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2019-09

Simple 1 - 2008.10.23 Thu

久しぶりにハルとふたり、居酒屋で飲む羽目になった。
ハルは根っからの下戸なのだが、今日は「ミナト、付き合って」って、誘われた。
珍しいなと思ったら、付き合っていた女に振られたと聞かされた。
「俺、結構本気だったのに…」って、半泣き状態。…何度目だろ…

ハルはモテる。
昔っからモテてた。付き合う女の数も、俺なんかとは比べようも無いほど多い。
それも途切れる事無く付き合ってて、ひとつの恋が終ると、「えっ!もう別の女なの?」ってこっちがびっくりする。
聞いてみると、殆どが女の人の方から申し込まれるのを、ハルが受けているって構図で、ハルは来るもの拒まずの性格だ。
「好きでもないのに何で付き合うのか?」って聞いたら、「必死な顔して付き合って下さいってお願いされるわけよ。そんなん…興味ないからって、断れるわけねーじゃん。それに…本当に好きになるかもしんねぇし…運命の恋なんてな」
そりゃそうだけどさぁ…そう言ってるけど、半年も経たないうちに殆ど終ってるじゃん、おまえの運命の恋は。理由は…大体ねぇ、女の方が呆れるっつーか、飽きられるつーか…殆ど振られてるじゃん…

ハル本人は「何がなんだかわけわかんねぇ…」って頭項垂れるけど、俺はなんとなくわかる。
こいつは時々、時間や場所とか関係なく、思考がワープするの。目の前に誰がいようとも構わずに自分の世界にワープしちまうの。そんで帰って来ない時とかあるわけ。
なんかね、「私って一体どういう存在なのよっ!」って、女の人がキレるらしい。
わかる、その気持ち。俺はもう慣れたけど…
こいつのそういう所も慣れてしまえば、腹も立たない。
そう言う時はこっちも好きなところにワープすりゃいいの。そしたら「ミナト、俺の話聞けよっ」って怒るの。結構自己中だからね、ハルは。

で、別れた女の事とか泣き事なんかをごちゃごちゃ聞かされ、結構酔いも回ったところで、「で、おまえは?」って言われた。
どうしようと思ったけれど、「実はさ、俺もひと月前、彼女に振られて…」と、なった。
仕方ねぇ、ホントの事だ。
そんで、なんで振られたのっかって敗因がいまいち良くわかってねぇの。
確か、最後に会った時、溜息吐かれて「結局私じゃダメなのよねぇ」って、言われた。
意味わかんねぇ…
そんな訳で、ふたり振られた者同士、どんどんお酒が入って、只の酔っ払いになる。
「やっぱさ、最期はさっ、男同士の絆だよなっ!」
「そうそう、女なんかいらねぇし!」と、わあわあ捲くし立てて、そんで調子に乗って、
「俺、やっぱ付き合うんならハルがいいわ。おまえわぁ、俺のことぉ…一番わかっれくれてぇしぃ…」
ダメだ、口回ってない…けれど、それを聞いたハルはちょっとビックリして、俺を見て無言でいたから、俺なんかヤバイ事言ったか?って、少しうろたえ始めた頃、例の低い声でぼそっと…
「じゃあ、俺達付き合ってみよっか」って、ゆったの、ハルが。



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