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2019-09

「聖王伝」プロローグ - 2010.11.15 Mon

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エイクアルド帝国皇帝レイ・ラシード・ヴェルガルドは、帝国騎士団十万を率い、南東に位置するリゴス島を取り囲む島々のひとつに陣営を布いていた。

リゴス島を治める僭主ガイウス・ヴドレックは先王の第一宮廷魔道師の立場を利用し、リゴス島主の座を卑劣な策を用いて奪い取ったのである。
しかし、統治者としてのヴィドックの評価は、高い。
先王ラフテフ二世はかなりの道楽者であり、その生活も派手であったのみならず、不埒な言動が多々あり、重臣以下頭を悩ませていた。
それから比べれば、いかに僭主であろうともヴドレックの政治的手腕は信頼の高いものであり、住民達も諸手を挙げて僭主誕生を喜んだのだ。

エイクアルド軍のリゴス島ルードィア侵略は二月前から行われてはいたが、その実現は未だ日の出を見ない。
神の寵児、地上の覇者レイ・ラシード聖王の今までの百戦錬磨の戦いにおいて、ひとつの国に対し、これほどの時を要しても崩れ落ちない要塞は皆無であった。
それでも帝国の皇帝であるレイ・ラシードはその攻撃の手を緩めなかった。

レイ・ラシードのこの国にこだわる最大の理由はヴィドックの提唱する宗教にある。
ただの信仰宗教ならまだしも、この僭主は自分に感応する能力者、魔道を心得る者、幻術師をまねいては何やら妖しげな実験を行っていた。
死人を生き返らせる法術、天候を操る法術、人々への団体催眠など。
この島の中で収まっていればそれはそれで良かったのだが、事は思わぬ事態を起こした。

元来、このルードィア教領とは、エイクアルド国は盟約を結んでいたのだが、レイ・ラシードが帝国皇帝に即いた時、彼はその盟約を破り捨てた。
この黒魔術的要素を持つ国教を毛嫌いしてもいたし、何よりヴドレックの内面のドス黒い野心に、胸糞が悪くなるのだ。
レイ・ラシードは魔術師としての透視能力はその師であるヴァレリアウスさえも舌を巻くほどであった。

しかし、驍勇英武のレイ・ラシード率いる帝国軍をもってしても破られぬ理由がルードィア側にはあった。
ヴドレックは魔界との接触に成功していた。
不幸といえば不幸であった。
その魔界の者が地位の低い魔族であっても、ヴドレックには力を手に入れさえすれば良いことであり、その盟約がいかなる真意なのかは彼にはわからなかったのだ。

その血の盟約により、彼は脅威的な魔力を身につけ、他の魔術師と共謀し、リゴス島全体の強い結界を張り巡らしたのである。
攻撃するでもなく、和平を求めるでもないルードィアの不気味な抵抗は、その魔力がただならぬ恐怖と気味悪さを感じさせ、さすがの帝国軍もその強襲を渋らせた。

元より容易には征服しかねると踏んでいたレイ・ラシードもこの肌触りの悪い結界の異臭には辟易した。

「ヴドレックめ…何を企んでいるのか…」
「ヴドレックの魔力は神々の許すものではありません。隅を突けば脆く崩れるのみ…あとに残るのは魔族どもの恐ろしい見返りだけです。今しばらく時間を下されば、我々が手を下さずともあの僭主は魔界に堕ちることになりましょう」
静かに諭す軍師ヴァレりアウスの言葉を聞きつつも…
窓の外、暗闇に逃げ惑う精霊達の気狂いじみた悲鳴が、レイ・ラシードの耳の奥に響き、あたかも恋人のすすり泣く声にも似ている…そんな気がした。



公式地図完成記念~o(*^▽^*)o~♪
この先は全く書いてませんわ(;・∀・)

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