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2019-09

green house ~ 水川青弥 「引力」 18 - 2009.10.05 Mon

18.
「服を脱いで」と、言われ、パジャマを脱いでベッドに寝転がる。下着は着けたままだ。
 リンは何故かTシャツとスウェットパンツを着たままでおれの横に寝ると、肌触りのいい毛布を肩から掛けてくれた。
 なんでおれは脱いでいるのにおまえは着たままなんだ?と、思ったが、何しろこっちはすべてが初めての経験って奴だから、どうしても宿禰に言うがままにならざるを得ない。 

「寝る時は眼鏡はいらないだろう」と、俺の顔から眼鏡を取り、ベッドの脇のサイドテーブルに置いた。
 ベッドはおれ達ふたりが寝ても十分余裕のある広さで、両脇のサイドテーブルには洒落たスタンドが置いてある。
「どうしてひとりで寝るのにこんなにベッドが広いんだ?」と、尋ねると「そりゃどんなプレイをしても軋まないベッドの方が、安心してセックスが出来るだろう」と、ほくそ笑んで言う。
 おれが黙ったままでいると、
「…嘘だよ。俺は自分の家では誰ともしたことがないよ。ベッドが広いのは、小さい頃はよく梓と慧に添い寝をしてもらっててさ。俺、夜泣きする子だったからね。3人でよく寝てたんだ。その所為か、ベッドは広いほうが気持ち良く寝れる」
 そう言いいながら、リンはおれの背中を横抱きにしながらゆるく抱いた。お互いに見つめあう格好になり、おれの胸元にリンの視線を感じてしまう。

「リン…灯りを消してくれない?おれ、恥ずかしいよ」
 リンは黙ってリモコンを手にとって真上の蛍光灯を消した。そして、サイドテーブルの二つのスタンドを付けた。
 さっきとは明るさも色合いも違う光が、お互いの身体を照らしている。
 おれはますます恥ずかしくなってしまう。
「あの…明るすぎないか?」
「真っ暗闇の中でするのもそれはそれで楽しめないわけじゃないけど、初めてなんだから、お互いを確認しあった方が良くない?俺はミナの顔がちゃんと見えていたほうが嬉しいけどね」と、おれの首筋や肩を撫でて言うもんだから、おれは反論なんか出来ない。
「…リンがそう言うのなら構わない」

「ミナは白いね」
「そう?リンも色白じゃないか」
「俺の白さとは違う。ミナを初めて見た時の印象は白い子だなあって思ったもの」
「おれは…リンがあんまり人目を引く存在だったから…目が合った時、思わず怖気づいてしまったよ。まるで、おれとはかけ離れた…リン、そこゾワってくる…」
 リンの手がおれの脇腹を撫でる瞬間、おれは軽く痺れたような刺激を受けた。
「じゃあ、ここはミナの性感帯だな」
「…」
 そうなのかな?でもそこだけじゃなくて、リンが触るところ、なんか全部…鳥肌が立つくらい…
「リ、リン…」
 おれは怖くなってリンにしがみつく。
 心臓がバクバクしてる。別にまだなにも始まっていないのにこれじゃあ、後が思い知らされると臆病風に晒される気がした。

「…ミナは誰かを好きになったことはないの?」
 リンの手が片方は背中を、もう片方はおれの髪を撫でる。落ち着かせるような感覚におれは少し安心してリンの質問に答える。
「ない…いや、中三の時に、同級生を好きになった。その子は頭が良くて美人だった。お互い好きになって交際したんだけど…彼女はおれを求めてくれて、おれはそれを与えられなかった。それで、振られたよ…男としてはかなりかっこ悪いよね。たぶん色々考えて…おれを求めたんだと思うよ。おれも応じてやりたかったんだけどなあ~…何がいけなかったのかわからない…」
 よくよく考えればへんな話だった。好きな奴と初めて寝て愛撫されながら、失敗したセックスの話をしてるだなんて。

「ミナはその子を本気で求めてはいなかったんだろうね。ミナの言うとおり、相手に求められて応じなきゃならないって思うのもわかるけど、ミナは中三だったんだから、まだ子供だ。できなくても仕方がないよ」
「だって、リンは…」
「俺は家庭環境が最悪だもの。誰も監視する奴はいなくてさあ、本人は好奇心旺盛で怖いもの知らず。そりゃやりたい放題だよ。でもしたくない奴には勃たなかったよ」
「本当に?」
「そういうのって、自分が思うより身体の方が正直なのかもなあ。俺は相手を好きじゃないとホテルに連れ込まれてもしなかったからなあ」
「それでどうしたの?」
「股座蹴り上げて逃げ帰った」ふふっと笑うリンにどこまで本当なのか判らなくて、口唇を尖らすと、「セックスの経験はそりゃ同い年の子より多いと思うけど、俺は本気で恋をしたことはないよ」と、真面目な顔でリンは答えた。

「中一の時から男も女とも寝ていたけど、好奇心と気持ち良さを求めていただけだよ。運のいいことに悪い人はあんまりいなかったしね。好みの人もいたよ。でも、ドキドキしたりねえ、ミナみたいに大事にしたいっていう相手には出会わなかった。俺が子供だったからなんだろうけど、いつだって守られる側だった。そういう意味では俺もガキだったって事だ…」

 目を閉じたまま静かに話すリンだったが、色々な想いが過ぎっているのだろう。おれの予想以上にリンは様々な経験を積んでいる。喜びも悲しみも、おれには想像できないほどに。
 …その複雑な色合いこそ、おれがリンに惹かれる理由なのかもしれない。




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大した事ないのに…なんかむずかしいなあ~(;´∀`)
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● COMMENT ●

なるほどー。

こーゆー感じに続いていくんですね。
テンションの持続がツライから、けっこー体力?使うと思いますです。書く側としては。
がんばってください~~。

アズ様のお話のコラボも進んでるようで楽しみですっ。

メイさん

つくづく才能ないなあ~と、…(;´Д`)

もうなんか…どうしようかコレ…って感じです。

まあ、頑張るけどね~(;´∀`)

あと二回ぐらいで終わりたか~

NoTitle

えー、セリフまわしはサイさんの作品の魅力のひとつじゃないですか。
どうしようかコレ…じゃなくて
いつもの調子でがんばってくださいよ~。

さくちゃん

いや~元々文章力ないからね~
色っぽくもなんないし、人の真似してもつまらんから、新しい描き方…とか、身に合わないことを考えてしまうから、追いつかないね~

まあ、目的は人の書かないようなHシーンを書くことかな~…だからそこがむずい(;´Д`)


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