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2019-11

green house ~ 水川青弥 「引力」 20 - 2009.10.07 Wed

20.
 リンの指がおれの中に入り込んでくる。リンの口唇がおれの胸を這う。
 怖いと同時に背中からぞくりと震えが来る…気持ち悪いんだかいいんだかわからない刺激。
 おれもなんかしないといけないんだろうとは思うけれど、何をしていいのか全くわからず、リンの背中を撫でてやるのが精一杯だ。

 両足の内にリンの身体が落ち着いているのはわかるが、自分の下半身がどうなっているのか、おれは見るのも怖くて目に入らないように薄暗い天井を見上げた。裸眼では天井の模様などわかるわけもない。
 蛍光灯とその脇の熱感知器の両方の丸い形が、地球と月のように見える。
 不思議と落ち着いている。
 自分の呼吸が荒いのも意識をしないのに出てしまう声もはっきりとわかる。
 ゴム持ってきたのに、使わないのかな~と、思い出したが、つけない方がいいかな、と、どうでもいいことを考えている。案外冷静でいられるもんだ。
 ああ、なんだろう。
 セックスってもっと怖くてドロドロしたものだと想像していたけれど、なんか …とても自然だ。
 好きな奴がおれの身体に密着して繋がろうとしている。
 ワクワクする。不謹慎かな?
 
 …息が忙しい。撫でていたリンの背中もなんだか遠い…どうなっているのか、と、思ったら下半身に生ぬるい感覚。
 リンの髪の毛で見えないが、何をしているのか感触でわかる。
 ち、ちょっと待ってくれ。無理だ!
 おれは腰を引こうとするが、リンは俺の腰骨をしっかり掴んで離さない。それに後ろからも擦られておれはすぐに力が抜ける。
「リン…お願いだから…もう、入れてくれ。頼むから」
 リンはやっと口を離して俺を見上げる。
「まだ2本しか入れてない」
「か、構わない。入れてくれ」
 リンに咥えられるより、さっさと入れてもらったほうがマシだ。

 今度は腰を軽く引き上げられ、両足を広げられた。丸見えだがもう恥ずかしいとか言ってられない。
 何でもいい。好きにやってくれ。
 リンはおれに宛がうとゆっくり腰を入れた。勿論痛い。痛くないわけがない。
 息を吐いた方が楽だと思い、短く息を吐く。
「ミナ、大丈夫か?」
 目の前のリンが眉を顰めて俺を見つめる。
 大丈夫だ。痛くても嬉しい。リンと繋がれる。そう思うと恥ずかしいのも痛いのもたいした問題じゃなくなる。

「ミナ…全部入った。苦しくない?」
「う…ん、大丈夫。な、んかすごいけど…リンがいるって、感じする」
「ああっもう、余裕だな、おまえ。俺の方が…よっぽど…もたねえ、かも…動くよ」
「あ…うん…」

 すぐにめちゃくちゃに揺らされた。
 痛いのも気持ちいいのも全部ひっくるめて、まるで波にのまれるようだ。
 喉から出る声が大げさではなく助けを呼んでいる気がした。
 何度も何度も「リン!好きだ」と叫んだ。
 ありえないことも口走ったかもしれない。
 そんなことはどうでもいい。
 どうでもいいんだよ。
 
 リンが好きで、リンを欲しくて、そして、求められ、繋がれた。
 嬉しい、嬉しい、嬉しい…ただそれだけ。
 それだけなんだ。
 

 おれ達は彷徨っている。
 ただひたすらにこれが今、自分達にできうるものと懸命に走る。求めている。 
 君を、愛を、自分を信じるために。
 …なんという、この尊きものよ。
 


    rinmina



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たぶん、これだけH描写を詳しく書くのはここだけだと、感じるんだけど…
もう、一回で終る予定なんだけど~どうなるでしょうか~




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● COMMENT ●

NoTitle

お疲れさまでした!
えっち描写は難しいですよね~。

>…なんという、この尊きものよ。
↑この締めくくり方はサイさんらしいと思いました。

あと1回でミナ編終了ですか。がんばってください!

そっか!

二人はまだ、「途上」で、それを二人は、ちゃんと理解してるんだ!
タイトルの「引力」の意味が見えてきました。
ミナは自分を月だと思ってるのかな?(月って、地球の衛星としては重力が大きすぎるって聞いたことがありますが・・・・。)

変化していく関係を丁寧に追っていく、というのは個人的に大変好みです~。
引力の次は何だろう???

さくちゃん

どんなに書いても、やっぱり上手くいかないねえ~(;´Д`)
でも、ミナの気持ちだけはしっかり書いたつもりです…が、どないでしょうかねえ~

うん、あと一回です。
とても不安定に終らすつもりです。

恋は揺れ動くものだからねえ~
結婚ではないから。

メイさん

そうです。
まだ始まったばかりなのですよ。
その一歩に踏み込んだだけ。
まだ先は何も見えていない。
だから夢中になるんでしょうかねえ~
この話はまだまだ、半分ぐらい終ったかどうかと思っています。
「引力」の次は…なんだろうか?
「スイングバイ」かな~(探査機が惑星に接近する時、その引力を利用して、次の惑星の軌道に乗る事。その時その引力の力で、加速する。この加速が自分は好きなんだ~)


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