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2019-09

Horizon 2 - 2016.08.02 Tue

 イラストはサムネイルでアップしております。
 大きく見たい方は、イラストをクリックしてくださいね。
 

この物語は、アニメ「ジョーカー・ゲーム」の二次創作です。
甘利、田崎の軽いBL要素入ってます。

田崎甘利3-1

甘利は田崎よりも二歳上だ。
強烈な個性を持った他のD機関員とは違い、甘利は面倒見も良く、人の調子に合わせることすら全く苦にしない。そのくせ、何があろうと動じない肝の太さがある。
なにより田崎が羨ましいと思うのは、天然のポジティブ思考だ。

甘利の傍に居ると、悲観的にならなくていい。

そんな甘利を羨ましいと思う時もあった。
勿論、頻繁に会う機会も無い為、田崎の甘利の見立てに確信はないのだが。
だが、今、自分と同じように、死んでいった三好を偲ぶ甘利に、田崎の心は和らいだ。

三好は満足して死んでいったのだろうか…

え?

そりゃスパイマスターとしては、完璧だったんだろうけれど、人として…。名前すら知らないけれど、本当の三好は…遠い異国で誰にも、欠片の骨も拾われず、たったひとりで土の中だ。それって…
なあ、俺達は素性も知らない仲間だが、一人一人の人生はあったはずだ。生まれ育った家族や家、恋人や友人…それは俺達の人格を形成していったはずだ。スパイとなり偽の人格を与えられたとしても、生きてきた過去を消す必要もないと思うんだ。
三好の家族は、三好の死をどう思うのだろうな…。
スパイがそんなつまらないものに囚われるな、と、結城中佐は叱責するだろうが、死んだ者に敬意を払うぐらいは許されないだろうか。

田崎は意外と家族思いなんだな。

家族には感謝しているよ。産み育ててくれたから、今の俺がいる。

中佐はわかっているんじゃないかな。三好の思いも俺達がこんな風に思う事も。だけど、優しい言葉をかけてやれるほど、今の日本は余裕がないんだよ。

すべてはお国の為か…。国を守るって一体何なんだろうな。一体俺達はどこに向かって走ればいいんだろうなあ…

田崎、実は俺、明後日にはアメリカへ発つ。

アメリカ?西海岸か?

いや、ニューヨークを拠点に、結構な…まあ、重大機密事項とやらを探れとさ。

東は外務省の管轄じゃないのか?

あいつらの諜報なんさ、穴ばかりでどうしようもないらしくてね。まあ、揉め事になるのはこちらも面倒だから、あくまでも裏の裏での任務って事だ。

貴様なら上手くやるだろうけどな。

簡単に言ってくれるなよ。こう見えて結構小心者なんだぜ。

まさか。

今だって、落ち込んでる仲間にどうやって元気づけてよいものやら…。相手は切れ者のクールガイで、人に全く頼る気など更々ございません、ってな具合の強者だ。俺なんか必要ない、って、無視されそうで怖いね。

甘利の方がよっぽど…怖くせに…


「D機関」での一年の養成期間中、選ばれた学生たちは、お互いの生きざまをひとつも語らず、今ある作りあげた別物の人格で競い合ってきた。それは彼らの取っての試練であり、ゲームでもあった。それを不快に思った事は無い。どっちにしろ、偽のカバーを被っていても、本心が見えないわけではない。
友情を温める事も、誰かを嫌う事もなく、スパイマスターとしての覚悟を育ててきた仲間だった。
信頼することはあっても、恋愛感情などない。
ただ時折「欲しい」と思う時、田崎は甘利を誘った。
一番後に残らないと感じたからだ。
甘利は快楽だけを田崎に与えてくれた。
恋愛感情など一切ないその行為は、田崎を楽にした。

なあ、田崎。お別れの記念に、今夜一晩付き合ってくれないか?

馬鹿だな。もう夜明けだ。そういう事はもっと早く言えよ。

へえ~。誘ったら受けてくれたんだ。



こんな冗句は今までだってやりあってきた。けれど、三好の死を知った今、こうやって軽口を叩ける相手がいなくなってしまう今、田崎にはそれを返す気にはならなかった。

俺が死んだら…甘利は悲しんでくれるか。

当然だ。涙が枯れるくらい泣いてやるよ。でも、まあ、おまえは死なないな。

どうしてそんな事が言える?

俺の勘さ。



まあ、俺が死んだ時は…。それがどんな状況に置いても、生まれてきた事と家族や友人たちに感謝し、死ぬ予定だが、死んだ後の身体が燃えて灰になろうが、土に埋められようが、犬に喰われようが、だ。魂は日本を目指して飛んでいくんだ。そして、泣いてる田崎を慰める。

俺が泣くとは限らないぜ。

おまえは泣くよ、俺が死んだら。でも泣き過ぎは身体によくない。だから、俺が幽霊になって慰める。

馬鹿だね、甘利は…

隣に立つ甘利の肩に頭を寄せ、目を閉じた。
その頭をそっと引き寄せ、甘利は田崎に頭を撫でた。

ずっとこのままでいられれば、いいのにな。

閉じた瞳が涙で濡れる。
流れぬ様にと、田崎は息を飲んだ。

見ろよ、田崎。陽が昇るぞ。

田崎はゆっくりと目を開けた。
暁闇の光が両の眼を射る。

明日がどうなるのか、ふたりにはわからないが、予想はつく。
予想を裏切ってこその未来なのだと思う。
ならば、この夜明けをまたふたりで見る為に、明日を生きてやろうと誓っても、任務に支障はないだろう、と、田崎は呟いた。

陽の光を眩しそうに眼を細めた甘利は、中佐にだけは言うまいよ、と、声を上げて笑った。





  1へ

「ジョーカー・ゲーム」は久々に嵌ったアニメでした。無駄に女が出ないところがいいね。
私はセフィロス、クラウドが好物なので、森川さんと櫻井さんの共演と言うと、そういう目でしか見てません~((⊂(^ω^)⊃))
アニメでは何もないふたりですが、そこは色々妄想できますからね。
楽しかったです。
このふたりには、戦後まで生き残って欲しいと思うんだけど…なんか無理そうな気がするんだよね。特に甘利は、死にそう…。


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