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2019-09

君の見た夢 5 - 2008.11.10 Mon

2. 迷路

夢を見てたんだよ。
おもしろかった~
岬はフランス料理店のシェフで、マコちゃんは小説家希望のサラリーマン。
麗乃は詩人で絵描きだってさ。皆なあんまりそれらしくて笑っちまうよな…
レイくん、笑ってないでさ、何とか言えよ。
…ってところで目が覚めた。

あ、夢だったんだ…えっと、ここは…どこだっけ?
見知らぬ部屋の中、ひとりベッドに寝てる俺。
…俺の部屋じゃねぇし…麗乃の部屋じゃねぇし…ここどこ?

ベッドから起き上がって、明るくなっている窓際に近づいてみる。やっぱり知らないカーテンの柄。それを開けてみると眩しい光の洪水。ああ、朝の光だ。すげぇ天気いい。昨日はあんな雨だったのに…
…やっぱりなんかヘン。

おかしくね?俺さ、昨日、麗乃の誕生日で……そう、あいつに呼び出されて、散歩がてらに桜並木の土手を歩いてて、そしたら急に雨が降ってきて、桜の木の下で雨宿りして…それから、迎えに来いって携帯で麗乃に連絡しようとして…それから…?

それから、どうしたんだっけ!何?…えっ、そう、確か、俺は麗乃の家で…いや、違う。頭打って記憶が無かった。そうだ。そんで麗乃が俺を助けて…でも麗乃は俺の事知らなくて…?へっ?知らない?なんで知らないんだ?
…岬とマコちゃんも全然俺の事知らないって……えっ?えっ?ちょっと待て。昨日話したことは夢なんだろう?でも、あれって…さ…どこからどこまでが夢の話だよ。
はぁ?わかんなくなってきたじゃん。えっ?はあ?…えっと…ここは…麗乃の部屋って事なのかな?…じゃあ、何?俺、今、夢ん中居るの?

部屋を見渡すと、どれひとつとして見覚えの無いものばかり。その中に唯一つ…あった!本棚の中…中学校の卒業アルバムだった。
「これは一緒だよ…えっと…」
俺は覚えて久しい友の顔を次々と見比べ、そして、俺の顔を捜した。…無い。どこにも無い、俺の顔も名前も…なんで…おかしいだろう。ちゃんとあるべき場所には知ってる友の顔写真が載ってる。
「嘘だろ…」
俺は別のアルバムを手に取った。幼稚園の卒業アルバム。四人とも一緒だからな。絶対載ってるよ。
…嘘だよ。俺、載ってねーじゃん!…なんかすげぇ悪質なドッキリとしか思えねぇ…こんなのヤダよ。

あれ?…これ。なんでここに桜ヶ丘高校の卒業アルバムがあるの?木久地と俺の母校だろ。木久地が香月のところに置いていったのかな…おそるおそる開いてみる。
香月の写真は知ってる。見慣れた写真だ。
…!これ…麗乃?麗乃がなんでここに居るわけ?見慣れねぇ俺達の高校の制服着て…はぁ~?あいつ違う高校。しかも卒業してねぇし…なんだよ、コレ、おかしくねぇ?俺、俺は…俺はどこだよっ!いねぇじゃん!…どこにも俺の顔写真なんかねぇじゃん!

「…な、なんだよ、コレ。こんなん、あるかよ…ゆ、夢だよな…」
なんか、アレ?ほら、ゲームとかでさぁ、別の次元に空間移動して冒険とかする奴。あんな感じなのか…なぁ…でも、でもさ、皆なは居るんだぜ?…なんで俺だけ…いねぇんだよ…


あ…涙出てきた。クソッ、もう、何でなんかな。
「ユキ、起きた?…ユキ、どうした?」
部屋を覗いた香月が、泣いてる俺を見て驚いてる。
涙を拭いて、近づいてくる香月の顔を凝視した。
どう見ても麗乃だ。麗乃以外の何者でもない…だよな。
「…麗乃」
「なに」
「俺の事、知らないの?」
「えっ?ユキだろ?」
「ちげーよっ!俺だよっ!俺…雨音由貴人っ!」
「あま…ね…ゆきと…おまえ記憶戻ったの?」
「幼馴染みの…幼稚園から中学からずっと一緒で、親友で、一緒に音楽やってさ、そんで…」
俺達付き合ってたじゃん。…おまえ、違うの?俺の知ってる香月じゃないの?
…もう、なんか悔しくて腹立ってきた…

「ご、ごめん。あのさ、ユキ。ちょっと筋道立てて話してくれない?」
「…」
「記憶が…戻ったんだね」
「うん」
「良かったじゃん」
よくねぇよ。全然よくねぇ。全く全然意味わかんねぇんだって!

「あ、雨音って…言うんだ、名字」
「そうだよっ。雨音由貴人っ!」
「…なんか、怒ってる?」
「別に怒ってねーよっ」
何、今更名前とか聞くんだよ。麗乃のばかぁ…ってこいつは俺の事知らない麗乃で…あーもう、頭ん中ぐちゃぐちゃ…

「なあ、ホントに俺の事知らねーの?」
「昨日おまえに初めて会った以外は…俺の記憶に無いよ」
「はぁ~…」
「ゴメン」
おちつけ、おちつけ。これじゃ先に進まねぇじゃんか。落ち着いて整理しよう。とにかく深呼吸…

「…いや、あのさ、俺も良く把握は出来てない気はするケドさ。これが夢じゃないとするのなら…」
「うん」
「俺は異次元から来たんだよ、きっとな」
「……へっ?」
「…」当然の反応だわな。俺も信じがたい…

「なにが?わからん、おまえの言ってる事」
「…あのな、俺はおまえの事知ってるの。香月麗乃の事をずっと二十年以上も前から。幼稚園の頃から知ってるの」
「…はあ?」
「岬もマコちゃんも知ってる。一緒だったじゃん」
「ち、ちょっと待て。訳がわからん。と、とにかくあいつらも呼んでくるわ」
「ああ、その方が話早いわ。呼んで来てよ」
どうせ説明するのなら、三人まとめた方が面倒臭くねぇしな。
で、寝ぼけ眼の二人と香月を相手に一連の話を延々と説明。
当然信じられないと声を上げる三人。でも俺達四人しか知らない事を話したら、さすがに信じる気になったらしい。
俺は気になる事を聞いてみた。
「あのさ、雨音家ってさ…やっぱ存在しないの?」
「いや、あるよ」
「へっ?」
「俺も知ってる。確か学年二つ下に女の子居たよな」
「そうそう、利恵ちゃんっていう」
「利恵は妹だよ」
「…兄貴はいなかったよ。あそこ一人っ子だもの。母ちゃん同士仲いいから、知ってる」
「…」
そういう事になってるんだ、この世界。
じゃあ、俺の存在だけが、全くないって事なの?
…すげぇ、漫画だよ…
俺、漫画の主人公だよ…

…うれしくねぇよ…



☆彡ファンタジーというより、安易なSFBL…しかも長いんですよ~覚悟してね~( ^^) _旦~~

● COMMENT ●

SF!

こういうSFな設定すごく好きです♪
自分のいない世界っていうのがまた物語盛り上げますよね。
すごく読みやすくていいです!!
こっちではポチではなく拍手ボタン押せばいいんですね♪

まりさん

いや~文章も絵もホント人様にお目にできるようなモンじゃないんですよ~
もう何も勉強してないので、酷いもんですよ。
でもその分彼らへの「愛」でなんとかなる…気がして、
つい書いてしまうんです。
情が移ってしまうんですね~
一人称しか書けないのも実力がないからですよ。
でも応援してもらえるとまた頑張る気力が湧いてくるから!
ありがとうヽ(^o^)丿


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