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2019-09

君の見た夢 6 - 2008.11.11 Tue

「おい、大丈夫か?ユキ」
「あ…ああ、いや、ここまで完璧に俺の存在がないと…逆に感動するっていうか…」
「ってかさ、おまえさ、どっから来たの?」
「…それはこっちが聞きたい」
「おまえの知ってる俺達っていうのが、おまえの世界には存在しているってことだろ?」
「そう」
「じゃあさ、その俺達って、この俺達と一緒なわけ?」
「…」いや、厳密には違う。しかしすべてをここで言っていいのかどうか、悩む。
「ユキ?」
「違うよ。あのさ、人間は一緒なんだよ。見かけってゆうかね、一見して全部一緒。だけど…職業とか…違くて…」
「えっ?俺、料理人じゃねぇの?」
「うん」
「じゃあ、何?」
「あ、あのさ…バンド…」
「バンド?」
「うん、バンド組んでミュージシャンなの、俺達」
「俺…たち?」
「皆な…四人一緒にロックバンドやってるのっ!」
「…うそっ」
「はぁ?」
「…かっけーな」
「ホントだもん」
「四人でぇ?」
「そうだよ。香月がギターとボーカルで、マコちゃんがドラムで、岬がベースで、俺がギター」
「いやいや、信じがたい話だよ、それは」
「信じるも信じないもホントだもん。ルーンアロウズってゆうバンドだもん」
プッと一同が失笑した。そんなにダサいバンド名か?俺はかっこいいと思ってるけどな。
「売れてるの?」
「…まあまあ」だってそれで食っていけてるんだから。お金持ちじゃないけど…
「香月が詩と曲作ってるの」
「俺?」
「うん」
「そりゃ、麗乃は詩人だから詩は書くだろうケド…」
「ロックバンドねぇ」
「中学の文化祭の時は遊びでやったじゃん」
「ああ、ビートルズね」
「なんで、おまえ知ってる?」
「俺、手伝ったもん」
「いや、おまえ居なかったから」
「…いたもん」
「…」
「で、さぁ、向こうの世界から来たって言うんならさぁ、向こう側ではおまえの存在どうなってるわけ?」
「…どうなんだろ」
「心配してねーか?」
「わ、わかんない」なんか心配になってきた。
突然俺が消えたら…麗乃とかパニックになってそう…と、こっちの麗乃を見る。
心配そうに俺を見る顔。
…なんだよ、どこが違うんだよ。
全部一緒だよ…
「ユキ、大丈夫か?」その声の響きも一緒で…身体が震える。
「…うん」
とにかくこうもしていられない。
ここの世界に俺の存在が無いのなら、さっさと元の世界に帰った方がいいだろう。帰る方法考えなきゃ。

「とにかくさ、ユキひとりじゃないからさ。皆なで考えよ」
「うん、その前にさ、腹減った」
「そうだな、腹が減っては戦はできません」
「いやいや、誰も戦わない」
「うるせーよ、まこっちゃん。ほら、飯の用意するから手伝うの」
「ヘイヘイ」
ふたりを部屋から見送る俺に麗乃の手が伸びて…そのまま頭を撫でるから
「ユキ、あんまり落ち込むな」って言うから…俺は…
「後でさ、昨日の桜の木の所、行ってみよう。な」
「うん」
「大丈夫だって。きっと帰れるよ」
「…ん」
俺を見るその目が、見慣れた俺の麗乃の目とおんなじで…俺は胸が痛くなる。


香月の家から桜の木のある土手を目指す途中、俺はこの異空間の景色をひとつひとつ確かめる様に歩いた。
「なあ、ユキ。聞いてる?」
「ん?」
「おまえの世界も、こことおんなじ景色なの?」
「…似てるようで…違う。なんだろ、建物とか…空気が違うのかな」
ひと言では言いがたい。似てるのに、そっくりなのに何かが違うんだ。

「ここだよ、昨日、おまえが倒れてたところ」
「うん」
「同じ?」
「うん、向こうにもおんなじ桜の木があって…」
そこで俺は雨宿りして、麗乃に携帯で…携帯っ!
「ねぇ、俺、携帯持ってなかった?」
「いや、わかんなかった」
「落としたのかな…」
俺は桜木の周りを探し始める。
違う向きで探し始めた麗乃がすぐに声をかけた。
「ユキ、これじゃねえの?」
「…それだ!」
麗乃から受け取った携帯を開いて確かめてみる。
電源は付いてない。
「どう?壊れてない?」
「う、ん…」急いで電源を付けてみる。
「あ、付いた!大丈夫みたい」
「掛けてみろよ」
「うん」
俺は急いで、麗乃の…目の前に居る奴じゃなくて、俺の知ってる麗乃に掛けた。

…だめだ…呼び出しさえしない。
「どう?繋がりそう?」
心配そうに俺を見る麗乃が、俺の知っている麗乃じゃないなんて…不思議で仕方ない。
「…繋がんない…」
「じゃあ、こっちで…俺に掛けてみろよ」
と、麗乃が自分の携帯を出す。
驚いたことに俺と同じ機種の色違いだった。
それは向こうの麗乃ともまるっきり一緒で…
何だか切なくて…

麗乃が俺の携帯を取って赤外線通信を試してる。
「ほら、俺に掛けてみろよ」
差し出された俺の携帯を受け取り、新しく登録された麗乃の番号に掛けてみる。
呼び出し音が鳴り、目の前の麗乃が携帯を耳に当てた。
「もしもしユキ?聞こえる?」
「…うん、聞こえる」涙混じりに俺が言う。
「壊れてなくて良かったな」
俺の涙を拭きながら麗乃が笑う。



☆彡え~企画がちょっと忙しくなりそうなので…(本格的に神様に取り掛からなくちゃなんない)
こっちはぼちぼちと…すまん<(_ _)>

● COMMENT ●

せつない

携帯電話がつながらないネタは私ダメ。泣く。

とにかく今は向こうの企画をがんばってください。
私も楽しみにしてるんで。
それから、素敵なトップ絵ありがとうございました!
お疲れさまでした~。
ふふふ、うれしいな♪
にやにやが止まらない~。

トップ絵なのに…

ふたりともシカトしているってね~(~_~;)
そのうちメイド服着せて「いらーしゃーい!」みたいなトップでもしますかね。
…まあ、無理だけど…
クリスマス仕様はなんとか頑張りたいので、お待ちを。
あ、でもふたりのデートとかはラフ描いたの。
ソフトクリーム待ってるミナくんと持ってくるリン。

トップ絵

ふたりの微妙な距離感が出てていいですよ。
そして、りんの横顔が素敵!
デート…ふたりのデートってどんなんだろう。
ラフ見たい~!
クリスマス仕様も楽しみにしてます♪

実は…

隠してる左手は後ろで握り合ってるという…ね(*^^)v

しかしリンの顔が苦悩しているのは何故だ?
…ああ、もとからああゆう顔だったわ(*^_^*)

デート…もう恥じらいつつのウヴな高校生ですよ~そういうのが好きなんで~

ふふふ、

帯をはずすと手をつないでます、っていうBLの表紙絵みたいだ。
私、手をつないでるのってすごい好き。萌える。
チューしてなくても、手をつないでるだけで幸せなカップルがいい。

あ、それから私はともかく、サイさんは作品の数が増えてきたので、
目次を作ってそこから各作品へ飛べたほうがいいんじゃないかと思うのですが。
今は向こうの企画で忙しくて、それどころじゃないかな?

私も…

手を繋いで、「これって凄くない?宇宙の中で俺達ふたりの手が繋がってるんだぜ?奇跡だよね」とか言うバカップルが好きです…www

あ、目次とか出来るの?
よくわからんので、サクさんにまかせてもいいのかな~
よろしくお願いします。
ごめんね~私のばっか増えて~(^_^;)
貯まりに溜まったものが…


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