FC2ブログ
topimage

2019-09

Simple 6 - 2008.10.26 Sun

「ハル、失恋長引かなくて良かったじゃん」
ミナトと恋人宣言してから十日余りの夜、アキラと夕飯を食っていて、唐突に言われた。
「へっ?誰に聞いたの?」
「ミナトだけど…でさ、新しい子はどんな子?かわいい?」
「…」
…そっか、あいつそんな事ゆったんか…なんだよ、自分の事は置いといてかよ。つーか、どんな子ったって…ミナトなんだけどね。ンな事ここでバラしたら、あいつ絶対怒るし…
「おい、ハル?」
「…ん…」
「なんだよ、その曖昧な物言いは。もったいぶらないで教えろって」
「…」
なんかなぁ…あんまり言いたくねぇんだよ。確かに俺とミナトは恋人関係になったっちゃあなったんだけど、なんか今更って気がしてな。
俺とミナトが昔っから、普通の友人関係とは一線を超えてしまってるつうか、常識に当てはまらない密接した関係って事はこいつは知ってるし…かといって、ミナトと身体の関係なんかあるわけないと思ってるし…それは今は正しいんだが…でもセックスは避けて通れない行為だよな…どうしたらいいんかな…いやいや待て、今はその話じゃねぇよ。

ミナトの事だ。
それに関しては…当の俺だって少しだけ困惑してる。
昔っからあいつに対しては、自分でも理解できない感情が働くのを止めらんなかったし、何度もこいつが女だったら絶対付き合ってたのに…とか、思ったりしてたし…
だけど、抱きたいとかまでは…想像できなかった。
「好き」って気持ちも、友情の強さがデカいだけだと、自分に言い聞かせたりしてた。
どう考えても俺は女の子の方が好きだし、結婚だってしたいし、子供だって欲しいし…でも、やっぱり女の子と付き合っていても、ミナトとふたりでいる方が楽しいなぁと思った事がなかったわけではない。
ミナトと比べる事自体おかしいんだけど、付き合う女の子を無意識でミナトと比べてしまう俺が居た事は…気づいてた。でもな、何度も否定したんだ。そんなのミナトは望んでないし、俺達は一生仲のいい親友でいるのが一番幸せなことなんだって、自分で思い込ませていた。

ミナトは可愛いし、見かけも…まあ、男らしくないし、そっち関係に好かれたりする傾向はあるけれど、中身は全くの男でマトモだよ。だからこそ俺はミナトをそんな風に見ちゃいけないって今までずっと…ずっと我慢してきた…部分がある。
できるなら…ミナトを俺の側にずっと閉じ込めていたいとか、何にも要らないから、ふたりだけで居られたらとか…途方も無く暗い妄想だって持ってたりもしてた。現実にはそんな事求めようがない。
あいつはあいつの人生があるし、俺もできるならマトモな人生送りたいもの。だから、敢えて距離を置いた時期だってあるし…でも不思議なもんだな。結局離れられないまま、ミナトはずっと俺の側に居てくれて、仕事もプライベートも一緒に居て、そんで今度は恋人になってくれたんだから。
わかんねぇもんだな、人生って奴は。
嘘みたいに思えてしかたねぇのな…

「おい、ハル?またどっかに意識飛んでるよ」
ふと気づいたら、呆れ顔のアキラが目の前にあった。あっぶね、マジでおまえの存在忘れてたわ。
「悪い。大事な人の事考えてた」
「ああ…早速惚気ですか。よっぽどかわいいんだ、その女子」
そう言われて、ミナトの笑った顔を思い出した。
「無茶苦茶ねぇ…かわいいし、ふふ」
口端が緩むのを押さえきれなかった。




☆彡ハル目線始まり~


/ 7へ 

● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://arrowseternal.blog57.fc2.com/tb.php/16-ed3d726a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

Simple 7 «  | BLOG TOP |  » Simple 5

プロフィール

サイアート

Author:サイアート
イラストと駄文を更新しております。

少年愛を中心としたシリアス重視なオリジナル作品でございます。

ゆっくりしていってね~

サイズを記憶するフォントサイズ変更ボタン

文字を大きくする 文字を規定のサイズに戻す 文字を小さくする

ツリーカテゴリー

Script by Lc-Factory
(詳細:Lc-Factory/雑記)

最新記事

FC2カウンター

リンク

このブログをリンクに追加する