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2019-09

Simple 3 - 2008.10.24 Fri

ハルのアパートに行って、風呂に入ったおかげでかなり酔いも醒めた。
先に風呂に入って寛いでるハルがラグに転がってTVを見てる。いつも借りて着ているロンTとジャージを着て、ハルの隣に胡座をかいで座り込んだ。
「ミナト、ちゃんと頭拭いた?」
「ん」
「寒くない?Tシャツ一枚じゃ風邪ひくから、なんか…上から羽織れよ」
「大丈夫だって、心配しすぎ」
「だって…コタツでも出しときゃ良かったかな」
「まだ早いし…」
「そう?」
コタツってあったかくて気持ち良いけどさ、あれ入ったまま寝ちゃうと必ず風邪ひくの。
「コタツって言えばあれだな」
「ん?」
「ほらカップルでさ、コタツん中入ってると、こう足が絡まるつーかさぁ」
「わかる」
「な。その攻防戦ってのが、ひとつの恋の駆け引きつーか、醍醐味つーか…」
「…」なんか、おまえの恋愛話聞くとリアルに想像出来るから…あんまり好きじゃないし…
「…悪い。そういうつもりじゃなかった」
「別に良いけど。おまえのそういう話聞き慣れてるし…」
「でも…今はさ、俺達のスタンスつーか…違うじゃん」
「へっ?」
「俺達さ…一応恋人同士だったりするわけじゃん」
「そう…だったねぇ」
…覚えてたんだ。あんなに酔っ払ってたのに…
「…だったねぇっておまえ…酒の上での冗句でしたって終わりにするんじゃないだろうな」
「しねぇよ、別に。ただなんか…あんまり変わんねぇからさ、おまえも俺も」
「うん…ねぇ。俺もそう思う。それってマズくねぇ?」
「マズいのか?」
「だって進展しなさそうでさ」
「そうだねぇ」
そんな事言ったって、そんな簡単に親友辞めて恋人に…ってはならない。つーかなれねぇし…
「キスでもする?」ハルが俺の様子を伺いながら言う。
「…」
…でも…って。でもって言うくらい簡単なものなのか、ハルにとっては。只のキスだもんな。…でもな、俺はそんな簡単には出来そうもないんだけど…

余程変な顔をしたんだろうか、ハルは俺の顔を見るとちょっと慌てて言い直した。
「いや、違うんだって。でもって言ったのは…あのな、テレ隠しなの。わかるだろ?ミナト」
「…わかる」けど、ここでそんな風には言って欲しくなかった。俺、結構そういうの気にする方ってわかってるじゃん。
「ごめん、ミナト」
「いや、いい」
「ちゃんと言うから」
「…」
「ミナトとキスしたい」
「…」
「…ダメ?」
「…いや」
駄目って事ないけれど、非常に照れる。
もうマトモにハル」の顔も見れなくて、目線を泳がせていると、いきなりガシッと肩掴まれて、ハルの顔が知らない間に滅茶苦茶近づいてて、恥ずかしさのあまり、慌てて顔を伏せたら、凄い低音で「ミナト…」って耳元で呼ばれた。
「ハル、おまえまだ酔ってる?」
「酔ってねぇよ」
「そ、そう?…だけど…あれだな…あの店の豚の角煮さ…」
「ミナト」
「美味かったよな…」
「ちょっと、喋るのやめろって」
「な、なんで?」
「キスできねぇし」
「あ…だって…さ…」
「ミナト」
「ん?」
「あっち見てみ。ほら、あの壁んとこ…」
えっ、と、思って壁の辺りに目をやった途端…口唇に…キスされた。
はっ、となって、一瞬身体が床から浮くぐらい、ビクッってなった。
ビックリしたままハルの方を見ると、目が寄る位近くにまだ顔があって、しかも両肩掴まれたままだったから、身じろぐ事も出来なくて…焦った。

ハルは困ったように少し笑って、「もいっかいね」って、言って、今度は頬を挟まれたまま口唇が近づくのが判った。すぐに口唇が合わせられて、ハルの舌が俺の口唇を何回も舐めて、そっから口ん中入っていく。
なんか、目を瞑っていなきゃ駄目だと思って、しっかり瞑ったはいいけど、今度は口唇の方に意識が飛んじゃって…ハルが角度を変えて舌を絡ませるから、俺も応えなきゃって思って、必死になって応戦する。なんかそうやって随分と長い間キスしてた…気がする。
背中を擦るハルの手の平があったかくて、気持ちよくて…照れるとかより、安心してしまった。
ちょっと薄目でハルの様子を伺ったら、ハルとしっかり目が会っちゃって、それでも口唇は離し難くて、お互いに見つめ合いながら、また味わってしまってる。
…すげぇ音してるし…
初めてキスするのに、なんでこんなにすげぇディープキスしてんだろって思ったけど…
なんかちょっと息苦しくなってきちゃって、ハルの胸を押したら、やっと離れてくれて…なんかふたり共はぁ~ってなった。
ハルの濡れた口唇を見つけて、ああ、この口唇とキスしたんだと思ったら、忽ち羞恥心が沸いてきて、俯いてしまった。

「ミナト…ゴメンな」
「えっ?」
「…泣いてない?」
「泣いてねぇよ」
「ホント?」
「何で俺が泣くのさ」
「いや…あんまりしつこかったかなって…思ったから…」
「別に…」
「嫌じゃなかった?」
「やじゃないし…」
「ホント?」
「うん」
「よかった…」って、緩んだハルの顔を見てしまって…どうしよ…胸騒ぎが収まってくんねぇし…。
…もしかしたら俺、本気でハルの事好きなの?…



「なんかさ、初めてなのに凄くなかった?」って、俺が言うと、
「うん…だって、ミナトがかわいいから」
「かわいいって…」ヤダよ、それ。
「かわいいじゃん」
「嬉しくなし、マジで」
「他に言いようが無い。ミナトはかわいい」
「…」そんな断言せんでもいいから…恥ずかしいし…

なんかTV見てても面白くないし…つーか、見る意思が無いから、ちっとも頭に入ってこないの。面白いはずのギャクを聞いても、その意味が頭で組み立てられねぇってつうか…隣に居るハルの事ばっか気になってしかたねぇし…ちらっと…横向いて伺ったらハルも俺の方向いて…黙って見つめあってしまった。
「…なんかヘンだね」
「うん」ドキドキする。鼓動の音、聞かれたりしないかな…
「ミナト…」
「俺さ…」熱い目で見られてしまって、ちょっと耐えられねぇわ。ゴメン。
「お、俺、もう寝るから」
「えっ?」
「いい?」
「いっけど…じゃあ、俺も寝るかな」
…おまえも寝るの…うん…まあいっけど…




2へ / 4へ 
無駄にながくてすいません<(_ _)>

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