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2019-09

Simple 4 - 2008.10.25 Sat

ベッドは当たり前だけど、ひとつしかない。
いつもは…一緒に寝てるし。そんなの常識だ。別に変じゃないけど…今までと今日とは違う。だって俺達、恋人同士だ。
一緒に寝て、何も無いって…ありえねぇだろ?
でもさ、今まで全然意識なく一緒に寝てて、急に慌てるってゆうのもわざとらしくってねぇ?なんか違くね?ここは何も思わずに今までどおり一緒に寝るっていう選択が…正しい…よね?わっかんねぇけど…
ちょっと固まったまま立ち止まってる俺の気持ちを知ってか知らずか、ハルは俺用に枕を出して、さっさとベッドに入って布団を被ってる。
「ミナト、何してんの?寝ないの?」
「…寝るよ」
「電気消して」
「わあった」蛍光灯の紐を引いて灯りを消した。途端に真っ暗になって、思わずベッドの角に足をぶつけた。「わあっ!」って叫んでベッドに転がると、隣で笑い声。
「おまえ、器用…」って、笑われた。
だって見えねぇんだもん、真っ黒で。
「ほら、ちゃんと着な」毛布と布団を掛けられてやっと落ち着いた。もう、俺って手の掛かる子供みたいじゃん。けっこういつものことか…クソッ、情けねぇ…。
ちょっと不貞腐れて、背中向けて寝てると、ハルの声がした。
「ミナト、手ぇ繋がねぇ?」
「…ん、いいよ」仰向けになって手を伸ばすとすぐにハルの手に捕まって、そんで手を合わせて指を絡ませた。
「あったかいねぇ」
「ねぇ…」なんか、すごく安らかだよね。

「ハルくん、傷は治った?」ふと、気づいて声をかけた。
「えっ?何?」
「いや、おまえ。失恋して落ち込んでたじゃん。そんで俺と自棄酒飲んだんだろ?」
「…そうだったか」
「そうだったかじゃねぇよ。俺、心配したんだから」
「そうなの?すっかり忘れてた」
「ハルぅ~」呆れたように呼んで、お小言のひとつでも吐いてやろうと顔を向けたら、暗闇に慣れた目が天井を向いたままのハルの横顔を見つけた。
「なんかさ…成り行き上でも、ミナトと付き合うとかなったじゃん。…なんかそれがさ…すげぇ嬉しくてさぁ…失恋したのすっかり忘れちゃってた…って…ことなんだけど…」
「…」なんか、もう…たまんなく胸が締めつけられてしまって…嬉しいとか照れくさいとかじゃなくて、そんな風に俺を思ってくれてる事が、唯…
「ミナトとだったらねぇ、すげぇ楽しいし、嬉しいし…それにな、ほら、手ぇ繋いでるだけでこんなにもさ…落ち着くっつーか…ねぇ」
…イトオシイし…
「ねぇ、ミナト」
「うん?」
「俺、今すげぇ幸せかも」
「…俺も…」そう言うのが精一杯で…
「ホント?」
「うん」
「良かった」そう言って抱き寄せてくるおまえの腕の力強さにも、俺は敵わないって思ってるよ。

「ハル、あんな」
「うん」
「恋人同士ってさ」
「うん」
「こーゆー場合さ、普通な…次の段階に行くじゃん」
「…ん」
「お、俺、あんま自信ねぇんだ、だけど…」
「…」なんか、笑ってねぇか?ハル。俺、結構真剣なんだけど…
「…ねえ、ハ…」って、様子伺ったら、我慢できないみたいに、今度は声出して笑ってくれちゃって…しまいには止まんなくなってんの。失礼な奴だなっ!
思わず起き上がって笑い転げてるハルを睨んでやった。
「お、おまえ…」
「ご…ごめん。ミナトがあんまり必死な声して言うから…」
必死だよ、こっちは。本当に恋人同士になったはいいけど、後先考えてなかったから、この先の展開なんて予想つかねぇもん。
押し黙っていたら、ハルも起き上がって、ふたりベッドに座ったまま向き合う。
「セックスのことはさ、又この次考えよう。そんなの焦んなくたって、俺達には十分時間はあるし…今日は俺…おまえとのキスだけで、かなり…舞い上がってんの」
「…」そうなんだ…
「わかる?ミナト」
「わかるよ」俺もそうだもん。…でもいつかはするよね。そういうもんだろ?恋人同士って。
「ミナトを抱きしめてるだけでね」
「ん…」いきなり両腕でギュウって抱きしめられて、そのまま横にふたり寝転がった。
「ん…なんかさ、すげぇ抱きごこち良すぎ…て…」
「…」もう、甘えんぼだ。

「おやすみ、ミナト」耳元で囁くハルの声には負けるから、
「おやすみ、ハルくん」って、デコにチュウしてやって、目を瞑った。
ハルの溜息が聞こえて、「ミナトのばか」って、呟く声がしたけど、知らない。
しばらくして…んだよ、バカって…って責めようって思ったけど、もうなんだか眠くって…




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