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2019-09

Simple16 - 2008.10.29 Wed

nightkiss

十一時、俺達はアキラの家を出た。酔いつぶれたカイはアキラ宅に泊まるらしい。
俺は気持ち軽く酔っていた。
終始隣で「明日の事考えて飲めよ」って、ハルが言うもんだから、セーブせざる負えないし…
お互いの首には、さっきプレゼントされたマフラー。ハルが緑で俺が赤。時々代えっこしようって約束した。うん、ハルくん赤も似合うし…

ハルの家はアキラん家からすぐだし、俺は地下鉄乗らなきゃならないから、反対側の道に行く。
ここでお別れだ。
「じゃあ、ハル、明日な」って、手を振って帰ろうとすると、ハルが俺に追いて来る。
「何?」
「やっぱおまえん家まで送る」
「いいよ。そんなに酔ってないし…」
「心配だから」
「大通りに出たら、ちゃんとタクシー拾って帰るから、大丈夫だって」
「…うん」
「ハルくん、二度手間になるし…」
俺ん家に泊まればいいけど、明日行く荷物はお互いの家にあるし…
「いいよ、大丈夫だって」
「ん…と…まだ今日じゃん」
「へっ?」
「おまえの誕生日じゃん」
「…うん」
「今日は…ずっとおまえの側に居たいの、俺が」
「…」
「だからね、側にいさせて、な?」
「…ん」
…ばか、そんな事ゆったら、また泣いてしまうだろ…おまえのそういう好意が、俺の穿った自惚れみたいなプライドを増長させるんだろ…おまえに愛されてるのは俺だけだとかさぁ…ホントにもう最低だよ、俺。
そんで…本当にありがとう。嬉しいよ。

なんだかふたり黙ったまま大通りまで歩く。
大通りに出てもタクシーを拾う気にもなれず、またふたり並んで歩き出す。
大通りの舗道は広くて、並木の一つ一つに青く光るイルミネーションがキラキラしててすごく綺麗だ。
白くなる息が面白くて、吸ったり吐いたりして深呼吸してたら、クシャミが出た。すると、ハルはすぐに俺の手を繋いできた。そして、自分のポケットに招いてくれる。
…あったかいね…
自分のポケットよりも、ずっと暖かい。
お互いの指先を絡めたり、撫でてみたりしてね。
何も言わなくても時折目を合わせて、微笑んでみたり…
こういう空間って、俺達の間では昔からあったりしたけれど、昔と違うのはこの手のぬくもりだ。

ねぇ、ハルカ。俺達変わったのかな…
昔からおまえの事、好きだったけれど、その「好き」な気持ちはどう変わったのかな。
色がついた?でかくなった?深くなった?形が変わった?…わかんねぇよ。全然わかんねぇの。
でも…でもな、変わんねぇのは、ハルが「好き」って事。

「ミナト、明日楽しみだね」
「うん」
「チコクすんなよ」
「それはハルくんの方だよ」
「そっか…」

「ハルくん…あのさ、旅行とか…色々ありがとね」
「別に俺がやりたくてやってんの」
「あ…あのね…ハル」ポケットの指に力を込める。ハルの手を強く握り締める。
「すっごく好きって思うの、俺」
「…」
「昔からずっとね、好き…だった…けど、もっと…好きになって、も…いいかな…ハルの事」
「…ん」
「すげぇ好きになってもね、うぜぇって思ったり、飽きたりしない…よね」
「しねぇよ」
「ホント?」
「全然しねぇよ」
「よかった…」
「おもしろいな、ミナトは」
「じゃあさ、俺、もっと凄く好きになるかも…ハルの事」
「…」
「でね、ずっと一緒に居たいなって…俺も思ってるの」
さっきの告白してもらった返事は遅くなったけど、これが俺のおまえへの想いなの。

「…あ…もう…つーか……おっ…まえ」
言葉を失くしたみたいに口をパクパクさせてたハルが、突然、片手だけで俺を引き寄せ、そしてきつく抱きしめると、すぐに俺の肩に顔を埋めた。
クリスマスも近いから人通りも結構多い。
抱き合ってる俺達を見て不審顔で通りすがるカップルと、しっかり目が合った。左側をすり抜けたサラリーマンのオジサンは、わざとらしく咳ばらいをして行った。
ヤバくないか?そんなに売れて無くても、俺達一応メジャーデビューしてるし…

「ハルくん…あの…みんな見てるよ」
「関係ねぇよ」
背中を抱く力は弱まりそうも無い。
…そう、俺も嬉しいよ。
「離さねぇもん、ずっと」
「ハル…」
「一緒に育てていこうな」
「えっ?何を?」
「俺達のコレ」
ポケットの中で絡ませたお互いの指に力を込める。
「好きだっていう気持ち」
「うん、わかる」

今は顔を上げて俺と見合しているハルがひどく悔しそうな顔をした。
「俺さ、今、物凄く…キスしてぇんだけどな」
俺は笑った。自制心あるじゃん、ハル。

聖夜でもねぇけれど、もし、今願いが叶うなら、このまま時が止まればいいって思った。
けれどすぐに思い直した。
明日は箱根だからね。
また、ふたりで居られるからね。
そん時さ、いっぱいいっぱいキスしたり…しよ。






☆彡やっと終わりました~基本はhappyendが自分の好みですね~

このふたりはこのままずっとこんな感じで人生を一緒に歩んで行くんですよ、きっと。

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