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2019-09

僕の見る夢 3 - 2008.11.26 Wed

「眞人…あのさ…」
「いいさ、ほっとけよ。おまえは気にしなくていい」
「…」
「行こ?病室こっちだ」
「…うん」
釈然としないが、今は麗乃の方が気になって仕方が無かった。

二人部屋にひとり、窓際のベッドに寝ている姿を目にした時、破裂するぐらい心臓が鳴った。
怖いのと嬉しいとでごっちゃになった気持ち。
ゆっくり近づいて様子を伺う。麗乃は眠ってるようだった。
少しやつれてる?…でもあっちの麗乃と変わんないよ、全然。

毛布から出された左腕には、点滴が付けられてる。
その先…手首に巻かれた包帯を見た時、心臓が止まるかと思った。

なに…?

手首?包帯?…救急車?…辿り着くもんはひとつしかなかった。

言葉にするなんて怖くて出来ない。倒れそうになって後ろによろめいたら、丁度隣の空いたベッドに足が当たって、そのままそこに座り込んだ。

…上手く、呼吸が、出来ない…

「おい、ユキ。大丈夫か?」
「あ…運ばれたっ、て…な、んで?」
…クソッ、頭がガンガンしやがる。口もマトモに動かない。
「なんで?…麗乃、なんで?」
「…」
「あの…さ…あの包帯ってさ…ど、したの?」
「…」
「眞人?」
「香月が自分でやったんだよ」
「…そんな…嘘…嘘だろ!」
「落ち着けって、ユキ。…言いたくないが、これが初めてじゃない…」
「な…んで」
「もう…三回はやってる。今度はちょっと深かったから、大げさになっちまったけどな」
「…」言葉が無かった。
「まあ、命にかかわるとかそんなんじゃねぇし、本気で死のうとしたわけでもないみたいなんだよ。だからおまえがそんなにショック受けなくてもいいんだって」
「…」
「どっちかというと、何も食ってなくて、栄養失調で倒れたつーか…バカだろ?」
眞人は俺に気を遣って殊更に大した事じゃないみたいに言うから、益々胸が締め付けられる。
「ユキ…大丈夫だから。二、三日入院すりゃ帰っていいって医者も言ってるし…な、そんな落ち込むなって」
そう言って、慰めるみたいに俺の頭をぐしゃぐしゃってするから、堪えていた涙が零れ落ちた。

泣きながらも頭ん中は訳わかんなくて、何をどう考えていいのかわかんなかった。

手首を切った?何も食べてない?…ってどういう…
自殺?
自分で自分の命を絶とうとしたって?……信じられない。
麗乃はそんなことする奴じゃ、ないっ!絶対にないっ!だって、そうだろ?あいつほど命の重さを考えてる奴はいねぇし…

身体が震えだしたのが自分で判った。
考えれば考えるだけ訳が判んなくなる。何がなんだかわかんない。そもそもここはどこだ?ホントに俺、ここに居たのか?…いや、元々居ちゃいけない存在だったんだよ。
なのに、俺、何も知らないで能天気にここに来ちゃて…

痛ぇ…これは現実だ。心臓が痛いのも、麗乃がこんなになってんのも…

「なんで…」振り絞るように出した声は擦れてて、変だった。「麗乃は…したの?」
「…なんでは、理由に係ってる?」
「うん」
「それは…おまえが自分で聞けよ」
「…」
「誰も…わかんねぇよ、ホントの心ん中はさ」
「…」
「由貴人、俺仕事あるからそろそろ帰るけど、良かったら、おまえここに居てくれねぇか?」
「俺、居てもいいの?」
「居てやってくれ…香月が目ぇ覚ましたら、もう馬鹿なことすんなって怒鳴ってやってくれ」
「…」
「看護師さんには話しとくから、ゆっくりしてろ」
「…ありがと」
片手を上げて帰る眞人の背中を見送った。
ドアを閉める時、部屋の電灯を消していくから、二人きりの病室がいきなり窓外の黄昏で薄暗い灰色に染まった。



 2へ /4へ 



今回こんな感じで結構続くんで…ごめんね~

● COMMENT ●

レイくんが~!

こっちのレイ君が大変なことになってるじゃないですか~!
これではユキ君がいたばさみですね~><
どちらのレイ君も好きだからどうするんでしょうか~~~
予想がつきません!
でもハッピーエンドになるんですよね(^-^)

がんばります!

完璧なハッピーエンドはありえないけどね(^_^;)
今回の麗乃も由貴人も大変ですよ。
続き楽しんでね( ^^) _旦~~


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