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2019-09

Simple 11 - 2008.10.28 Tue

とうとうその日がやってきた。俺の誕生日の前日の決行の日が。
その日は夕方まで仕事が入っていて、けっこう忙しかった。
ハルとファミレスで夕食摂って、十時前にはハルの家に着いた。
今夜する事になる。…初夜だよ、初夜。
そっちが気になって、今日の打ち合わせなんて何喋ってんのか、全く頭回ってなかった。
どうせ俺はあんまり喋らないキャラだから、ヘンには思われなかったと思うけど。
でも、時々ハルと視線が会うと、ドギマギしてさ。マトモに顔なんか見られなかった。
ハルが帰り道でぼそっと言った。
「なんか、今日、俺、全然人の話聞いてなかったわ」
「えっ?」
「いや…夜の事が気になってさ」
「…」同じだよ。
「なんか…緊張しね?」
「するよ」するさ、もちろん。


風呂に入って上がったら、洗面所に新しいパジャマが置いてあった。
手に持って、リビングに居るハルに聞いてみた。
「これ、俺の?」だって、ハルはパジャマなんか着ない。
「うん…」何故か、ハルは顔をカリカリ掻いてる。
「えっとね、おまえに着て欲しいなぁって。似合うかなって思って、買ってみた」
「…そう」わかった、着てみるね。
白に近い生成りの肌触りのいいパジャマだ。サイズも丁度良いし…胸のポケットに、何だ、コレ?ウサギの刺繍がある…
「コレ…」刺繍の部分をハルに見せる。
「か、かわいい?」
「…かわいいけど…なんでウサギ?」…どこで買ったんだよ…
「ミ、ミッフィーとか…言うらしい」
「ミッフィー…ね」聞いた事あるけどさぁ…
「なんかさ、おまえっぽくね?」
「ねぇよ」おまえ、根本的に間違ってないか?俺に対するイメージ。なんでこんなキャラクターに似てるんだよ。
「でも、似合うよ」
「…そ…う」…そうですか…はぁ…なんかね、ハルの嬉しそうな顔見たら、もうなんでもいいわって気になる。

「ベッド行く?」
「ん…」いよいよだよ、なんかちょっとだけ怖いけど…が、頑張らなくちゃな。

ベッドの端にふたり座って、抱き合って、キスして…ハルの手がパジャマ越しに背中を擦ってくれてて。俺の緊張を解きほぐすように、優しく繰り返すから…大丈夫、もう怖くはないからね。
おまえに何されても、おまえの事、少しも嫌ったり恨んだりしないから…大丈夫。
でもな、俺にはひとつ心配な事があってさ…
「ハル…あんなぁ」
「うん」
「えっと…なぁ」
「ん」
「俺で…た、勃たなかったり、気持ち良くなかったり…し、したって…怒んないでくれ。お、俺あんまり自信ねぇから…」
「…おまえ、ズルい」
「な、なんで?」
「んな事言ったら、絶対気持ち良くさせてやりたくなるだろうが」
「…」そんなつもりはない。
「逆にプレッシャーだっつぅの」
「ち、違うって」
「ミナトのばか、無神経だ」
「ハル…」
「俺、頑張るから」
「いい…そんなん頑張んなくていいから…」
言い終わる前に口唇が合わせられて、そのままベットに倒れこんだ。

仰向けになった俺に、ハルが覆い被さるように抱きこんで、頬やオデコや首筋なんか辺りかまわずキスしまくるから、俺はどこに目をやっていいのかわからなくなる。
天井のライトが眩しくて腕で覆うと、「灯り、消す?」って、ハルが言う。
「うん、消して」
それでも全部は消してくれなくて、橙色の豆球がすごく目に眩しい。
「明るいね」って、言ったら、
「暗すぎるよ。せっかくミナトの裸見られるのに」
「バカじゃん」俺の裸なんて、見慣れてるじゃん。ホテルの大風呂でも家の風呂でも一緒に入ってるじゃん。でもな、見る意識は絶対違ってくるだろうから、わかるよ、それは。
だってさ…いつも見慣れているはずのハルの顔は…今はいつもと全然違って見えてしまってる…ふざけたり、真剣に仕事したり、喋ったり、そんなハルとは違う、俺の知らない存在みたいだ。

「何、凝視してんの?」
「ハル、凄い…男みたい…だし」
「男だろ、俺もおまえも」と、苦笑する。
俺は…男らしくねぇもん。それぐらい知ってるし、いくら男らしくしようと思っても、根本的なものが違うのか、男らしいと見られた事ねぇし…
「ミナトはすごい男だと思ってるよ」
「…」
「でも、可愛さも否めない」
「うるせーよ」
「誉めてんのに、怒んなよ」
「誉めてない」
「あのさ、可愛いってすげえ誉め言葉と思わない?」
「思わない」
「そう…」軽く舌打ちした音が聞こえた。なんだよ、自分だって可愛いって言われて、ふざけんなって怒ってたじゃん。

…なんか、そんな事話してる内に、ハルは俺のパジャマの上着のボタンを全部外してて、今はズボンを脱がしにかかっていた。…素早すぎて、普通に驚いてしまったよ。
まあ、脱がなきゃ話になんないから、抵抗はないんだけど、脱がされるつう行為がなぁ、まず男らしくねぇよなぁ。
「ミナト、ちょっと腰上げて」
「ん」素直に腰を浮かす。
ズボンと下着を一緒に脱がされて、ベッドの外に投げ捨てられる。
それから上着も脱がされて、同じ様に捨てるのかなって思ったら、「やっぱ似てるし…」って、例のウサギと俺を見比べてしみじみと言う。
…こいつホントバカだ…と、思った。そしたら、今度は俺の裸をじろじろ見て「おまえ…細せぇよ」って言うから、ちょっと腹立って「何だよ、俺ばっか脱がせて…おまえも脱げよ」って、起き上がってハルの服を掴んだ。俺だって、脱がせたいし…
「はい、バンザイして」
「脱がせてくれんの?」
「うん、いっから手ぇ上げろって」
トレーナーを脱がせて、「ほら下も」って首で合図する。俺に跨ったままじっとしてるんで、ジャージのゴムを引っ張って促すと素直に脱いでくれた。

お互いに裸のまま座り込む格好になった。
「やっぱりハルの方が細いし」
「違う、おまえの方が絶対細い」
「…かわんねぇよ」
「…そうだな」
なんだか色気のない会話過ぎて…見合わせて笑い合った。
抱き合ってベッドに倒れ込んで、さっきと同じ格好で、キスしたりね。
さっきと違うのはお互いが裸だって事。
触れた肌の感触が、余りにも心地良くて、もっとぴったりくっ付きたくなる。
クシュンってハルが小さくクシャミをしたので、冬なのに暖房もない部屋で裸になってたら、そら寒いわって思って足で布団をかける。
俺はいいんだ。ハルが上に乗ってる所為で暖かいし、でもハルは背中が丸干しだから、寒いんだよね。
「寒くない?」って尋ねたら「大丈夫」って言われた。
でも背中に手を回したら、確実に冷たくなっていて、慌てて両手で擦ってやる。
キスを続けるハルは少し笑って「大丈夫。寒くないよ」って、俺に顔を近づけた。
「身体ん中、すげぇ暑いんだけど」…それは俺も同じだけどね。

時々、肝心なところをハルが擦ったりして刺激を与えてくるから、声が出そうになる。息を呑んでそれを堪えていると、それを笑うハルが見えるから、少し憎くなった。
「笑うなよ」
「だって、ミナト、かわいいし…」とか、言って、今度は強い刺激をやられてマジに声が出た。…ちょっ…今のはけっこうイキそうになった…つうか…
「ハルっ!」
「な、なに?」
「ヤダっ!」
「なにが?」
「ひとりでイクの、やだ…」
「やだつったって…」
「ずるいし…おまえも一緒じゃなきゃ嫌なの」
俺ひとりでイッても、そんなの平等じゃないつうか…一緒にイキたいもん。
「俺も何かするから」って言って、ハルのを握ってみた。…ちゃんと硬くなってるし…俺で、勃ってるし…なんか安心した。

「…おい」ハルが戸惑った声を上げた。さすがに俺の行為に焦っている。
「なに?」
「煽んなって」
「…いいじゃん」ハルの顔が面白くて、擦ったりしたら手を捕まれた。構わず続ける。
「よくねぇ…こぉら、止めろって」
「だってぇ、おまえばっかやるのはフェアじゃねぇし…」
「フェアって…わ、わかったから。そ、それ止めて」
「ん…で、俺、何すりゃいい?」
「…じ、じゃあ、声出して」
「声?」
「うん、ちゃんと感じたらね、いいとかよくないとか、感じるとか、ソコソコとか…」
「うぇ~」なんか、求めるもの、違わねぇか?
「ね、ミナト」
そんな目でお願いされたら、拒否できねぇし…
「そんでね、時々でいいから俺の名前呼んで」
「ハル…とか?」
「うん、ハルでもハルくんでも何でもいいけど、呼んでくれたら俺、すげぇ嬉しいかも」
「ホント?」
「おまえに必要とされてる感じがするじゃん」
必要だよ。呼ばなくたって俺にはおまえが絶対必要。
「…だからね、名前呼んでね、ミナト」
「ん、わかった」



☆彡…全くエロくならないふたりです^_^;

● COMMENT ●

きゃ~

いたたまれない~。
このたどたどしさが妙にリアルじゃないですか?
サイさん、見たことあるの?(笑)

妄想は果てがない

と、申しますとおり、頭の中だけのリアルな感受性って奴?
たぶんね~…サクちゃんとかより全く知らないと思う。
まず声優さんのCDはひとつも聴いたこと無い。そっち系のもろ雑誌も読んだことない。そっち系のゲームもやったことない。
BL系小説は5年程読んでない。
しかし、その前はかなり読んでたけどね~
なんかそのシーンに無理矢理行く為だけの話が多くて、読まなくなったの。
自分が求めているのとは違ってきたんで、ここんところはさっぱりです。
無理矢理するのはあんまり好きではないので。
相手が好きなら、思いやりが発生するはずだからね~とか。
妄想でリアルに感じてもらえて嬉しいです(*^_^*)


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