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2019-09

君の見た夢 8 - 2008.11.13 Thu

3. 想いの場所

最初にあいつを見つけた時からわかっていた。あいつを好きになる事は。
どうしてだなんて、そんな事、運命に決まってんだろ?
そんなちゃちな言葉だって信じてしまう程、俺はユキに惹かれていた。
初めての想いに俺は困惑する。
26年間生きてきて、こんなにもいとおしく思える人に出会えるなんて、予想しなかったんだ。
何故だろう。何故こんなにも惹かれるの?
…それはユキの話で理解した。
そう、俺はユキとずっと一緒だったんだ。同じ香月麗乃という違う人間と一緒に生きてきたんだ。

この世界に雨音由貴人という人間が存在していなくても、もうひとりの俺はあいつと共に存在してて、俺と共有し合ってたんじゃないのか?
彼らが十数年と想いを重ねてきたと同じく、俺自身も無意識の中でユキと共に生きてきたんじゃないのか?そう考えなければ、この衝撃的な「好き」という感情の出所の解明なんか説明できやしないんだ。

今まで俺の生きてきた過去において、こんな想いなんて一度だって皆無だし、これまで、本気で好きになったりしたのだって…
今だって彼女どころじゃねえし。それは俺がそういう想いに目覚めなかったからだ。
恋愛対象で好きになったり、誰かを欲したりした事は一度だってなかった。
その事について一番疑問に思っていたのは、当事者の俺だったし、恋愛感情が持てない俺の精神になんらかの異常があるのかとさえ、感じていたんだ。
だけど、それもすべて理解したよ。あいつに出会った瞬間に…
これは必然だ。
ユキは俺の「愛する人」でしかない。
しかし、ユキは違う。ユキの「愛する人」は俺であって俺でない。
じゃあ、どうすればいい?
俺が諦めるべきなのか?…その違う次元の俺の恋人でしかないユキを諦めてしまえと…
そんなこと…できそうもない…できない。
いくらユキが俺を認めていなくても、俺はここに存在するし、消す事もできねぇだろ?
向こう側の香月麗乃の存在だって俺は認めるよ。でもこっち側に来たユキを好きになった俺が間違いだなんて誰が言えるんだよ。
俺はユキが欲しい。好きなんだ。
ユキが俺を選んでくれなくても…諦めるなんて…

ユキに告白した時、拒否されるのは分かっていた。ユキがまだ俺と向こうの俺とを、完全に区別できない今だからこそと、卑怯な手を使ってでもユキに俺の想いを伝えたんだ。それでユキが悩むってのは百パーセント知りながら。
だけど、もし…もしユキがこのままこの世界にいて、向こうの麗乃への想いが薄らぐ様になったらと…
結局俺は、向こうの麗乃と俺自身の境目がなくなる瞬間のユキを狙っているんだよ。
こっちで俺無しでは生きられないユキの弱みを握って、逃げられなくしているだけなんだ。

キスをした時、その反応があまりにも当然に受け入れているユキを知って、向こうの麗乃の存在を嫌というほど知らされた。そして自分の中に湧き出る激しすぎる欲望と醜い嫉妬心に、俺自身全く抑制が取れなくなっていた。
たぶん…俺が想像する以上に、彼らは愛しあってる…認めたくない事実。


あれからユキの俺を見る目がどこか違う。
明らかに緊張している佇まい。戸惑いと不信感の混じった目で俺を見る。
でも時折その緊張の糸が切れる時、とてもいとおしそうに俺を見るんだ。
「レイくん、あのさ…」って、なんの躊躇いもなく呼ぶその顔が、俺が一番好きなユキで…
だけどそれも一瞬の事であって、現実に気づいた顔は暗く沈む。
「ユキ、俺と一緒に居るのが嫌なら、岬か眞人ん宅に行く?泊まらせてもらうよう頼もうか」
「いや、いいよ」
「おまえ、俺を見る度に嫌そうな顔するじゃん」
「嫌じゃない」
「俺が怖いんだろ?」
「怖くない!」
「…」
なんて素直じゃないんだろ。視線外して口をへの字に曲げて膨らませた頬もガキみたいだ。
こういう強情さも惹かれてやまない。たぶん向こうの麗乃もそう…

「…俺は、おまえが許してくれれば、今すぐでもおまえを抱きたいって思ってる」
「やめろよ」
「本当だって」
「聞きたくねぇよっ!」
「おまえが嫌でも…」
「もういいっ!俺、ここ出て行くからっ!」
「ユキっ」
「岬んちに行けばいいんだろっ!」
立ち上がって俺の脇を通り過ぎて足早に玄関に向かう。
岬の家も知らないくせに、どうやって行く気なの?
なんて意地っ張り。そのプライドの高さも彼は愛しいと思うんだろ?そんなのわかってるよ。俺だって…
「ユキ…」その細い背中ごと引き寄せ、たじろぐのも構わず強く抱きしめた。
かなわないと観念したのか、ユキは諦めたようにため息を吐いた。
ねぇ、ユキ、俺はおまえを苦しめてる?

「…好き」
まただ。我慢できない。とめどなく溢れる感情、押さえ切れない零れる言葉に、俺自身が驚いている。今まで言えなかった積もり積もった想いが自分の意思とは関係なく、口をついて出るのだろうか…止まらない…
「ユキ、好きだよ…愛してる」
横から見たユキは泣きそうな顔をして、口唇を噛んだまま何も言わない。

おまえの愛しい人間と同じ顔、身体そして声を持った俺に「好きだ」と言われ、心揺れるユキが見える。
今、おまえの前に居るのは、紛れもなく俺だよ。
おまえを抱きとめる腕を持っているのは、俺。
おまえを心から「好き」と呼べるのは、俺でしかない。
そうだろ?
認めろよ、由貴人。



☆彡いじっぱりのユキに萌え~

● COMMENT ●

わおお~♪

どきどきが止まりません~~
ユキ君かわいい~~レイ君頑張れ~(^^)
目が離せない展開になってきました~

がんばってます!

私が一番頑張ってるよ~!
しかし、神様はむずかしい…が、頑張ってるよ~
主婦業…頑張ってないよ~^_^;
家の中汚いよ~

どひゃ~

ほんとですね~
一番頑張ってますね~(^^)
神様は私も難しかったです。それを3人もですから大変ですね!
お絵かきすると家の中かたずかないですよね・・・
腰とか目とか大事にしてください。

ありがとう~

神様はね~下書きは出来てるの~光と闇は前描いてたやつのふたりなんですよ~実はあいつら出来てるからね~www
あいつらが「愛」とかいう契約(趣味で)で作ったたのが勇者「アルス」というわけです。まあ、こんなことはあっちでは書かないけどね。うちの神様エロいよ~どっちも半裸だもん!www
どこまで神々しくエロくなるかが今回の課題にしているのですよ~
腰も目も大概悪いけど、趣味妄想のためにガンガル!!


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