーでも浴びてくれば?」
「…」
「空も青いし、気持ちの良い朝だね~」
「…あの」
「うん?」
「あんた誰?」
「え?…もしかしたら酔っ払って覚えてないの?」
「全面的にこちらに非があったと思うが…全く覚えがない」
「紫乃が俺を誘ったんだよ。身体つきが好みだからやろうって」
「…」
 名前を呼び捨てにされたことさえ、腹も立たない。たぶん、俺がそう呼んでくれと言ったに違いないのだ。
 まさにこいつのガタイが俺の好みであるのは否定できない要素だった。
 
「それに、俺をケイって何度も呼ぶから、俺もその気になったんだけど…」
「…すまん」
 そう、慧一と間違えていたんだ。たぶん…完璧にそう。あのシチュエーションからすると、そうなることも予想できた。
 しかし、そこまで悪酔いしていたのか…しばらく酒は御免こうむる。

「赤の他人のあんたを、全くもって勝手につき合わせてしまった」
 日頃の悪癖だとさすがに自己嫌悪に陥った。
「そんなに謝られても…別に俺は…楽しんだからいいんだ。それに俺、紫乃のこと気に入ったし…」
「え?」
「ね、セックスの相性も良かったし、これも何かの縁かもしれないからさあ、俺達付き合ってみない?」
「…」
 ベッドの端に腰掛けた俺の真正面にいる男をしげしげと見つめた。
 決まった相手は居なくてもこう見えても俺は、遊ぶ相手に困ったことはない。別段付き合いたい相手も探してはいない。
 よく見たら、まだ若造じゃないか。
 体格は慧一並みに整ってはいるが、童顔の顔がなんともアンバランス。目がデカイとかそういうんじゃなくて、なんかこう…愛玩動物っぽい、俺も最も苦手とする分類。つうか、そういう奴らを学校で嫌と言うほど見ているから、条件反射的に手を出しちゃならんという、職業意識に駆られるというか…
 一見大学生か、社会人成り立てか…まさか高校生じゃないだろうが。

「おまえ、歳幾つだ?」
「え?ああ、自己紹介ね。千葉啓介、22歳。聖ヨハネ学院大学の三年生です」
「…」
 驚きすぎて声が出なかった。
 なんか色々突っ込みどころがありすぎるが、なんといっても13下の奴に抱かれた事実は、いかんともしがたい。
 しかも、名前はけい、すけ…すけはどうでもいいが、けいは駄目だ。まだ傷は癒えていない。それに聖ヨハネって…不吉なキーワードが多すぎるだろう。
 こういう奴とは、深みに嵌って縁など結ぶと、後々ロクなことにならない。

「紫乃は?紫乃の方も教えてよ」
 無邪気な顔を近づけて、俺の頬を撫でる仕草に苛立つ。
 俺は撫でる手を払いのけて、無言でベッドから出た。
 下着を着けシャツを羽織る。

「聞かない方がいい」
「なんで?」
「おまえよりも年上だからだ」
「それはわかるよ。でも俺、年上が好みなんだ。紫乃はすごく綺麗だし、年上って言っても、25,6だろ?」
 25.6と言われて、嬉しく思わないわけでもなかったが、それを有り難がるほど、こっちも落ちぶれてはいない。

「ヘイ、ボーイ。残念だが俺は今年で35になるおっさんだ。こんなおっさんが相手で本当に気の毒だったと謝るが、一夜の悪夢と思って忘れてくれたまえ、勿論ここの代金は俺は持つ。これは一晩付き合ってくれたお礼だ」
 すっかり整った姿を鏡で確かめた。ズボンのポケットから財布を取り出し、三万円をテーブルに置いた。
「ちょっと待ってくれ。お金なんて要らない」
「悪く思わないで欲しい。酔っ払いを介抱して、おっさんを楽しませてくれたんだから、お礼をするのは当たり前だよ。千葉くん」
「…」
「本当にすまなかったよ」
「俺は…意に沿わなかったってこと?」
「…君は良い男だよ。俺なんかより、もっと若くて良い男を捜した方がいい。悪いが、仕事があるんだ。先に帰るけれど、君はゆっくりしていきたまえ」
 精算機で支払いを済ませ、部屋を後にした。
 まだ六時前。電車で鎌倉へ帰っても学校へは充分間に合う。
 ホテルの玄関を出て外観を眺めた。
 安価なものじゃなく、洒落たラブホテルだとわかった。
 わかったが、ここへは二度と来ることもねえなと、溜息を付き、俺は駅に急いだ。
 容赦なく、朝日が身体中に照りつける。
 今日もまた真夏日だろう。


 
「よう、紫乃。元気ないね」
 職場での俺の唯一の休憩所である国語準備室で一服やっていると、宿禰凛一が顔を見せた。
 凛一はここの生徒でもないし、先生でもないが、新しく建てた聖ヨハネ学院高校の教会堂の建設責任者として、今年の初めから、度々この学校へ顔を出している。
 凛一自身もここの卒業生だし、二年間、俺が担任だった。その縁を外しても、俺の人生にとって、切っても切れない関係だってことは、理解している。
 まだ26にしかならないガキが、一流の建築家におなりになるなんて…昔の担任の俺としては、鼻が高いと自慢になるかもしれないけれど、相手が相手なだけに素直に喜べるわけでもない。

「昨晩は兄の誕生日パーティへ来てくれてありがとう。慧一も喜んでたよ」
「…」
 綺麗な顔でこういう言い方をされると、誰でもにやけて喜ぶだろうが…奴がこういう顔をする時は、絶対に気を許してはならない。
「紫乃はあれから、どうしたの?酔っ払っていたから、俺、心配しちゃったよ」
 気色悪い言い方をするもんだ。大体おまえが俺の心配をするわけもねえだろう。
「別に…家に帰った」
 顔色も見ずに、手元の答案用紙の答え合わせを続ける。
「ふ~ん。家の灯りもついてなかったし、郵便受けに夕刊も手紙も入ったまんまだったよ」
「お、まえ、なんで俺のうちの…」
 手を止めて、思わず凛一の顔を見た。
「だって、ついでじゃん…紫乃、伊達眼鏡がずれてるぜ」
「るせっ…」
「眼鏡なしの方が、色っぽくて好みなんだがねえ~」
 俺の顔に手を伸ばして、掛けていた眼鏡を取り去り、自分の鼻に掛けて「似合う?」と、笑う。
「朝がえりのあんたがベランダから見えた。どこに行ってたんだ?」
「それに答える必要があるのか?」
「家族としては当然…あるね」
「…」
 勝手におまえの家族の一員にするなっ!

 確かに俺と宿禰家は同じマンションに住んでいる。それも今年の春先からだ。
 凛一の住むマンションは俺の勤めるこの学院から徒歩十分に位置する、セキリュティもしっかりしている高級マンションだ。
 俺はそれまで、ふた駅離れた賃貸マンションに住んでいて、そろそろ、自分の家でも買おうかと思っていた矢先、俺の話をどっからか聞き及んだ凛一が、自分のマンションの9階の住人が、売りたがっているという話を持ってきた。
「中木さんっていうお年寄り夫婦だったの。俺、凄くかわいがって貰っていたんだけど、昨年の秋におじいさんが亡くなってね。それでおばあさんは息子さんのところに行く事になって、『この家を売りたいけど、見ず知らずの人には売りたくないから、凛ちゃんの知ってる方を紹介してくださる?』って、頼まれたの。で、紫乃にどうかと思って~」と、まさにラファエッロのマリアごとく、俺に微笑むわけだ。
 その天からの御託に、愚かな一粒の麦でしかない俺はただ頭を垂れるしかない。
 いや、そりゃ、俺も一応は反論したし、精一杯逆らってはみた。
 しかし、凛一の後ろにもっとも巨大な魔王みたいな奴が居て、そいつが「紫乃が俺達のマンションに来てくれたら、俺も嬉しいよ。なにかあったら紫乃を頼ってしまうかもしれないけれど、それはお互い様だな。これから先も紫乃とは家族同然の付き合いを望みたい」
 慧一の悪魔の言葉に乗せられ、いつの間にか俺には書類にサインをしていた…

 と、言う笑い話だ。
 結局住んでみると、凛一たちの家は慧一や凛一よりもその両親の住居と化していて、あいつらはたまにしか帰ってこない。したがって、必然的に俺はあいつらの両親との付き合いが多くなる。
「食いっぱぐれがなくて良かったねえ~」と、凛一はせせら笑う。
「体よく、てめーらの代わりに親の面倒をみさせやがって」
「ワコさんも料理の腕を揮えるし、親父もいい将棋の相手が出来たと喜んでいるよ。紫乃も親が居ないから、親代わりに甘えればいいじゃん。俺達も紫乃が両親の傍に居てくれれば安心だしね~」
「初めからそれが目的だったんだろっ!」
「お互いに幸せでいられれば最高だろ?俺達はみんな紫乃が大好きだもんね」
 そう言って、凛一は俺の頬にキスをする。

「あ、キスマーク見っけ!」
「え?」
「へえ…それで朝帰りだったわけね」
 ニタリと笑う凛一は、地獄の公爵と化す。


凛一フォト3

「Sonnet」 1へ/ 3へ

更新は週二回が限度です(; ・`д・´)



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紫乃の恋人 - 2011.01.19 Wed

さて、紫乃のお相手となるはず…の男を紹介しよう。

千葉啓介

千葉啓介。22歳。聖ヨハネ学院大学の三年生だ。
顔は…紫乃の苦手のジャニ系かわいこちゃんだが、性格はかなりの純粋バカ。
背格好だけは慧一に似ているが、性格も顔も全く似るところはない。
13近く違う恋模様はどうなるのかなあ~(;´∀`)



がんばる…\(つもり)/






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藤宮紫乃編 「Sonnet」 1 - 2011.01.17 Mon

紫乃22
 

Sonnet(十四行詩)

1、
 ひとり座ってうるわしく静かに
 過去を憶いおこして考えると
 私が望んだ多くのものにありつけなかったことを悲しむ
 昔の不幸を憶い 新たに私の懐かしい日々を歎く
 死の果てしない夜に かくれた貴い友達のために
 滅多に泣かないまなこも 涙に溺れるほどだ
 また長く忘れていた愛の悩みも 新たに歎かれる
 私を犠牲にした多くの過ぎた幻影を悼まれる
 それに過ぎ去った悲しみも悲しめる
 すでに悲しまれた多くの悲しみの悲しい勘定を
 憂鬱に不幸から不幸へと数えあげる
 まだ不払いの勘定のように 新たに支払われる。

  親しい友よ、こんな時でも君を思うと
  すべての損失は償われ、私の悲しみは終わるのだ。

      W.シェークスピア
 

 夏が嫌いなのはいつからだったか覚えていない。
 日中のそれは言うまでも無く、
 夜になってもこの蒸し暑さときたら、昼間の疲れを倍増させる気でいるらしい。
 ついで星ひとつ見えない都内のみすぼらしさに、当然ロマンなど探せそうもない。
 やっと着いた終点の重い扉を開ける。

「紫乃、おそ~い」
 都会に彷徨い出でた天使のごとき彼が、手を招く。
「悪い。仕事が片付かなかったんだ」
「疲れた顔してる。まあ、座りなよ。今晩の主役がお待ちかねだよ」
「…」
 主役ねえ…
 その主役が中央のソファに座って、俺へにっこりと微笑む。
 俺は仕方なしに「誕生日おめでとう」と、声を掛ける。
「ありがとう、紫乃。仕事で疲れているのに悪かったな。ゆっくり寛いでくれ」
 BGMはいつものジャズが流れるが、辺りを見回して、常連の客しか見えないことに気づく。
「おまえの誕生日の為に、わざわざ貸切なのか?」
「今日は店休日なんだが、慧一くんの誕生日の為にわざわざ開けたんだよ、紫乃くん」
 オーナーの嶌谷さん直々の丁寧な挨拶を受け、用意された座へ腰を下ろす。

「夏休みなのに先生は仕事なのかい?」
「夏休みでも生徒は補習。先生は授業があるんですよ。受験生なんてバケーションどころじゃない」
「大変だねえ~」
「はい、センセ。ビールでもどうぞ~」
 なぜか主役の真正面へ座らされた俺に、いつもの常連客が次々とおしぼりやら料理を取り分けた皿などを差し出す。
「まずはシャンパンで乾杯など」と、主役の隣りへ座る堕天使の凛一がシャンパングラスになみなみとドンペリを注ぐ。
「で、紫乃。慧一へのプレゼントは何?」
 凛一の性悪な瞳が俺を見つめる。しかもその質問に対しての俺の答えは…
「ない」
「へ?」
「忘れた…」
 これはマジだった。
 八月八日は慧一の誕生日。そんなこたあ、誰に聞かれなくても知っている。
 毎年毎年、俺はひとりででも慧一の誕生日を祝ってやっているんだからな。
 しかし…今夜のパーティは予想外であり、
 今日の夕方、凛一からの連絡で慧一の誕生日だったと気づき、プレゼントなど、全く頭に無かったのだ。

「紫乃、マジで慧一への誕生日プレゼント忘れたのか?」
「…ああ」
「信じられない~。俺なんか車だぜ。プレゼントしたの」
「凛、あまり紫乃を責めるなよ。それにプレゼントの車って言っても、こちら(日本)で使う仕事用だろ?経費で落しているし、凛も兼用じゃないか」
「それでも慧へのプレゼントです。なにも持ってこない紫乃とは、愛情の重みが違うよねえ~」
 いかにもわざとらしく嫌味を言う凛一を思い切り睨みつけても、悪魔の笑みでにこりと返され、力が抜ける。
 まあ、なんとでも言え。確かに手落ちの俺が悪い。
 言い訳をするなら、慧一の誕生日さえ思い出せないほど、仕事熱心だったと…通じねえな。

「まあ、今日は許してやるよ。しかし紫乃も歳だねえ~。慧一の誕生日も忘れるようじゃやもめ暮らしが心配だよ」
「ああ、どーせ、35の爺ぃですよ」
「紫乃はまだ34だろ?35の爺は俺だよ」
「慧一くんや紫乃くんが爺なら俺たちはどうなるんだ?なあ、嶌谷さん」
「哀れな年金泥棒って言われないように、死ぬまで働くしかない身の上だろ?」
「あら、私はいつまでも乙女のミコシさんでいるわよ~」
「命短し恋せよ乙女、紅きくちびるあせぬ間に…ですよ、ミコシさん」
「もう、憎たらしい子なんだから。早く老いさらばえよって言ってるの?」
「違うよ。この詩の意味はね…今を精一杯生きろって意味なんだよ。ねえ、慧」
「うん。実はこの元になっている歌は『バッカスの唄』と言ってね。ルネサンスの豪華王として有名なロレンツォ・デ・メディチが残した詩なんだ。こういう話は紫乃の専門だよな」
「…青春とはなんと美しいものか
 またたく間に過ぎ去ってしまう
 愉しみたければ、さあ、すぐに
 たしかな明日などは、ないのだから…」
「ステキだわ~。青春は若者だけのものじゃないし、それを楽しまなきゃ損しちゃうわね~」
「そうだよ。今という時はただ通り過ぎていくだけ。それをどう使うのかが人それぞれだもの。今日は慧の誕生日だからね。みんなに幸せになってもらいたいんだ」
「凛くんがいるだけで、我が家はハッピーだね~、ねえ、マスター」
「ああ、凛一はうちの守護天使なんだ。永遠にね」
「まさに、永遠すら一瞬の彼方へ消え去るのが、時というもの」
「詩人だねえ」

 誰彼の顔も幸せに満ちている。
 慧一も凛一も…そして俺もそうでなければならない。
 だが何度飲み干しても、今日の酒は少し苦く感じた。

「じゃあ、俺は明日も仕事があるから…」
 席を立つ俺を、慧一が見送る。
「紫乃、今日は遠くからありがとう。本当に嬉しかった。おまえの誕生日には花束を贈るよ」
「35本か?」
「いや、抱えきれないほどの赤い薔薇だ」
「…」
 昔と変わらない笑みを見せる慧一が、愛おしい。

 とっくに日は跨いでいた。
 深夜二時。俺は「Satyri」の店を出た。
「紫乃、足取りふらついてるし、俺、送っていくよ」
 外まで追っかけてきた凛一が俺を気遣う。
 ムカつく奴だが、こういうところが憎めない。それも計算なら、俺の負けだろうが。
「ばーか。今日は慧一の誕生日なんだから、傍にいてやれよ。それが一番あいつが欲しいプレゼントだろう」
「…いつだって、そうやって、紫乃は慧一を一番に想ってくれているのにね。兄の非礼を許してやってよ」
「これでも、おまえらの幸せを喜んでいるんだよ。そして、俺への気遣いもありがたく受け取っているさ。…凛一は、良い子だな」
「完全に酔っ払ってるね~紫乃。あんたが俺を褒めるなんてさ」
「いいじゃないか。たしかな明日はもうすぐそこだ。今のうちに楽しんでおけ。じゃあな」
「バイ、紫乃。気をつけて…」

 手を振る凛一に応えて、俺は角を曲がった。
 そのまま大通りに出て、そしてタクシーに乗って我が家へ帰る。
 いつものパターンを取るべきだった。明日も朝から仕事なんだから。
 それなのに、路地を曲がったところで足元がふらついた。
 前を歩いているカップルを避けようとして、足をとられ壁へ激突、そのまま地面に崩れ落ちた。

 仰向けになった俺は、星の無い空に星を夢見ていた。
 昔、慧一と一緒に見た無数の星空を思った。
 俺の青春はあれだったのだ。
 あれでしかなかった。
 だからって今を嘆く気もない。
 俺は幸せだ。こんなに人を思う気持ちが俺の中にあるのだから。

「慧一、35歳の誕生日おめでとう。俺もすぐに追いつくさ。いつだって並んで歩ける距離でいられる…そうだろ?…慧…」
 そのまま、目を閉じた。
 何故なら、幸せな気分だったし、立つ事もままならぬ状態だったからだ。

「大丈夫か?」
「ああ…大丈夫だよ、慧一…」
「大丈夫に見えねえし。このままだと誰かにぼこられるよ」
「…うん、わかって…るし…慧…」
「…なんで俺の名前、知ってるわけ?」
「知らん。慧…は慧…だ…」

 それが誰の腕なんかはどうでも良かった。
 足元もおぼつかない俺を抱きかかえるように連れ去る人よ。
 あの星の彼方まで連れてゆくがいい。
 そして心から祝わせてくれ。 
 すべての祝福をあの男へともたらし給え、と…





「Sonnet」 2へ


今年の初書きテキストです。 
今日午後、三時間弱で書いたんだが…なんかもうね…すまんね(;´Д`A ```って感じ。

各キャラの誕生日をもう一度、確認。(多少、変わりました~)
慧一…1982.8.8
紫乃…1982.11.18
凛一…1991.4.14
ミナ…1992.3.14


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フリー絵。「グローリア」 - 2011.01.16 Sun

フリー絵です。
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クリスマスに間に合わせようとしたが、間に合わなかったの。
さっき描いたの(;´∀`)


冬空


ずっと前にアナログで描いてた奴を描き直した。
やっぱり時が経つほど、自分の思うように描ける気がする。

クリスマスの夜、天からの恵みの光を受け取る。
とも取れるが、ただぬくもりを分かち合う二人でもいい。
缶コーヒーを持っているところがミソ。
それだけで幸せになれるという…ね~

fuyusora22.jpg

どっちが攻めでどっちが受けか、一見わからないカップルが好みです。
私は決めてますけどね。


ちょっと絵描きモードに入っている為、テキスト進まず。
頭では出来ていても、文章にできず。
絵を描きながら文章を書く技はないものかねえ~

紫乃編は月曜以降へ持ち越し。
まあね、挿絵もいるから仕方ないよね(;^ω^)





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フリー絵。「冬の空」 - 2011.01.13 Thu

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down56.jpg

二、三年前に描いたイラスト。
ダウンの質感が自分で気に入っていたんだよね~
ファイルを漁っていたら、出てきたので。
背景は自分で撮ったフォト。
顔はまだあどけない表情ですなあ~
髪の毛も今よりかなり適当ですけどね(;´∀`)

何年か経ってこうやって見直すのも、勉強にもなるし、自分の当時の精一杯がわかって愛おしくもなるね~

ああ、そうだ。今、トーマの心臓に嵌ってて、(今更かよっ)そのうち自分で描いたキャラ達をお見せできるかも知れないです。
実はオスカーやユーリを描くのは初めてなので、自分でもどんな感じになるのか楽しみなんだよね。

…あ~!月魚もまだ色塗ってなかったんだ~・・・(゜_゜i)タラー・・・早く描かねば






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新春座談会 - 2011.01.11 Tue

座談会


凛一…せーの

全員…明けまして、おめでとうございますっ!

紫乃…さて、二年間連載された「green house」も先の年末で無事…終わったわけだが、せっかくの新年企画として、4人での座談会となった。

凛一…なんで、紫乃が仕切ってるんだ?

紫乃…立場上、そうなるしかねーだろ。ガタガタ言うな。まず、終わっての今の感想を言え。

凛一…なんでえらそ~なんだ?ま、いーけど。感想かあ…あ、俺、モテまくりで愛されすぎて、困っちゃったよ~やっぱり美しさは罪なんだなあ~って、ほとほと感じ入った次第だよ。

ミナ…なんで、こんな奴好きになっちゃったんだろう…って、つくづく感じてるよ…つか、おれ一番可哀相なキャラじゃないか?結局、リンも慧一さんに取られちゃったしさあ~

慧一…いや、可哀相っていうなら俺の他にはない。ずっと愛してきてやっとモノにできたと思った凛は、一緒には暮してはいけるが、心の中ではミナ君の事を想い続けているんだから、俺としては不本意だ。というか、すげえ可哀相…

凛一…違うね。ふたりから愛されて、選べないというか、どっちも選ぶしかなかった俺が一番可哀相だろ?そう思わねえ?

紫乃…おまえら不幸自慢はヤメロ!それを言ったら…俺の立場はどうなる?

凛、慧、ミナ…いやいやいや…悪い悪いwww

紫乃…(あ~気分悪)じゃあ、本編で自分が一番気に入っているシーンがあったら言ってくれ。

凛一…俺わね~

紫乃…あ~おまえは後。先に水川からどうぞ。

ミナ…おれは…なんだろ…えっと、リンと初めて結ばれた時かな~なんか全部が初めてでめちゃくちゃドキドキした。リンが好きだなあ~って、すごく自分で感じた瞬間だったし…

凛一…ミナがウブでめちゃかわいかったもんね~。それから考えると…いや~ミナは成長した!

ミナ…バカ、やーらしい顔で言うなっ!恥ずかしいじゃないか。

凛一…真っ赤になっちゃって~25になってもミナはかわいいねえ~

慧一…俺の番でいいか?(憮然)

ミナ…あ、はい、どうぞ。(怖い…)

慧一…俺が気に入ると言うか、印象に残っているのは、凛一に告白するシーンもそうだが、ずっと凛への想いを抱え込んでいて、自分でもどうしようもなくて…凛を探しに月村の別荘へ行く時、嶌谷さんの車の中で、初めて他人に自分の気持ちを打ち明けるんだけど、あれで随分自分の気持ちが整理された気がして、救われたんだ。だから、あのシーンだな。

紫乃…ちょっと待てよ。そのずっと前から俺はおまえから、凛一への気持ちは聞いてたしっ!

慧一……そうだったか?俺、おまえに話したの?

紫乃…そうだよっ!おまえはいつだって悶々としてたから、心配してたじゃないか。

慧一…あんま印象ねえな。

紫乃…(こいつサイテーな野郎だ)…

凛一…まあ、慧はいつだって悶々としてるもんね。そこが慧らしいじゃん。

慧一…褒めてるのか?

凛一…そう。

慧一…そうか…(照れる)

紫乃、ミナ…(褒めてねえよ)

凛一…じゃあ、俺ね。俺はミナとの初Hも慧一との初Hもすげえ心に残っているけど、あんね~…梓が死んじゃってからの中学時代って、慧とも疎遠になってて結構俺、不遇な身の上じゃん。嶌谷さん達と出会って、まあ救われたけど、月村さんの死でまた落ち込んだりして…でも、あれをきっかけに慧一が俺の傍に居てくれて…そんで、高校生活が始まるわけ。そこで初めて恋を経験する。なんだかね、それまで大人に囲まれてた自分が、等身大の恋に目覚めて、ミナをどう自分のものにするか、ワクワクしながら高校生活を楽しんでるんだよね。家に帰れば慧が居てくれるし…精神的な不安がないあの時期の自分がすごくかわいいというか…心に残る時期なんだよね~

ミナ…恋に精一杯生きてるって気がしてたんだよね。

凛一…うん、なんか必死だったの。その後、慧の想いを知ってから、結構俺なりに悩んだから、知らなかったあの頃の俺が、アホでもかわいいんだよ。今考えれば、慧には悪かった気もするけどね~

慧一…そんなことはないよ。俺がそれを願ったんだから凛に罪はない。

紫乃…またそれかよ…俺も読者もおまえの自虐発言はいい加減聞き飽きた。

凛一…慧はそこがいいんだよ。そんで、その最初の頃の俺と、最後のミナとの別れのシーンを比べると、十年近く経っているのに、ミナとの会話が変わらないのが嬉しくてね。ちゃんと最後まで俺達らしかったのが嬉しかった。

ミナ…でもあの最後のシーンって嘘だらけなんだよね。お互いに嘘の部分と本音の部分が交じり合って、純粋だけど複雑な感じがした。

凛一…そうだね…お互い別々の道を歩くしかないってわかっていながら「さよなら」が言いたくなくて、やっぱり「愛してる」って言ってしまう悲しさと喜びがうまく伝えられればいいんだけどね~

ミナ…でも、おれは、これからもずっとリンに恋して良いんだと許された気がして、嬉しかった。

凛一…俺もたぶんこれから先どっかでミナに出会ったら、またキスしたり抱き締めたりHしたりするんだろうなあ~って思ったけどね~

ミナ…それしないって誓ったじゃん。

凛一…だから嘘付いてたって言ってる。俺はいつだって欲求には正直だもん。

紫乃…正直だから許されるわけじゃあねえよ。バカ野郎。お前のその行動が慧一を悲しませるんだろうが~

慧一…いや、ミナ君への凛の気持ちは本物だし、俺より先に凛はミナ君を見つけたんだから、仕方がないと割り切ることにしている。手放しで喜ぶことは出来ないけど、認めざるを得ないって感じだよ。

凛一…な、ミナ。慧一はちゃんとわかってくれてるだろ?

ミナ…あ、りがとございます(認められてる…うるっ)

慧一…だからって繁盛に会うのは許したくない。年に一回程度だ。

凛一…何?その具体的な数字と軽いいじめ的な制裁。でもなんか牽牛と織女みたいでいいかも~たまに会うほうが燃えるしね~ミナ。

ミナ…そうなの?(つーか、あんだけ最後のシーンではもう次はない感じだったのに、いいんかいっ!)

凛一…じゃあ、最後に紫乃は?

紫乃…俺?

慧一…紫乃の一番印象に残るシーンだよ。

紫乃…俺…なんかあったかな…思い出は悲しいことばかりで…(ノД`)シクシク

凛一…ああ、地雷踏んだ…まあ、紫乃はこれからだしな。

慧一…紫乃編では大恋愛をする予定なんだろ?

ミナ…先生、頑張ってください。微力ながら応援しますから。

凛一…俺も慧も色々と力になってやっから、安心しろ。

紫乃…おまえらだけには関わって欲しくないんだがね。つーか、35になる俺に大恋愛もねえだろ。

慧一…いやいやわからんよ。渋いダンディなおっさんか…

凛一…かわいいMっ子高校生か…

ミナ…はたまた先生同士か…

紫乃…人の事だと思って適当なこと言いやがって…えー加減にせいっ!ヽ(`Д´)ノプンプン

凛一…と、言うわけで~オチもないまま、新春座談会を終わります~またどっかで会えたらよろしく!(^▽^)/





年は食っても成長しないキャラ達でした~(;´∀`)
紫乃編も日にちを決めるでもなく適当にやるので、暇な時は読んでやってください。
いや、まだ一文字も書いてないし…(;・∀・)




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フリー絵。「はねっかえり」 - 2011.01.07 Fri

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yokogao.jpg

性格も髪もはねっかえりの受けには、ちょっとSでいじわるな攻めが似合うと思う…けどね(;^ω^)
トリミングや、顔だけが欲しいと言われる方は、どうぞ遠慮なく。


yokogao11.jpg

ごちゃごちゃしているけど、ポップな感じを狙いたかったので。
軽妙な恋物語の表紙にはいいかもしれないね。


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え?…お、俺、主役? - 2011.01.05 Wed

今年の初描きは「藤宮紫乃」さんでした~(;^ω^)

さすがに紫乃さんも慣れないものであせっております。

紫乃

凛慧ミナ紫乃の4人の座談会をして、それから、紫乃編へ。

そうです~紫乃の恋愛編が…始まる…
君、主役…大丈夫か?


私も不安である(;・∀・)




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明けましておめでとう - 2011.01.02 Sun

皆様、

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。


年賀状56


今年もイラストに、テキストに精一杯頑張りたいと思っています。
…がんばれたら…の話ですが~(;^ω^)
正月をのんびり過ごしています。
来週になったら、ぼちぼちと始めましょうかねえ~

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