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2019-09

A WISH STAR 後編  - 2008.12.24 Wed

二十四日、恒例となりつつある四人でのクリスマスパーティは、俺の家で行われた。
男四人でなにが楽しいのか、それもいつも一緒の仕事仲間なのに、わざわざクリスマスまで顔突き合わす意味がわからねぇと言われれば、まあ、そうかも知れないけどね。
でも一緒に居て、何の気兼ねも一切無くて、心から楽しめる仲間って素晴らしいじゃねぇか。それに本当に楽しいんだから仕方ねぇし。

下らないほど盛り上がって、プレゼント交換もやって、「きよしこの夜」で締める。
イブも終わり本当のクリスマスになる頃、パーティはお開きとなる。

カイやアキラと一緒に帰ろうとするミナトの後姿を見て、なんだがどうしても帰す気にはならなくて、玄関で靴を履き終わったミナトの腕を掴んだ。
?みたいな顔をして俺を見るから、なんでこんなに融通のつかない奴だと思ったが、俺も一切誤魔化す気は無かったから、
「おまえは…泊まっていけ」と、口にした。
普段ならもっと色々と理由をつけたかもしれない。酔っ払っている所為かもしれない。聞きたい事があったからかもしれない。…いや違う。ただ、まだおまえを離したくねぇんだわ。

ミナトはあからさま過ぎた俺に、ちょっとだけ困った顔をしたが、コクンと頷くと履いてた靴を脱ぎだした。
それを見た後ろの二人が、ニヤニヤと笑う。
「あらら、本当のクリスマスパーティはこれからって事なんですか?おふたりさんは」
「おい、アキラ。今更嫉妬は醜いぞ。それから…おまえらふたりとも、盛り上がるのはわかるが、明日も仕事だからほどほどにするのだよ」
「あのな、カイくんの言い方の方が、よっぽどいやらしいんだよっ!」
「俺は常識ある大人として、ちょっとは加減しろってな…」
「あ~もう判ったから、さっさと帰るよ、この酔っ払いっ!」
挨拶もなくドタバタと帰って行ったふたりの後、玄関のドアがバタンと閉まる。
ミナトがゆっくりとこっちを向く。

…無理に引き止めて怒ってるかな。もっと前から約束しとけば良かったんだけど…
ミナトの顔色を伺って、色々と考えてる俺にミナトは少し照れつつもやわらかく微笑んで、
「やっとさ…ふたり、に…なれたね」って言うんだ。
…そんな言葉言われたら、俺、何も返せねぇし…
愛しさが募って仕方ねぇ…満杯になって溢れ出すんだよ、おまえへの想いが…

「ミナト…」
漸く身体を抱きしめた。今日初めての抱擁だ。
朝からパーティの用意だとかでさ、ずっと一緒だったにもかかわらず、なんかちょっと遠くって、寂しい気がしてたんだよ。おまえに触れられなくて、さ。
抱きしめたままキスをした、何回も。それでも全然足らなくて、そのままミナトの腕を掴んで引っ張って、ベッドに直行した。
するのは久しぶりじゃない。この間だって、呆れる位やったのに。
俺の性欲ってもんは、どうもミナトに限っては際限ってものを知らないらしい。

直情的になってる俺に、ミナトは口を開いた。
「あ、ハルくん。片付け…終ってないよ」
「いいよ、んなもん。後で…明日でもいいじゃん」
「でもさ…」
「俺は今したいの、ミナトと」
「…」
「なに?ミナはしたくねぇの?」
「…いや…したい、かも」
「じゃあ、しよう」
こうゆう余裕のない俺にミナトは絶対に逆らわないって自信あるからな。
…ああ、俺は卑怯だなって思うよ。おまえの優しさに付けこんで、いつだって好きに振り回してる。
そりゃおまえだって色々我儘は言うけど、振り回す回数は俺の方が確実に多いよな。

手っ取り早く服を脱がせたミナトをベッドに押しつけ、その身体に覆い被さって、力一杯抱きしめつつも、身体中撫で回したり、キスを繰り返すのを止めないでいると、ふと顔を合わせた瞬間ミナトが笑った。
さっきまでバカ騒ぎしていたミナトとは違う顔で。
…ここには、大切な俺の恋人のミナトがいる。

…ああ、俺達にはクリスマスも誕生日ですら、愛しあうのに関係無い日なのかも知れない…と、思いながら、それでも、そういうイベントがあるからこそ、又愛を確かめる事が出来るのかな…などとちょっとお寒くなりつつも、ミナトのあったかい体温に溺れるこの時間こそが、サンタクロースのくれたプレゼントなのかもなって、結局そんなロマンチックな心情に落ち着いたんだ。


「ミナト、覚えてる?」
終った後、ふたりで一緒に風呂に入って、身体を洗ってから湯船に浸かってゆっくりした。
対面するように座って、お互いの足を撫でたり、手を絡めたりしてね。
「何が?」
俺の質問に指鉄砲で水を飛ばして遊んでたミナトが顔を上げる。
「プレゼント交換」
「そりゃ覚えてるよ。俺ね、アキラからのだったの。手袋。あったかそうだな…」
「違ぇよ。そりゃさっきのだろ?」
「えっ?違うの?」
そんな間の抜けた顔で見んな。バカ。ああ、説明しなかった俺が悪かったよ。
「あのな。幼稚園の頃さ。プレゼント交換会ってあったろ?そん時自分達が作ったカードを交換したろ?」
「…そんなの、あったっけ…」
「…」たぶん…絶対そういうと思った。自分の気に留めない過去の記憶については、本当に喪失するからな、おまえは。
「…それでな、俺はおまえからもらったんだよ、あん時」
「う~ん…覚えてねぇなぁ~」
「いいから、俺の話聞いとけって。そんでな、おまえの作ったカードな。でっかい星が貼ってあったの。
キラキラする金色の折り紙で綺麗な五角形の。それがすげぇキレイでさ。俺、超嬉しかったの」
「ふーん」
「そんで、おまえが言ったんだよ。『ミナくんの星、ハルくんに届いたんだね』って…」
「…俺、そんなこと言ったの?」
「うん、言ったの」
「…すごいね」
「すごいだろ?」
「うん」
「なんかさ…ドキドキしたよ、そん時…」
「わかる…想像したらドキドキしてきたよ、俺も」
「ね…おまえ、凄いよ」
「覚えてねぇけどな。すごいぜ、俺って…ね」
思い出せもしないクセして、えらぶってフフって笑うから、たまらない。
…ああ、なんかもう、またやりたくなるし…

「…俺もなんか、そういうもの、ミナトにプレゼント出来たらいいんだけどな」
「えっ?」
「なんか…そういうインパクトのある、さ」
「あのさ…俺いっぱい貰ってるよ、ハルくんから。色んなもの」
「なんか、あの星に比べたら、全然って気ぃしてるんだけど…」
「バカだねぇ、おまえは。…すっげぇ…すっげぇ輝いてるの、俺の中には…」
「何が?」
「…ハルカって星がさ」
「…」
思いもかけなかった言葉を貰った。
湯煙で少し霞んではいたけれど、ミナトの顔は真剣味を帯びていたし、声だってふざけた調子は無かった。だから、こっちだって軽口で返すつもりは無かった。

ただ…間違いなく俺は今、途方も無いほど間抜けな顔をしている、と、思った。
嬉しくて…ただ嬉しくて仕方がない時っていうのは、言葉なんて出ねぇもんだな。
恥ずかしいのか段々と俯いていくミナトを見ながら、なんか言わなきゃと思っても、本当に何も浮かんでこないんだ。

何の言葉も出ないままぼーっとしていると、俯いたままのミナトが困った調子で口を開いた。
「あ…今のはちょっと…かなり寒かったね」
「いや…全然。つうか、感動してた…」
「も、もう俺上がるわ」
「待てって、ミナト…」
本当に照れてどうしようもなくなったのか、急に身体を起こしそうにするから、俺は腕を引っ張って、そのまま濡れた身体を抱き込んだ。
「…恥ずかしいし…」
「バカ、恥ずかしくねぇし…ありがとな、ミナト」
「ん…」

濡れた額にかかる髪をよけて、キスを落としながら、これじゃ二十年前と同じじゃねぇかと、思う。
こうして又ミナトから輝きを貰って、目指すものを掲げて歩いて行ける。

おまえから貰った星が俺の目指す星であり、
おまえの中の星が俺であるのなら、目指す目的地は一緒になんねぇかな。もしそうだとしたら…
それは、すげえ幸せなことなんじゃねぇのかな…



クリスマスは巡った道を振り返る日なのかもしれない。
その道は本当に曲がりくねってはいるだろうけれど、数え切れぬほどの色んな色にキラキラと輝いているんだ。
そして、その隣りには…並行するように歩く君が居るから。
手を繋ぐ君の道も又振り返れば、色んな色に輝いているね。

少しだけ距離を取って、同じ歩数で歩んでいく。
君と僕のMILKYWAY。
輝く星に繋がる僕らの道は、トナカイのソリのように綺麗な平行線を辿っているのだろうか。
もし、そうでなくてもね、今夜だけは言わせて欲しい。

MERRY CHRISTMAS to You…





クリスマスのお話ってどうしてもこういう感じになってしまいます。
しかし、風呂のシーン多いわ^_^;…

● COMMENT ●

よかった~

なんかあったかいお話で幸せでした。
お風呂いいね。お風呂一緒に入るの好き~。
うちの子たちはみんな、おまえら清純派アイドルか!っつうくらい脱がないから(笑)。

…たまにはコメもね。

コメうれしいよ~

この子達はもうこういう関係から揺るがないですからね~
書いてて自分が癒されます。
もちろん法的な契約はないから揺れたりするんだろうけど。でも婚姻が最終決着とはとても思えなあ。一生恋愛のままが尊いものかな…と思ったり。
それを貫くのが一番大変だろうけど。

サクちゃんとこはみんな身持ちがしっかりしてるよね~それが普通なのかもね~
うちらBLに夢見すぎてるとこあるよ。

うおおおおん、号泣

幼稚園の可愛いお話から始まって、後半は激しい中にも清純な二人が素敵な言葉を紡いでいる。憧れます~、こんな文章が書きたいのよ~。どうして私のはああなるの~?「ハルカって星がさ」うー、堪らん・・・

号泣…^_^;

泣くとこあったかな~?

ロマンチスト中2病のふたりなので、いつもこうなんですよ~
ふたりの対比を楽しんでもらえたら嬉しいです。

adocyanさんの文章も自分の文体を持っていらっしゃるので、いいじゃないですか~。私はホントにHシーンが描けないのですよ。メンズラブもリーマンものも苦手です。
物凄く狭い範囲でしか書けない。ので、少しずつそういう世界も書けたらいいなあ~と思っているのです。
まだ、人の小説読めないんですがね~^_^;


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