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2019-09

Simple 8 - 2008.10.27 Mon

携帯の向こうのハルの様子が変だったから、急いできたらこの有り様で…玄関で暫く抱き合ったままでいた。俺はハルの様子に安心した所為か、ぼおっとしてた。
…ホントに心配したんだから…

「今日は泊まってね」
「うん…でも、俺、学校の帰りだったら着替えとか何も持ってきてねぇし…」
「いいよ、俺の使えば」
「ん…」
「なんかね、今日は側にいて欲しいつうか…おまえが恋しくてしかたねぇの」
「…」潤んだ目で見つめられて、せっかく呼吸整えたはずの胸がまたバクバクしてしまった。
…どうしたんだろ、ハル。そんな嬉しそうな顔して…まるで…恋してますって顔だよ。その相手ってもしかすると…俺?

結局、近所のホカ弁で夕飯済ませて、風呂に入ってTVゲーム三昧になる。これはいつもの俺達の風景。
ふと、ゲームのコントローラーを置いたハルが、俺の座る後ろに回って、後ろから抱きかかえるみたいに両腕胸に回されて、ギュウっと…抱きしめられて、離れなくなった。…ゲームできねぇし…
「どした?ハルくん」
「ん…ちょっと、このままでいさせてよ」
首筋に何度もキスされて、腕の力も緩まないから、それはそれで嬉しいかなぁとか、思ってしまう。

恋人宣言してからも何回は、ふたりでこうしていたりしてたけど、キス以上は進んだりしなかった。
一緒に寝てて、キスしたり抱き合ったりすると、直接触るハルの手つきがいやらしかったりするから、欲しいのかなって思うんだけど…それ以上求められると、なんか俺が駄目で、ハルの手を押し返したりするもんだから、それ以上の事はハルも強要したりしない。ハルの優しさなんだろうけど…反対に…それ以上求めてこないって事は、ハルはそんなに俺の事を抱きたいと思っていないんじゃないだろうかって…気がして。
だって、常識的に考えても、今までハルは女としかセックスした事ないはずだし、それが当たり前に気持ち良いわけじゃん。そんな急に男を抱きたくなるとは思えないし…それに俺だって…わかんねぇもの。
それにさ、俺達どっちがどうなるの?…そんなの決めてねぇ…まあ、なんとなくは判るけど…
どう考えてもねぇ、俺がハルを抱くのは無理だろ。そんなの頼まれても困るし…
でもハルに抱かれるつうのは…わっかんねぇけど、想像できる…かも。

後ろから抱きしめるハルの両手が、俺のお腹のところで組まれてて、その手に自分の両手を重ねてみた。あったかいね、うれしいよ…でも…
「ミナト、もうすぐ誕生日だね」
「うん」
「二十一になるんだね」
「うん、ハルくんと一緒になるよ、やっとね」
「なんか欲しいものある?」
「別に…ないけど」
「高いものは買えねぇけど、何かあげたいの。考えて?」
何が欲しい物?…なんだろ…俺が今一番欲しい物って…
「あのさ」
「ん」
「欲しいの、一個だけある」
「何?」
「あの…あのね、俺さ、ハルが欲しいの」
「…」…黙っちゃった…唐突過ぎたか…後ろ向きなんで顔は見えないけど、すげぇ固まってるのわかる…ゴメン。
「違うの。欲しいって意味ね…あのさ、俺達恋人同士になってから、ひと月以上経つじゃん」
「うん」
「でもキスまでじゃん、俺達」
「ん…」
「それって…なんかおかしい…と…か…思うわけ」
「…」
「いや、ハルがしなくないのはわかるよ。だって俺達、男同士だもんな。おかしいし、んなもん気持ちいいわけねぇしな…でもな…もし……もし、おまえがヤじゃなかったら、誕生日に欲しいな…って…」
「…」一向に返事は返ってこない。
…なんか、怒ったのかな。俺、キツい事言ってるのかな…あっ!欲しいとかゆったから、俺がハルを抱くとか思ったのか?それは無いぞ。
「あっ、違うから。ハルが欲しいって言ったのは…そ、その、俺がおまえを抱くんじゃなくてね、俺がその…だ、抱かれるつーか…おまえのモンになるつーか…何い、言ってんだろ、俺。バカだ…お、おかしいな…ごめん、怒んないで…」しどろもどろになりつつ、後ろを向いてハルの様子を伺うと、完全にそっぽ向いて物凄く不機嫌そうにした顔を見て…
「あ…あの、ご、ゴメン、ハル…無理言って悪かった。もう、言わないから怒んないで…」
「バカッ!」
「えっ?」
「ばかミナトっ!」
「あんだよぉ」
「おまえ…卑怯だろうが…」
「何が?」何に怒ってんのか、さっぱりわかんねぇし…でも、俺を抱きしめる腕の強さは変わんねぇから、嫌われてはいなさそうだし…
「そんな事おまえに言われたら、俺の立場ねぇじゃん」
「立場って…」
「俺だって、色々考えてて…おまえにどう言ってセックスの許可もらおうとか、どうしたらおまえがその気になるんだろうかとか…もう、すげぇ目茶目茶一杯考えてたのっ!」
「そう…なの?」
「それをおまえ…あっさり言ってくれちゃって…」
「あっさりでもねぇよ」すげぇ考えたし…
「もう、俺のカッコつかねぇじゃん」カッコつけんな、そんな事に。
「しらねぇもん、そんなの」
「もう…ミナトは本当に…バカだ」
「な!」
「大好きっ!超好きっ!」そう言って、お腹のところの両手でギューってされて…ばか力、本気で出しやがってる…ちょっと苦しい…つうか吐きそう…

「ちょ、マジで…キツイから…」
「ご、ごめん、あんまり嬉しすぎて、舞い上がってしまった…」
「…いっけど」
いっけど…なんか、俺も嬉しいし…

「なんだか…」
「えっ?」
「おまえの誕生日じゃなくて、俺のみたいになっちゃうんじゃねえかな」
「なんで?」
「だって…俺の方が絶対嬉しいし…」
「俺の方だっ…て」
「嬉しいの?ミナト」
「…」なんか、自分で言っておいて、恥ずかしくなってきたよ。俺の誕生日に、俺の身体差し上げますって…超寒い…よな。
一連の自分のセリフを巡らせて、今更ながら恥ずかしさに耐えられそうもなくなって、段々と頭が沈んでいく。…もう…ハルの顔なんて見れねぇし…
そしたら、胸とか腕とか擦られて、俯いた俺の顔を撫でてくれて、後ろから頬にキスされた。それが、すげぇ優しくって…泣きそうになるくらい優しくって…

ハルは俺を大事に扱ってくれるから、時々泣きたくなるほど嬉しくなる。昔からそうだった。恋人になるずっと前から、ハルの俺への思いやりみたいなものが、俺の心の一番深いところに染み込んで行く…みたいな感触があって…嬉しくて仕方なかった。
ハルが他の人にどう接してるのかは知らないし、知りたくも無いけれど、俺に対する優しさはずっと変わらないから、本当はすごく感謝してるんだ。恥ずかしくて言葉には出来ないけれど。

「誕生日、楽しみだ」
今は向かいあったまま、抱き合って、やたらキスしまくっているハルが嬉しそうに呟いた。
「そう?」
「色々学習しなきゃなんねぇし…」
「えっ?なにを?」
「おまえを気持ち良くさせるテクとか…」…聞かなきゃ良かった…
「…エロ」
「いいの、ミナトとやれるなら、エロくていいし」
もう、なんでそんな正直に言うかな。こっちが居たたまれねぇし…ねぇ。




☆彡なかなか先へは進めません~<(_ _)>

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