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2019-09

Phantom Pain 2 - 2012.06.07 Thu

2
イラストはサムネイルでアップしております。
大きく見たい方はイラストをクリックしてください。

アーシュq-1

2、
 その夜、アーシュは寝つかれずにいた。
 初めての遠出と列車の旅、ロマンチックな古城や豪華な調度品に天蓋付きベッド。どれもアーシュには興奮静まらぬものばかりだった。が、アーシュが睡魔に襲われなかった一番の理由はあの絵画の所為だ。
 アーシュそっくりの数々の絵に描かれた「レヴィ・アスタロト」は、現実に存在するのだろうか。
 何百年もの間、年を取らずの不死者、それは人間ではなく、吸血鬼か化け物か魔物か…
 本当にこの古城の当主だったアルネマール伯爵は、その非人間である「レヴィ・アスタロト」と交流があったのだろうか。
 これらの好奇心がアーシュを安眠へとは導かせずにいたのだ。
「それにしても…」
 アーシュは寝返りをうち、シルクの毛布を肩まで引き上げた。
「あそこまで俺にそっくりということは、やはり『レヴィ・アスタロト』と俺とは何か因縁めいたものがあるに違いない。どうにかしてその核心に迫りたいものだがなあ~」
 やむなくアーシュはベッドから起きだし、パジャマ姿のまま、部屋を出た。
廊下は電燈もなく暗かった。

 長年住人がいなかった為に古城自体には電気などの近代文明は設備されていなかった。
 今回、エドワードのリフォームのおかげではとりあえずリビングと水屋、それに主要な寝室は電気を使うことができたので別段不便は感じなかったのだが、夜の廊下のそぞろ歩きには、携帯用の石油ランプが必要だった。
 そのランタンを片手に持ち、アーシュはもう一度、絵を確かめるために先ほどの部屋へ向かった。
 ドアを開け、暗闇の中を探りながら壁に飾られた「レヴィ・アスタロト」の絵にランタンの光を掲げる。
 絵の中の「レヴィ・アスタロト」は、アーシュを見ては何かしら面白おかしく微笑んでいるようにさえ見える。
「こんなに似ているんじゃ、認めるしかないよね、レヴィ・アスタロト。君は俺の血縁関係にあるの?もしかしたら父親?まあ、俺は魔王の息子でもちっとも構わないけどね」

「レヴィ?…レヴィ・アスタロト。久しく顔を見なかったが、元気だったかい?」
 暗闇から突然の見知らぬ声に、さすがのアーシュもギクリと身震いをする。
 アーシュは声のする方を見た。
 薄暗い中、窓際づたい壁の前にスーツに山高帽を被った品の良い老人が立っている。
 亡霊を見たのは初めてだが、魔法使いという最も怪しい力を操る者がこの不可思議な手合いに驚く器量は初めから無い。
「レヴィ、あまりに君が来ないからとても心配していたんだよ。まさか不死である魔王の君が死んだとは思わなかったけれど…。おや、これはまた、思い切り髪を切ってしまったのだね。私は君の豊かに波打つ長い黒髪にいつも見惚れていたのだが。いやいや、今の短髪も魅力的だ。いささか若返った少年のように見えるがね」
 老紳士はステッキをつき、にこやかに笑いならがアーシュに近づいた。
 よく見るとその老紳士の顔は、玄関ホールに飾られた肖像画に似ていた。
 アーシュは老紳士に低く頭を下げ、丁寧な挨拶をした。
 彼がこの古城の主であったアルネマール伯、ウィリアム・ヴァン・キャンベルの幽霊であることは明白であった。
「ごきげんよう、伯爵。お初にお目にかかります。僕はアーシュと言い、あなたの子孫であるスタンリー家の一人息子、クリストファー・セイヴァリ・スタンリーの友人です」
 伯爵はアーシュの言葉を訝った。
「…どういうことかね?君は私の友人のレヴィ・アスタロトではない…と、言うのかね?」
「はい、そうです。伯爵。絵を見る限り、見目は似ていますが、僕はレヴィ・アスタロトではありません。でも…レヴィ・アスタロトの血縁なのかもしれません。これだけ似ているし、僕もアスタロト・レヴィ・クレメントと言う真の名を持っているのですから」
「ふむ。真に不可思議なこともあるものだね。私がレヴィの姿を見間違うわけはないのだが…アーシュと言ったね」
「はい」
「君には私が見えるのかい?レヴィの他には、誰も私のこの姿を見たものはいないのだよ。下手な霊媒師どもが興味本位にやってきても、見えるどころか、霊感に触れることさえできなかったのに」
「僕は普通の魔術師ではないので」
「ほう…ではやはりレヴィの血を引く者と断定しても良さそうだね」
「ありがとうございます。伯爵…僕は親を知らずに育ちました。生まれてすぐに赤子のまま捨てられていたそうです。拾ってくれた人の親切で僕は無事にこうして生きています。僕は…自分のことをなにひとつ知らない。それでいいと思っていた。だけど僕を産んでくれた父や母のことを知りたいと思うようになったんです。もしこの絵の…『レヴィ・アスタロト』が僕となんらかの関係があるのなら、僕はそれを知りたい。その為にこの城にきたんです。伯爵はレヴィ・アスタロトの友人だと記録されています。それが本当なら、レヴィ・アスタロトのことを僕に聞かせてください。どんな些細なことでもいいんだ。俺は…自分が何者なのか知らないままでは…駄目な気がする…」
 本当のところ、アーシュは自分がただの捨て子で、強力な魔力を持った魔術師として生きていく道を選んでも良いと思っていた。だが、この絵を知ってしまった。
 自分にそっくりの「魔王アスタロト」の存在を知ってしまった。
 何故自分に似ているのか、レヴィ・アスタロトとはどのような者なのか…
 今となっては、無視できるはずもない。

「アーシュ、君の役に立つかはわからないが、私のような年寄りは昔話が好きでね。それを若者に得意げに話すのは最も好むところなんだ。君がよければ夜が明けるまで喜んで話し聞かせよう」
 伯爵は上機嫌でアーシュを高級な紫檀の長椅子に招き、仲よく並んで座った。
 無意識のうちにアーシュはわだかまる思いのすべてを捨て、心を開き、亡霊である伯爵の話に聞き入った。
 伯爵の話はアスタロトだけではなく、自分の生きてきた色々な冒険談にまで渡り、アーシュは興味深く聞き入った。

「馬に乗ってサーベルを振り上げ、鉄砲で戦うなんて…小説でしか読んだことがないよ。伯爵は軍功を立てて、王様から爵位をもらったんだね。すごいや!」
「血気盛んな若気の至りというわけだ。戦争とは自分の名誉の為に、他人を殺すことを厭わない残虐なものだが…私にとっては神聖な行動だったと思う。そう思わなければ、その先を生き続けることは辛いばかりだからね」
「でも伯爵は幸せだったのでしょう?優しい奥様と子供たち…それにレヴィ・アスタロトにも出会えた」
「そうだ。妻が亡くなって、後は老いた自分の死を待つばかりだったが、レヴィが私の人生の終わりに光を与えてくれたのだよ…。レヴィは一年に一度、数日しか会いに来てくれなかったが、その数日を待ちわびる喜びが何よりの生き甲斐になった…」
 伯爵は長い話の折々にアーシュを「レヴィ」と呼び、「僕はアーシュですよ、伯爵」と答えると、「私にはそうは見えぬのだが…」と、納得できない風であった。

「レヴィ・アスタロトは一体どこからこの城にやって来たのでしょうか?たぶん他の次元ではあるのだろうけれど…」
「彼は、自分が何者なのかはあまり語ることはしなかった。『魔王アスタロト』と呼んだのも私の方で、彼は気に入ったよと笑うだけだった…」
「伯爵。僕はレヴィに似てる?」
「ああ、何もかもが彼そのものだよ」
「僕は…彼の子供なのかな?」
「それは考えにくいな」
「何故?」
「レヴィは自分を人間では無いと言っていたし…事実、人間との性交にはあまり関心がなかった。何より、レヴィには大切な同性の恋人がいたんだ。名を『イール』と言ってね。レヴィは本当に…こちらが呆れるほどイールを愛していたのだよ」
「イール…」
 初めて聞くその名前を声を出して呼んだ時、何故かアーシュの心が一瞬温かくなった。

「レヴィはイールの許しを得てこちらの世界を遊行する。イールは放蕩息子の恋人の帰りを、故郷で待っているわけなんだ。レヴィは年に一度だけ、この城に遊びに来るのだが、二、三日するとソワソワし始め、五日も経つとなると『イールが寂しくするといけないから帰るね』と、血相を変えて城から出ていくんだよ。あれはイールが寂しいんじゃなくて、レヴィの方が寂しくて辛抱できないんだろうと、私は彼の帰った後、何度も腹を抱えて笑ったものだ」
「かわいいね」
「その通りだよ。レヴィは可愛いし純真だ。私が彼が大好きだ。レヴィは自分は不死で、もう恐ろしいほどの年月を生きていると言っていたが…私には少年のままの魂で生きている気がしたよ。君のように…」
 伯爵はアーシュをレヴィ・アスタロトに重ねていた。
 そしてそれが間違いだとは、アーシュ自身にも思えなくなっていた。

「…私は彼の姿を見るたびに自分の年老いた醜い容姿がうらめしく、彼を羨んだり嫉妬したりもしたけれど、誰にも否定できないあのきらめく憧憬の存在の証は、私に真の幸福を与えたのだよ…」
「…」
「アーシュ、君は自分が何であるのか知りたいと言ったね。私が言えることは、君はレヴィ・アスタロトの子孫ではないということだ。君はもっと近い…何かだろう…」
「俺は…レヴィ・アスタロトなのだろうか?」
「レヴィは『自分は不死だ』と嘆いていた。死ねないことを嘆く魔王がこの世にいるのだろうかねえ…私はそう言って嘆く彼がたまらなく愛おしいよ。…ああ、そろそろ夜が白み始めた。帰らなければな。エーリュシオンで妻が待っている…生きていた頃は、暁闇の境目に立ち会う瞬間が一番好きだったのだが、虚ろな身になってからは、陽の光が苦手でね」
「幽霊では仕方ありませんね」
 アーシュは伯爵の手を取ろうとしたが、勿論その手の実態はなく、空を切った。
 伯爵を見送るために、バルコニーの窓を開けアーシュは別れの挨拶をした。
 薄明の空には雲一つ見えなかった。
 伯爵の帰るエーリュシオンもきっとあの天にあるのかもしれないとアーシュは思った。

「あなたの子孫たちにはお会いになりましたか?伯爵」
「ああ、そういえば…最近何度が金髪の見目良い男を見たが…。彼が私の子孫なのかな」
「五代目…ぐらいかな。その五代目にそっくりな六代目もいますよ。彼らは僕の最も信頼する友人たちです」
「そうか…残念だが彼らには私の姿は見えまい。君からよろしく言ってくれたまえ。できる限り見守っていると」
「はい」
「それとレヴィ・アスタロトに、心身を尽くせとも伝えてくれ」
「…わかりました」
 少し困った顔でアーシュは伯爵に答えるのだった。

「また君に会えるといいのだが…」
 伯爵は馴染んだ山高帽をかぶり、ステッキを持った。
「エーリュシオンは楽しくないの?」
「こちらと変わりはせんよ。美しい若者はいるが、年寄りなど見向きもされない。せめて死んだ後ぐらいは自分の好きな年恰好でいさせてもらいたいものだ。あれでは早死にした方が、儲け者だよ」
「はは…そりゃ冥界の王にでも頼まなきゃね」
「君は魔王なのだろう?君の力でなんとかしてもらいたいものだが、君が来るには早すぎる」
「伯爵…」
 伯爵のアーシュへの信頼は、アーシュの胸を熱くした。

「魔王アスタロトと口に出すだけで皆は怖れる。光を嫌い、地下深い暗闇を愛する魔族のように多くの者はイメージしたがるものだが、レヴィはそうではない。あの黒髪、深淵の瞳を持つ麗美な魔術師は…そう、ちょうど君のように、朝日に佇むのが似合う男だ。彼そのものが光の根源であるかのように、魔王レヴィ・アスタロトの魂は眩しかったのだよ…アーシュ、レヴィ…また、会ってくれるかね」
「はい、伯爵。またここでお会いしましょう」
 
 ゆっくりと水平線が黄玉に輝き始めた時、伯爵の姿もその光に溶けていくのだった。

(今度会う時、きっと自分自身が何者なのかあなたに話せると思うよ、伯爵)
 アーシュはひとり降り注ぐ光明に中に立ち、天に帰る伯爵を見送った。


 部屋に帰ったアーシュは睡眠不足の所為でベッドに横になった途端に熟睡してしまい、その日の昼過ぎになってやっと目を覚ました。
 身支度を整えて、リビングへ向かうと、エドワードとベルがアフタヌーンティーを優雅に摂っていた。
「やっとお目覚めかい?アーシュ。どうだい、一緒にお茶などいかがかな?」と、エドワードはにこやかにアーシュに席を勧めた。
「いただきます。もうお腹ペコペコで死にそうだよ」
「…」
 席に着いたアーシュにメイドが素早くカップと皿を用意する。アーシュはフォークとナイフを手に早速皿に載せられたマーマレードジャムたっぷりのパンケーキをほおばった。
「うわ、このパンケーキ美味いよ、ジャムが最高だ」
「良かったら出来立てのミートパイもどうぞ。臨時のシェフはこの町一番のパン屋の職人だよ」
「うん。これも美味しいよ。ねえ、ベル」
「…」
 ベルは不機嫌そうにアーシュを睨んだまま、アップルパイにかぶりつく。
「どうしたの?ベル」
 アーシュはベルの不機嫌の原因が自分にあるとは露とも思わずベルの機嫌を何度も聞く。その様子に笑いを堪えていたエドワードが、とうとう吹き出した。
「アーシュ、クリストファーは君がいつまでたっても起きないもんだから不貞腐っているのさ」
「ええ、そうなの?起こしてくれればよかったのに」
「何度も起こした。だけど身体を揺らしても、頬を抓っても君は目を開けもしないんだから。まったくもって呆れるよ。俺たちは明日には帰らなきゃならないのに…君は眠りを貪るためにはるばるこんな古城にまで赴いたのか?」
「悪い。でも一晩中起きていたから、眠くて仕方なかったんだ」
「一晩中?何してたのさ」
「君たちのご先祖さまと四方山話。楽しかったよ。あ、君たちにも宜しく言っておいてくれって」
「ご先祖って…アルネマール伯爵のことか?」
「そうだよ、エドワード。俺、彼の幽霊に会えたんだ。彼は本当にレヴィ・アスタロトの友人だった。色々なことを話してくれたんだよ。とても有意義な時間を過ごせて本当にこの城に来てよかった。全部エドワードのおかげだよ。ありがとう」
「…いや、それはいいんだが…アーシュ。あまりに突拍子もない話でついていけない。初めから順を追って話してくれないか?」
「いいけど…日が暮れるよ。ここまで来て何もしないでいいの?ねえ、ベル?」
「…仕方ないよ。今回は『レヴィ・アスタロト』の解明の為に来たのだもの。アルネマール伯と俺たちの関係も無縁ではないしね。この城に閉じ込められるのを覚悟して君の話をゆっくりと聞くことにする」
 大げさにため息を吐いた後、ベルはいつもの穏やかな笑みをアーシュに向けた。



 翌日、二人は昼前にオラフィスの古城を発ち、帰路に着いた。
 来た時と同じように六時間の列車の旅ではあったが、ふたりはそれぞれの思いに耽り、言葉少なに窓の外の移ろう景色を眺めていた。
 アーシュは伯爵の話をなんども思い返して、その中に自分を見出すヒントを探し出していたし、ベルはアーシュに学長のトゥエ・イェタルから聞いた話を打ち明けるかどうかを迷っていた。
 ベルは真実を口伝えではなく、アスタロト本人に直面したトゥエから聞くべきだと信じていた。それが彼を背負った者の責任ではないだろうかと、考えていた。
 だから考え込むアーシュにも何も言わない。
 ただ、アーシュが「俺が何者でもベルは俺を嫌ったりしない?」と、泣きそうな顔で問われ、ベルは情けなくなった。今更ではないか。
「バカ。俺は言ったはずだ。どんなアーシュでも俺は君を愛していると。ずっと君の傍にいたいって…誓ったのを忘れたのか?」
「忘れるもんか…でも、俺自身でさえ怖くなるんだ。もし俺が本当にあのレヴィ・アスタロト…魔王だとしたら…いや、そんなことはあるわけがないよね。だって、俺にはそんな記憶はないし、赤ちゃんだった頃からの写真だってある」
「なあ、アーシュ。俺は思うんだが…一度学長に問いただしたらどうだろう。君を拾ったのは彼なんだから、真実はトゥエにしか聞き出せないと思うよ」
「…」
 アーシュはベルの瞳に、強い意志を見出した。
 それは彼がアーシュの出生についてなんらかをすでに知っているということと、それを自分に聞くなと訴えていることだ。
 アーシュはベルの思いを了承した。ベルがアーシュの為にならないことを、今までに一度だって仕向けた例などなかったのだから。
「そうだね、ベル。君の言うとおりにするよ。じゃあ、この件はおしまいにして、帰りつくまでの旅を大いに楽しもうよ」
「ああ、そうだな」
「とりあえず…食堂でワインと美味い肉料理を注文しようよ。学園に帰ったらまた代わり映えのしない飯が続くんだからさ。勿論、料金はエドワードに頼むんだけどね」
「了解した。遊べなかった分、腹ごしらえぐらいは存分に味わおう」
「まだ根にもっているのか?ベル」
「別に…俺はアーシュを愛しているから、これくらいでは僻まないさ」
「…」
 ベルの言葉は皮肉ではなく、本心だとアーシュは知っていた。
 「愛している」…その言葉が、昨晩心に刻まれた「イール」と言う、見たこともない者への想いに重なる気がした。
(俺がもしアスタロトだったら、そんなに大事な人のことを忘れたりするものか)


 夕刻、ふたりは「天の王」学園に帰り着いた。 
 アーシュは、荷物を部屋に置き、その足で構内の中央の聖堂へ向かった。
 休日の為に表の扉はきつく閉じられていた。
 仕方なく裏門へ回る。と、そこに学長であるトゥエ・イェタルが佇んでいる。まるでアーシュが来るのを待ちわびているかのように…。
「学長!」
「お帰り、アーシュ。長旅はどうだったかね?」
「あ、はい。とても…楽しかった。でもどうして?」
 オラフィスの古城へ出かけることは、前もってトゥエにも知らせておいた。学園に住む孤児の外出許可は学長の許可が必要だったのだ。
 だが、何時帰るとも知らせていないし、ましてやアーシュがここに来ることなど、知り得ようもない話だ。
 だが、トゥエ・イェタルはそれを知っていた。
 
 トゥエ・イェタルは穏やかに微笑みながらも、心の内では怯えていた。
 彼はアーシュにすべてを話す時がきたのだと、自分に言い聞かせ、やっとの思いで自身をここに立たせていたのだった。

「トゥエ、親父殿…俺が生まれた時の…ありのままのことを、聞かせてくださいますか?」
「…ああ、そうだね、アーシュ…そうすることにしよう…」

 トゥエ・イェタルは怯えていた。
 この愛し子が、過酷な運命と対峙しなければならないことに。
 それを知った後、我が元から旅立つであろうことに。
 そして、残される悲しみと寂しさに…



イール-19

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● COMMENT ●

アルネマール伯爵!
おぉ~これほど レヴィ・アスタロトを知るのに 適任者は居ないでしょうね。
アーシュやベル、エドワード達が 古城の中を隅から隅まで調べあげるのに 時間も体力もバカにならないですし、何所まで克明に調べられるか疑問ですものね!(o-∀-)b))そぅそぅ゚.♪

”人”でもなく この世界の者ではないレヴィ・アスタロト
アーシュが何者であるか?を知る時が 段々と近づいて来たぁ~!
トドメに トゥエの話しを聞けば 欠けたパズルが 更に埋まりますね。

恋人イールの存在も知った事だし~♪((O(〃⌒▼⌒〃)O))♪わくわく

サイアート様、新しいパソを買われたんですね。
いいなぁ・・ ( ̄ρ ̄* )
私のパソは、もうすぐ8年で 故障で修理歴3回(内 1回は無料ですが)
ただ今 気まぐれニャンコ状態で振り回されっぱなしすが、どうにかこうにか動いてくれてます。
でも次に ぶっ壊れた時こそ 新しいのを買うぞ~~
ヘソクリしなくっちゃ♪(ノ∀`*)ペチ...byebye☆


八年ですか~…それはすごい。
うちは三人家族ですが、六台ありますよ。でも動かないのが二台。
古くなるとだんだん立ち上がるのが遅くなるし、とにかく遅いのがイライラしてしまいますね。
特に絵を描くことは容量を食うので、メモリとCPUの動きが大事なんですよ。描いてる途中で動かなくなることが一番恐ろしいですからねえ~
私もWIN2000を使っていた頃は、よく止まってしまって真っ青になった経験があります。
だから絵を描くためにはメモリだけは増やしておかないと駄目ですね~
昔のデスクトップはよく壊れ、五年間で三回も修理にだしたけど、保証期間で無料でした。ハードディスクから変えなきゃならなかったんですが…今聞いたらそういう修理は保証に入らないんだって。ケチだねえ~
と、いうかこの十年間でパソの値段は三分の一ぐらいになった気がしますね。
今度のやつも10万ぐらいでしたから。
十年前はデスクトップを28万で買った記憶がありますからねえ~
まあ、高いおもちゃではありますけど…<(^∀^*)ゞ


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Author:サイアート
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